既存システムをkintoneに移行したいと思った時に考えること

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こんにちは。システム開発グループの大澤です。

日々さまざまなシステムに関するお問い合わせをキミノマホロにいただく中で、返答に悩むご相談があります。それは「既存のシステムからの移行先を検討しているのですが、kintoneの場合どのくらいの費用がかかるか見積もってもらえますか?」というものです。

なぜkintoneが移行先として注目されるのか

kintoneは、IT部門に限らず業務部門の担当者自身がアプリを作成できるという大きな強みがあります。業務に合わせて柔軟にアプリを追加・修正できるため、組織内でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する際に非常に魅力的なプラットフォームです。

ただし、kintoneは「誰でも作れる簡単な仕組み」が得意な一方で、「複雑なシステムの再現」は苦手です。紙やExcelベースの業務を置き換えるには向いていますが、機能が複雑に絡み合うシステムや、パッケージソフトからの移行には注意が必要です。

それは、kintoneはありもののパッケージではなく、お客様と一緒に作り上げていくものだからです。お客様の具体的な運用方法によって、どこまでの機能・利便性が必要かは大きく変わってきます。

特に、以下のようなケースではお見積りが難しいです。

  • 外部システムとの連携が前提となっている
  • 高度な集計・処理・自動化が組み込まれている
  • 特殊な業務ロジックや画面設計がある

このような要件はそのままkintoneに持ち込むことはできません。kintoneの機能を用いて実現するのか、カスタマイズで実現するのか、外部サービスを用いて実現するのかは要件を詳細に把握した上で判断する必要があります。

そのため、他の移行先候補のサービスやパッケージと比較するために概算金額をお出しするのは非常に難しく、お断りさせていただくことが多いです。実際のコストと大きく乖離してしまう可能性が高く、責任をもって金額をお出しすることができないためです。

kintone移行を検討する際のステップ

では、kintoneを移行先の候補とする場合、どう進めるのが良いでしょうか?

1. まずは要件を満たすパッケージ・SaaSの調査を行う

まずは既存システムの代替となるようなパッケージソフトやSaaSが存在しないかを調査しましょう。必要な機能が網羅されていて、コストや導入期間も見合うのであれば、それを主軸に据えるのが効率的です。

パッケージやSaaSで業務の大半をカバーできそうだけど、一部がどうしても足りないという場合、足りない部分だけをkintoneで補うという形も検討できます。kintoneは柔軟なプラットフォームなので、補助的な役割としても活躍できます。

2. kintoneで構築する前に、しっかりと要件定義を行う

良いパッケージが見つからず、「やはりkintoneが良さそうだ」と思われた場合には、費用をかけてでも要件定義フェーズを実施することをおすすめします。

パッケージソフト等は豊富な機能や使い勝手の良いUIを用意していることが多いです。kintoneで置き換える場合には現行システムから不便になってしまう部分がどうしても出てきてしまいます。

そのため

  • 現行の業務をkintoneで実現する場合、どのような形になるのか。それで業務がまわりそうか
  • どこまでがkintoneで対応でき、どこからが拡張や別サービスの力が必要か。どういった運用が必要になるか
  • 費用(初期・ランニングコスト)や期間は現実的か

といった点をしっかり確認した上で、「kintoneで実現できる」と判断することが大切です。

アールスリーがサポートできること

アールスリーのシステム開発メニュー「キミノマホロ for kintone」では、お客様の「これはkintoneに移行できるの?」という不安を解消するためのメニューをご用意しています。

既存システムでどのような業務を行っているか、どういうところで困っているかを整理します。具体的な業務の流れによって、どういったタイミングでデータ連携が必要かなど、連携サービスの選定にも影響があります。

お客様の要件に応じて、kintoneメインで機能を作るのか、パッケージをメインにして周辺機能をkintoneで補うのかなどが変わってきます。システム構成に合わせてどういった機能を用意する必要があるかを検討し、必要なもの、不要なものを整理・確認します。

要件を踏まえてどのようにkintoneで実現するかの検討を行います。実際にkintoneで画面を作成し、動くものをお見せしながら改善を加えていき、完成度を上げていきます。

まとめ

複雑な機能を持つ既存システムの移行先としてkintoneを検討する場合、「要件リストをもとに概算見積を並べて比較する」という進め方は適していないことが多いです。まずはkintoneで何ができて、何ができないのかを正しく理解し、「自社の業務に合うか?」を判断することが重要です。

アールスリーでは、kintone化した場合の実現イメージを具体化し、移行の是非をご判断いただくための材料をご提供することも可能です。

「まずは、どんなことができるのか話を聞いてみたい」
そんなお気軽なご相談でかまいません。ぜひ一度お問い合わせください。

キミノマホロ for kintone

アールスリーでは業務改善・システム開発を行うサービスを「キミノマホロ for kintone」として提供しています。

「キミノマホロ for kintone」は業務改善のプロセスをイロハで3つのフェーズに分け、フェーズごとに作業をメニュー化しています。

  【イ】業務改善の始まり:業務改善の方向性を決める

  【ロ】業務改善に必要なkintoneアプリ作成:業務改善を実現するための仕組み(kintoneアプリ)を作る

  【ハ】業務改善の実行サポート:業務改善を進める

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