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お久しぶりです!
26歳にして健康になろう!という目標のもと、最近運動を習慣にし始めました。
その結果、どんどんゴツくなっているシステム開発グループの青木です💪🏋️♀️
kintoneをある程度使いこなしていると、アプリやスペースが増えるにしたがって「何がどこでどう使われているか」の把握が課題になりますよね。
特に管理者サイドでは、「運用されていないアプリ」や「連携しているアプリ同士の改修影響」など、全体像をつかむことが求められる場面が増えてきます。
その中でも「ワイドコース」は、より大規模な組織でのkintone運用を強力にサポートするための高度な管理機能や可視化機能が搭載されたコースです。
そんなときこそ、ワイドコースの「アプリ分析」機能が活躍します。この記事では、kintoneのワイドコースに含まれる機能を軽くおさらいしつつ、特にアプリ分析、そしてgusuku Customineを導入している場合のアプリ分析の見え方とその便利さという視点にフォーカスして紹介します。
ワイドコースとは?
ワイドコースは、kintoneの標準機能ではカバーしきれない「管理」「統制」「分析」ニーズに応えるための大規模利用に特化したコースです。ワイドコースの特徴をよく表す例として、アプリをMAX3,000個まで扱える点が挙げられます。そのため、多数のアプリやスペースを利用している大規模組織において、その真価を発揮します。
各ワイドコース専用機能のご利用には一定の条件があり、アプリ分析の場合は全アプリ・スペースの管理者権限が必要であり、アカウントの言語設定を「日本語」にしている必要があります。また、ゲストスペースやモバイル環境、組織外との連携にはいくつかの制限があるため、導入前の検証が推奨されています。
ワイドコースの詳細はこちらをご確認ください。

(Figure1: ワイドコースのポータル画面。カテゴリーごとに整理が可能で自由度が高い)
ワイドコースで利用できる主な機能(概要)
機能名 | 概要 |
ポータル拡張 | 組織・グループ別にカスタマイズされたポータルを表示可能。外部リンクやアプリ分類も一括管理できます。 |
プロセス管理強化 | 承認時にコメント入力を必須にしたり、履歴を記録するプラグインで、内部統制を強化。 |
プロセス管理フローチャート | 承認フローのステータスをフローチャートで一覧表示。状況の把握とプロセス改善に有効。 |
ワイドコース専用API | アプリやスペースの利用状況(レコード数、API使用数など)を取得できる監視用API。 |
アプリ分析 | 今回の主題。アプリの構造、関連性、権限、カスタマイズ状況までを可視化できます。 |
どれも中〜大規模組織の管理に強みを発揮するものですが、「アプリ分析」はその中でも特に「見える化」に貢献してくれる機能です。
各機能におけるマニュアルはこちらでご確認ください。
尚、上記機能はkintoneワイドコースをご契約いただいているお客様のみご利用いただけます。
ワイドコース以外では正常に動作しませんので、お気をつけくださいませ。
アプリ分析機能で何ができる?
🌐 アプリの構成を全体俯瞰
アプリ分析では、組織別のアプリ保有状況、権限設定の分析、フィールド構成や添付ファイル容量などの特徴が一覧化されます。
しかもそれだけではありません。
🔗 アプリ関連図を自動生成
一番の肝はこれ。
アプリ間のリレーション情報をもとに、関連図を自動生成できるため、アプリ同士がどのようにリンクしているかが「視覚的に」把握できるのです。
例えば、Aアプリの関連レコードにBアプリがつながっていて、さらにCアプリとルックアップで連携している……といった情報が1つの図にまとまります。
これは、アプリ改修時や構成整理を行う際に「どこに影響が出るのか」を確認するのに極めて有効です。

(Figure2: アプリ関連図。矢印が色分けされているので視認しやすい)
gusuku Customineとの親和性:gusukuユーザーだからこそ刺さる視点
私は弊社でシステム開発グループに所属しているので日々gusuku Customineを使った開発支援を行っていますが、
このアプリ分析は「gusuku Customineの導入状況の可視化」にも使えるんです。
どういうことかというと:
アプリ分析用のアプリでは、1アプリ1レコードとしており、その各レコードにカスタマイズ有無や導入ツールの情報をレコードとして持たせておく形になっています。その情報をもとに「gusuku Customineを使っているアプリ」がどこにどれだけあるかを可視化できます。
たとえば、gusuku Customineを使って入力補助をしているアプリ群と、それに関連づいている表示専用アプリや承認アプリなどが図でつながって見えるようになるのです。
つまり、gusuku Customineの導入状況の把握や、リファクタリング対象の優先順位づけにも役立てることができるというわけです。

(Figure3: 関連図。分析したいアプリ全てを図として一括で表示可能。)
💡活用アイデアまとめ
- アプリの棚卸し:使われていないアプリを特定して削除候補に。
- 影響調査:リレーションのあるアプリを特定して改修前に影響範囲を確認。
- gusuku Customine可視化:導入済みアプリ群を一覧・図で確認し、管理や最適化を。
- レポート資料:会議での共有や運用報告に使えるデータとして活用。
⚠️ 制限事項と注意点
アプリ分析は非常に便利な一方、以下のような制約があります:
- 最大分析数は3000アプリまで
- ゲストスペース内のアプリは分析対象外
- 「Private」設定されたアプリや非公開スペースのアプリも対象外
- 分析にはすべての管理権限が必要
また「アプリ関連図」機能においては、カテゴリーによる絞り込みは不可となっており、膨大なアプリが存在する環境では一覧性に工夫が必要です。
なぜアプリ分析は重要なのか?
近年、kintoneの利用が広がる中で「アプリ乱立」や「誰が何を使っているかわからない」といった問題が発生しがちです。特に中〜大規模な企業においては、アプリの全体像を把握するだけでも一苦労。
アプリ分析は、そんな悩みに対して「データで語る運用」を実現してくれるツールです。
- 誰が管理しているのか?
- 似たようなアプリが乱立していないか?
- 連携されているアプリに改修影響が出ないか?
これらを分析・可視化し、運用最適化を行うための判断材料になるのです。

(Figure4: 特徴分析レーダーチャート。アプリの機能と使用状況をレーダーチャートでわかりやすく確認できる。)
まとめ:アプリが増えすぎたら、まずは見える化から
kintoneは使いやすいがゆえに、いつの間にかアプリが増殖していきます。
そして気づけば「誰が何を使っているかわからない」「改修時に何が壊れるかわからない」といった混乱が発生しがちです。
アプリ分析機能は、そんな状況に対して「整理・理解・再設計」の一歩目を提供してくれる強力なツール。
特にgusuku Customineと組み合わせることで、導入箇所の整理や改修判断が格段にやりやすくなります。
ある程度使いこなしてきたからこそ直面する「複雑化」という課題。
それを解きほぐすために、ワイドコースとアプリ分析機能は、確かな武器になるはずです。
ではまた〜👋
投稿者プロフィール

- 雪山籠りからSIチームの新卒エンジニアへ