“ナレッジが自然とたまる”ゆるくて強い記録文化のつくり方(前篇)

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こんにちは!

カスタマーリレーションチームの、おおのです。

今回は、私たちが日々の業務の中で取り組んでいる「ナレッジのため方」について、実際の取り組みをご紹介します。

結論からお伝えすると、私たちは 「Slackでのやりとり(質問への回答や議論の結果)をkintoneのナレッジアプリに転記する」 という、非常にシンプルな方法で、ナレッジを蓄積しています。

前篇では、
・なぜナレッジをためる仕組みを作ろうと思ったのか
・どんなツールをどう使っているのか
・どんな情報をナレッジとして扱っているか
までをお伝えしていきます!
(書いておりましたらものすごく長くなってしまったので、前篇・後篇に分けてお伝えします。)

「うちのチームでもナレッジ共有、ちゃんとやっていきたいんだよな⋯」と感じている方のヒントになれば嬉しいです!

🌀 ナレッジが分散して困っていた日々

私たちカスタマーリレーションチームは、gusuku Customine(以下、カスタマイン)をご利用中のお客様から、日々たくさんのご質問やご相談をいただきます。

社内の相談は主にSlackで行っており、質問に答えたり、どう伝えるとわかりやすいかを議論したりと、活発なコミュニケーションが行われています。

ですが、こんなことがよく起きるのです。

「この前も似たような質問があった気がするけど、どこにあったっけ?」
「誰がどう回答したんだったっけ?」
「あのときのやりとり、もう一度見たいけど探しきれない……」

Slackのメッセージは時系列で流れていくので、
「なんとなく覚えているのに、ちゃんと取り出せない」という事態に何度も直面しました。

こういったことがきっかけで、「ちゃんとチーム全体でナレッジを蓄積・共有する仕組みをつくろう」という話が自然と持ち上がったのです。

🛠️ どうやってナレッジをためているか:ツールと仕組み

私たちが選んだ方法はとてもシンプル。
Slack上で「これは残しておきたい」と思ったやりとりを、kintoneに作ったナレッジアプリへ転記するだけ。
この運用ルールを導入してから、ナレッジが自然と蓄積されていくようになりました。

🧱 kintoneの「ナレッジアプリ」

このアプリは、いわば“社内用Q&Aデータベース”のようなものです。
アプリの構成は次のようになっています:

  • カテゴリー
  • タイトル(何についてのナレッジか、一目で分かるように)
  • 詳細説明(Slackのやりとりをそのままコピペまたは要約)
  • 関連資料(添付資料があれば添付)

特別な機能はありませんが、「誰が見ても検索できて、他の人にも伝わる形で残っている」 というのが大事なポイントです。
kintone SIGNPOSTで紹介されている「3-24 ストック情報中心設計」という考え方にもあるように、「情報の性質に応じて、残す場所を分けること」が、その後の活用につながっていると実感しています。

私たちは、
・質問ややりとり(フロー情報)→Slack
・ナレッジ(ストック情報)→kintoneアプリ 
というように住み分けを行ったわけですが、弊社におけるフロー情報とストック情報の切り分けについては、
勝手にkintone SIGNPOST解説 STEP.3 3-24「ストック情報中心設計」」もぜひご覧ください!

✍️ Slackからの「手動転記」が基本

ナレッジを蓄積する際の運用は、あくまで手動です。
明確に誰がやると決めているわけでもありません。

「これ、残しておいた方が良さそう」と思ったら、気づいた人がその場でナレッジアプリに転記します(実際は質問した人が転記することが多いですが)。

Slackからコピーして貼り付け、必要があれば補足を書くだけ。
非常にシンプルな作業ですが、だからこそ継続しやすいという側面があると思います。

運用に負荷がかからず、導入ハードルも低い。
シンプルなので「今日から誰でもできる」という点が、メリットです。

🧩 どんなナレッジをためるのか?:あえて“限定しない”

ナレッジといっても、いろんな種類があると思います。
私たちは、あえて「この情報だけを登録する」といった制限を設けていません。

その理由は2つあります。

1.限定しすぎると、蓄積されるナレッジの幅が狭まる
2.「これは登録していいのかな?」という迷いが登録のハードルを上げる

ナレッジの蓄積が進む中で、結果的に次のような3つに分類されていることが分かってきました。

  1. よくある質問とその回答
    例:セキュリティ関連、契約や費用に関する詳細など
  2. チーム内でのベストプラクティスや方針
    例:「こういう場面ではこう案内しよう」「この言い回しが伝わりやすい」など
  3. アプリの利用方法や注意事項
    例:チームで使っているアプリの運用ルールや、アプリの難解な部分に関する補足など(もちろん、アプリ自体の見直しやカスタマイズの工夫も随時行っています!)

このように、まずは広く集めてみて、あとから整理するくらいの気持ちで運用しています。

と、いったん前篇はここまでです!お読みいただきありがとうございました。

後篇では、
・なぜこのナレッジアプリが定着したのか
・実際に感じている効果や副次的なメリット

などについてお伝えしますので、引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです。

投稿者プロフィール

大野あずさ
大野あずさ
カスタマーリレーションチームで活動しています!