【どりぃ先生が教えるシリーズ】kintoneのアップデートをわかりやすくご紹介(2020年7月版)

はじめに

はじめての方もそうじゃない方もこんにちは。
おはようからおやすみまですべてをみつめるどりぃです。
わたしはkintoneを体系的に学ぶことができるcloud university (以下クラユニ)の講師をしています。

講師プロフィールはこちらをご覧ください。

そこで、講師の目線でkintoneのアップデートをわかりやすくご紹介していきたいと思います。

前回の記事を見たい方はこちら

【どりぃ先生が教えるシリーズ】kintoneのアップデートをわかりやすくご紹介(2020年6月版)

ちなみにアップデートに関しては、ジョイゾーさんのブログで先にご紹介されています!(さすが早いw
わたしのは補足的に見てもらえると嬉しいです。

ジョイゾーさんのブログはこちらから

アプリ一覧をCSVファイル形式でダウンロード可能に【2020年7月アップデート機能】

2020年7月版 アップデート内容

アプリ管理

アプリ一覧をCSVファイル形式でダウンロードできる機能を追加

アプリ管理からCSV形式でアプリ一覧をダウンロードできる機能が追加されました!

出力項目について

出力項目は、アプリ管理画面で表示されている項目の、最終更新者・最終更新日時を除いたすべての項目です。
見え方としては、アプリ管理画面で見えているほぼそのままのレイアウトで表示される感じですね。

アプリ管理画面ではデフォルトのソート順は、最終更新日時の降順になっているのですが、CSVで吐き出すとデフォルトでアプリIDの昇順になっているようです。
2020年8月版のアップデートでは、さらに出力項目が増えるみたいなので、よりアプリの全容が掴みやすくなりますね。

この機能はcybozu.com共通管理者のみ利用可能です。
一般ユーザーでアプリ管理画面を見ると、「CSV形式でダウンロードする」のリンクはありません。

アプリ一覧に「自分が作成したアプリ」を絞り込み表示する機能を追加

アプリ管理画面で自分が作成したアプリのみ絞り込み表示ができるようになりました!

管理者のみがアプリを作成するという運用の場合は従来とそんなに変わらないと思ういますが、複数のメンバーがアプリを作成する運用の場合は、自分の作成したアプリのみの表示に切り替えることができます。
アプリの数が多い場合には重宝しそうですね!

アプリ管理についての所感

アプリの管理面の改善という点においては、Privateのアプリグループに所属してるアプリの扱いがもうちょっと改善されないかなーと思ってます。
cybozu.com共通管理者レベルでも把握ができないのは、運用・管理の観点で考えると問題じゃないかなぁと。
Privateのアプリグループ自体の使用有無の制御もできないので、アプリ作成権限があって、そのような機能があることを知っているメンバーがいたら、無作為にアプリを作れてしまいます。

アプリ数としてはカウントはされませんが、ディスク容量は逼迫してしまうので…

ポータル

アプリウィジェットに「自分が作成したアプリ」を絞り込み表示する機能を追加

アプリウイジェットの絞り込みでも、従来の「すべてのアプリ」「お気に入りのアプリ」に加え、「(自分の)作成したアプリ」で絞り込めるようになりました!

複数のメンバーがアプリを作成する運用の場合には、自分が作成したアプリを探しやすくなりますね。

グラフ

年/月/日単位で集計する際、グラフ上に表示されるラベルが集計する単位に応じた表記になるように改善

年/月/日単位で集計した結果をグラフ表示する際、グラフ上に表示される項目名に含まれていた不要な日付や時刻の表示が省略されるようになりました!

従来は、日にちまで表示されていました。

月単位の集計グラフ例(従来)

月単位の集計グラフ例(2020年7月版)

グラフの視認性や利便性が大きく上がりましたねー。
ユーザーさんの中でも、グラフの不要な日時を気にされていた方はわりといたように認識しています。

メール通知

受信形式(HTML/テキスト)を各ユーザーが選択可能に

メール通知の形式(HTML/テキスト)を個人設定で選択できるようになり、ユーザーごとに形式を選択してメール通知を受信できるようになりました。
従来は、受信する対象の選択のみでした。

今回、この後にご紹介する「設定の並び順の変更や保存手順の変更」の関係により、UIも変更されています。

既存の設定から変更すると、保存ボタンが表示されるようになっています。

システム管理/個人設定

設定の並び順の変更や保存手順の変更を実施

システム管理の「通知のメール送信」設定の項目の並びを変更し、個人設定画面と同様に、上位概念の項目から順に表示されるようになりました。

システム管理の「通知のメール送信」設定(従来)

システム管理の「通知のメール送信」設定(2020年7月版)

個人設定では、「時刻表記」と「メール通知」の設定を、個別に保存できるようになりました。
細かい部分ですが、UIとしては今回のアップデート後のほうがスマートな気がします。

ユーザー認証

認証アプリを利用した2要素認証を設定可能に

認証アプリを利用した2要素認証によるログインに対応しました。
ログイン時、ログイン名とパスワードによる認証に加え、認証アプリ(Google Authenticator、Microsoft Authenticatorなど)に表示される確認コードの入力が必要になり、よりセキュアにkintoneを利用することが可能です。

ログインのセキュリティ設定画面(従来)
ログインのセキュリティ設定画面(2020年7月版)

2要素認証の有効化方法

「2要素認証の利用をユーザーに許可する」にチェックが入っている場合、ユーザーの「ログイン名とパスワード」の画面で2要素認証の有効/無効を切り替えることができます。

あとはお使いのスマートフォンなどにアプリを入れて、設定するだけ。

わたしはTwilio Authyユーザーなので、Twilio AuthyでQRを読み込みました。
表示されているコードをStep3の確認コード欄に入力すれば完了です。

Twilio AuthyでQR読み込んだら、自動的にCybozuロゴがセットされてちょっと感動した!

有効にすると、ログイン時にユーザー名/パスワードを入力した後に2要素認証の画面に遷移します。

2要素認証を無効にしたい時

ユーザーの「ログイン名とパスワード」の画面から無効にすることが可能です。

API

安定したサービスの継続的な提供に必要な仕様変更を実施

これは1年以上に渡ってずっとに告知されてきた内容ですね。
2020年7月版のアップデートにより、レコード一括取得APIで指定できるoffsetの値に上限値(10,000)が設けられました。

offsetの値に上限値(10,000)が設けられたってどういう意味?

従来は、レコード一括取得APIで取得件数に関係なくレコードを取得することができていましたが、アップデートにより、取得可能なレコードの件数が1万件に制限されるようになりました。

そのため、レコード一括取得時にその結果が1万件を超える可能性がある場合には、運用・適用中のJavaScriptプログラム、プラグインの確認・修正が必要になります。

詳細と方針は、cybozu developer networkの以下の記事に書かれています。
offset の制限値を考慮したレコード一括取得について

尚、弊社のgusukuシリーズを利用いただいているユーザーさんに関しては、弊社ですでに対処済みとなっています。
詳細はこちらをご覧ください。
kintone API レコード一括取得APIのoffsetの上限値制限について、gusukuユーザーは関係ありますか? – gusuku Support

おわりに

2020年7月版のアップデートで2要素認証に対応しましたが、kintoneを包括したcybozu.comが堅牢だと思う所以はやはりこういうところですね。
個人的には今回ご紹介するアップデートの中でイチオシです。

cybozu.comではユーザーのパスワードポリシーなど管理者側で細かく設定することができますが、とはいえパスワード認証だけでは少々心もとない部分があります。

2要素認証と組み合わせることで、セキュリティ性が向上します。
他のクラウドサービスでも、アカウント作成後のMFA(多要素認証)有効化が定石となっているサービスは多いです。

これを気に、利用中の他のサービスでもMFA(多要素認証)について見直されてはいかがでしょうか?

  • ずっと同じパスワードを使い続けていて、変更されていない方
  • 複数のサービスでパスワードを使い回されている方
  • 予測しやすいパスワードを設定されている方

このあたりは要注意かなと思います。
自分は大丈夫だと思っていても、パスワード窃取に遭い、不正利用されている実態は少なくありません。身近な知り合いにも多いです。
影響範囲が自分のみであればまだ幸いですが、残念ながら周りにも影響を及ぼし、派生してしまうケースが大半です。

これを機に、今一度セキュリティに関して考えてみてもらえたらなと思います。

そろそろお腹がすいてきたので、ごはん食べてこようと思います。
みなさん良い日曜日をお過ごしください!