東急リバブル株式会社様 オフィス店舗賃貸センター 事例紹介

Excelによる営業管理をkintoneで脱し、活動状況の可視化・顧客情報の一元管理・集計作業の効率化が可能に

東急リバブル株式会社
オフィス店舗賃貸センター センター長 佐々木 健 様
オフィス店舗賃貸センター 副センター長 石井 利幸 様
賃貸事業推進部 賃貸営業推進課 係長代理 蓜島 優 様
リーダー代理 加藤 怜名 様

東急リバブル株式会社のオフィス店舗賃貸センターは、事業用物件の賃貸仲介を手掛ける部門です。これまでExcelで営業管理を行ってきましたが、進捗の把握が困難でした。これを見直すためにノーコードツールkintoneとアールスリーの開発で、新規に営業管理システムを開発されました。同部署の皆様に開発の経緯と効果を詳しくうかがいました。

Excelによる進捗不明の営業管理から脱却したい

Q:営業管理システムを作ることになった経緯を教えてください。

蓜島様

オフィス店舗賃貸センターの主な仕事は、オフィスを貸したい方と借りたい方のマッチングです。以前は、貸し物件と借りたいお客様の情報をExcelで管理していました。新着の案件が発生すると営業担当者がExcelに入力し、その情報をもとに営業活動をします。しかしExcelでは物件やお客様のニーズは分かるものの、個々の案件の営業状況、部署全体の営業状況、お客様への提案内容を管理職が把握することができませんでした。また、お客様の詳細情報は担当者だけが持っている状況で、組織として把握できていないことも問題でした。これらの課題を解決するために、2022年12月に何らかのシステムを導入することが決まりました。

Excelによる営業活動管理シート

Q:色々な営業管理システムがある中でkintoneに決めた理由とアールスリーに開発を依頼いただいた理由を教えてください。

IT企画課に相談したところ、kintoneには他部署での利用実績があり、使い勝手が良いと評判だったので導入を決めました。また同部署のkintoneアプリの開発パートナーがアールスリーだったので、オフィス店舗賃貸センターでも依頼することにしました。

営業活動の内容が見える化され、営業数字の集計も可能に

Q:開発したアプリについて教えてください。

石井様

「オーナー相談」「テナント相談」「活動報告」の3つが営業で利用する主なアプリです。「オーナー相談」は不動産オーナー様からのご依頼を、「テナント相談」は不動産を借りたい方のご依頼とその営業進捗を管理します。両アプリとも1依頼につき1レコードとしてご希望や物件概要を登録し、営業状況が変わると営業担当者がステータスを変更します。また管理職はアプリで部門全体の成績を把握すると同時に、営業担当者の活動内容に対してアプリ内でコメントをするなどしてフォローします。

「活動報告」は営業担当者が日々の活動内容を入力するアプリです。オーナー相談・テナント相談アプリと連携しており、活動報告で入力した情報は両アプリに反映されます。そのため管理職はオーナー相談・テナント相談をチェックしておけば部署全体の動きを把握できます。特定の案件の状況を知りたい時にも、活動報告が案件のレコードに紐づいているので簡単にチェックできます。

オーナー相談アプリ
テナント相談アプリ
活動報告アプリ

売上に直結する情報を組織で管理できるようになった

Q:アプリの導入効果について教えてください。

センター長 佐々木様

Excelでの営業管理では把握できる情報量が少なく、正確な情報を得られているとは言えない状況でしたし、売上につながる情報も埋もれていたと思います。それがkintoneで進捗把握が可能になり、情報を組織として管理できるようになりました。情報=お金なので、入力率が上がるほど売上増加に繋がると考えています。こうなれば組織拡大に貢献できるでしょう。またExcelでは、営業担当者が自分の言葉で入力をするので数字を集計するのも一苦労でした。情報を拾いづらいため、貸したい方と借りたい方の情報のマッチングにも手間暇がかかりました。一方kintoneでは、検索が容易になったことで、以前より物件とお客様のマッチングが楽に行えるようになりました。今後、入力が増えれば増えるほど組織的な動きが取りやすくなっていき、マッチングスピードが速くなると考えています。

営業担当者の頑張り具合が分かるようになったことも大きな収穫です。営業担当者が入力すると私に通知が来るようにしてもらったので、能動的に活動内容を見に行くことができます。おかげで営業担当者からの相談にタイムリーにのれるので、以前よりも手厚くフォローできるようになりました。さらに部署全体では各人の提案内容を部内で共有できるので、他者の行動を自身のヒントにできるようになりました。こうした情報共有が進むことで皆さんが働きやすくなり、無駄な仕事が無くなって早く帰れるようになっていくでしょう。

加藤様

私は営業担当者さんが入力してくれたものを月単位・期単位で集計しています。Excelでは期ごとにシートが分かれていたり、担当ごとに入力する言葉が違っていたので集計に時間がかかっていました。一方kintoneでは入力内容が選択肢から選べるため入力結果が統一されましたし、集計機能のおかげで必要なデータを抽出するのが簡単になりました。これにより集計作業にかかる時間は短縮されたと思います。Excelでの作業は「この時代にまだ人力なの?」と感じていましたが、それが改善されて助かっています。

ミーティング中に目の前で希望の改修が完了。開発のスピード感がすごい!

Q:アプリ開発の感想を教えてください。

石井様

1つ目は、要望の実現スピードがとても早かったことが印象的でした。アプリの改修にはもっと時間がかかるものだと考えていましたが、定例ミーティングの場で改修が完了するか、長くても1〜2週間で解決してもらえました。

2つ目は、アプリを営業活動で使い、運用していく中で改善したい点が出てくると改修の相談をするスタイルが特徴的でした。「もっとこうしたい!」と感じる点があるとアールスリーとの定例ミーティングで相談し、その都度アプリを調整していただきました。例えば、管理職が全体の状況を把握しやすいようにレコードの記載内容を一覧で表示できるようにする・担当者や期間での絞り込み機能をつける・案件が中止になった場合、事実だけでなくその理由も知りたかったので中止理由を選択できるようにする・営業担当者が営業状況に関するステータスを変更したら逐一管理職に通知が飛ぶようにする・反響元がDMなのかメールマガジンなのかを把握できるようにする、などです。最初にできたアプリから、定例ミーティングの度にアプリがより育っていく感じです。希望した内容はほぼ実現してくれるのでどんどん使いやすくなっています。

アールスリーと一緒にkintoneアプリを使いやすく改善
レコード概要を一覧表示する画面の開発
検索ボックスの設置
案件中止理由を選択する機能の実装
絞り込み機能の実装

Q:今回の開発でアールスリー側が工夫した点はありましたか?

アールスリー開発者 日茂

アプリとマスタデータを連携するところを工夫しました。今回利用するデータは住所マスタアプリのように登録件数が膨大なものが多く、一般的な方法で住所マスタアプリと相談アプリをCustomineで連携すると、営業担当者さんがアプリを使う時にパソコンが非常に重くなってしまいます。気持ちよく使っていただけるように、アプリとレコードデータの構成を慎重に設計しました。

石井様

今まで入力する際にアプリが遅いと感じたことはありませんでした。裏で工夫をしてくださっていたのですね!

アールスリー 開発リーダー 井上

アールスリーは現場でしっかり活用できるアプリを作ることを大切にしています。そのためにお客様の業務内容を深く理解して本当に必要な機能を実装したり、操作性の良し悪しを考えて構成を考えています。これからも一緒にkintoneの活用の幅を広げていきましょう!

Excelで我慢していたことを発掘・改善できるようになる

Q:kintone活用における展望を教えてください。

石井様

現在kintoneとホームページを連携させて、よりマッチング精度を高めるための開発を行っています。このアプリでさらなる営業力アップを図ります。また営業担当者の進捗管理をより良いものにするには活動報告の入力が欠かせません。導入後間もないので十分な入力ができているとは言えない状況ですが、入力を促して組織でkintoneを深く活用できるように働きかけていきます。

Q:最後に、Excelでの業務管理に不便さを感じている方にメッセージをお願いします。

センター長 佐々木様

東急リバブルは個人向けのサービスが主力なので、社内で導入されているシステムもそちらに合わせたものが中心です。その中でオフィス店舗賃貸センターは少数部門であり、営業活動をシステム化できないのはしょうがないと諦めてExcelを利用していました。しかし今回、勇気を出してkintoneを用いた業務改善に取り組むことになり、これまで我慢してきたことを、どんどん発掘・改善できるようになりました。もし少数部門だからとExcelを我慢して利用されているなら、kintoneで新たな生産性向上に取り組むことには価値があると思います。

貴重なお話しをありがとうございました。

取材2023年9月

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