東急リバブル株式会社様 お客様相談センター 事例紹介

脱スプレッドシートでコールセンター対応時間が半減し、報告資料の作成日数は20日から2日に短縮

東急リバブル株式会社 お客様相談センター
課長 寺島 史雄 様
係長代理 倍賞 真之 様
佐藤 うらら 様

東急リバブル株式会社のお客様相談センターは、お客様からのご意見・ご相談に関する対応を行う部門です。これまでは問合せ内容の管理をGoogleスプレッドシートで行っていましたが、対応履歴の把握・他部門との連携・データの分析などに課題がありました。これを見直すためにノーコードツールkintoneと、アールスリーの開発でお客様相談アプリを開発されました。同部署の皆様に開発の経緯と効果を詳しく伺いました。

Googleスプレッドシートによるコールセンターの受付管理から脱却したい   

Q:お客様相談センターの業務内容を教えてください。

寺島様

お客様相談センターは、お客様からのご意見・ご相談をコールセンターで承ったり、社内からのクレーム相談に対応するのが主な仕事です。社外からのご相談の受付は、コールセンター業務が専門の株式会社ドゥファインさんに依頼しています。それぞれのご相談は、相談内容とその関連する部門と連携して解決を図ります。

Q:kintone導入前の課題について教えてください。

コールセンターには通常、外部から月600件台~700件台、多い時で月800件を超えるお問合わせやご意見が寄せられます。その内容の管理をGoogleスプレッドシートで行っていましたが色々な問題がありました。内容を一つ一つ手入力するのがとても大変・初期対応の後に営業部門に対応依頼をする作業が煩雑・対応履歴の記録を大量に行うので、ファイルが重すぎて使うたびに固まってしまうなどです。また定期的にご意見をいただくお客様に対しては、過去の対応と現在の対応には一貫性が必要です。しかしGoogleスプレッドシートは対応履歴の検索に対しても非効率的でした。そこで「ご意見の受付け方法をもっとスムーズにすること」と、「会社として一貫性のある姿勢をとれるようにすること」の2つの目標を立て、お問合せの受付けシステムを作ることになりました。

元々使用していたスプレッドシートは、画像のように全て手入力で登録されていた

Q:色々なツールがある中でkintoneに決めた理由とアールスリーに開発を依頼いただいた理由を教えてください。

コールセンターは日々入ってくるご意見をうまく整理し、社内とスムーズに連携できることが大切です。最初に検討したツールはとても便利そうでしたが、目的に対して高機能・高額すぎると思いました。そんな中、候補に挙がったのがkintoneでした。コストパフォーマンスを考えた結果、kintoneが一番良かったので導入を決めました。

そしてアールスリーにkintone開発の依頼を決めたのはIT推進部(現DX推進部)の推薦があったからです。コールセンターの受付けシステムの件を同部署に相談したところ、要望がkintoneで実現できるかを他部署で取引実績のあるアールスリーに確認してくれました。その後、打ち合わせを実施しkintoneでどう実現できるかをプレゼンしてくれたのが決め手です。

コールセンター対応と数値分析がスムーズにできるkintoneアプリが完成

Q:開発したアプリについて教えてください。

お客様相談センターアプリは、コールセンターが受付けたお客様からのご相談を1件につき1レコードで記録するアプリです。一つ一つの対応状況はステータス管理でき、対応状況が確認しやすくなりました。現在、このアプリには平均で、月に600件台~700件台のレコードが登録されます。

Q:アプリの一覧画面の特徴と使い勝手について教えてください。

レコードの一覧画面には複数の検索窓を設けてもらい、担当者・申立者・契約者など多くのキーワードで対応履歴を素早く探せるようにしてもらいました。

コールセンターアプリに登録されている相談一覧の画面。複数の検索窓を設置した

また「絞り込み機能」を使うと複雑な条件で情報を絞り込めます。ほしい情報を瞬時に抽出できるので様々な観点からの傾向分析や、社内報告資料作成に重宝しています。

絞り込み機能。受付日・ステータス・問い合わせ経路などを組み合わせて検索できるため、膨大なレコードの中から複雑な条件を満たすものを簡単に抽出できる

特に「絞り込んだ情報をグラフ化する機能」が便利です。例えば、お問合せ経路の割合を抽出してグラフ化すると、電話からの問い合わせとWEBからの問い合わせの比率が一目で分かります。4月に自動応答システムを導入し、電話による問合せを、オペレーターにつながず、弊社WEBサイト問合せフォームに直接誘導できるようにしたのですが、その効果はグラフではっきりと確認することができました。グラフは経営層への報告に活用していますが、このグラフがあるとないとでは説得力が全く違います。

赤色:webでの対応 青色:電話での対応
自動応答システムを導入した4月以降では、 webでの対応割合が増えたことが確認できる

コールセンタースタッフにとって便利なのは、自分が対応中のレコードだけを絞り込める機能です。絞り込み機能を使用することで、自分が対応すべき内容が一目瞭然なので仕事の効率が上がります。

Q:アプリのレコード登録画面の特徴と使い勝手について教えてください。

相談内容をレコード登録する画面

ご相談をレコードに登録する画面では、コールセンタースタッフが電話応対中にスムーズに入力ができるような様々な工夫を盛り込んでもらいました。例えばご相談いただいたお客様に対して社内の関係者を紐付けるには、組織マスタにあるセンターや人物の中から該当者を検索で見つけて登録します。アプリ完成当初は検索窓が1つだったので、似た名前の組織や人物が大量に出てきて混乱してしまいました。このことをアールスリーに相談すると、すぐにボタンを部門検索・センター検索・担当者検索の3つに分けてくださりました。これで相談者様に対する社内の関係者を素早く発見できるようになりました。

3つの検索ボックスで検索を容易にした
検索結果はポップアップ表示される

「ヘルプ文言」を表示させる機能を使い、「?マーク」にカーソルを合わせるだけで入力ルールや対応方法を確認できるようにもしてもらいました。これらの機能でタイトル項目を入力する際には、複数回お問合せのお客様の場合は【◯回目】と記入することなどの項目ごとの表記の仕方や注意点がすぐに分かります。後で閲覧する場合も、閲覧者がお問合せの状況を把握しやすいです。

ヘルプ文言の表示機能

また、2回目以降のお問合せのレコードを作る作業をスムーズにするために、1つ前のレコードと紐づいた新規レコードを作成できるボタンもつけてもらいました。

ボタンを押すと、このレコードと紐づく新規レコードを簡単に作成できる

問い合わせ時間は半減し、資料作成日数は20日から2日に短縮

Q:アプリの導入で得られた効果について教えてください。

寺島様

第一にお客様の相談に対応する時間が半減しました。以前は関係する部門を調べて対応依頼をかけ、その結果をGoogleスプレッドシートの項目に1つずつ打ち込むのに時間がかかりました。この作業時間が開発していただいたkintoneアプリで激減しました。また2回目以降のお客様をお待たせする時間も減少しました。以前は固まりがちなスプレッドシートから該当箇所を探しながら対応していたので、時間も気苦労も多くかかりました。一方kintoneでは、検索で瞬時に目的のレコードが見つかりますし、過去情報を見ながら対応できるのでスタッフの心的負担も軽いです。おかげで以前よりも対応の質が向上したと思います。さらに全体では月に600件台~700件台の問合せ時間が半減したため、浮いた時間でこれまで気になりつつも手がつけられていなかった業務もできるようになりました。

また、リアルタイムに情報を得られる点が部署としては大きいです。例えば営業部門とそのお客様の両方から同時に相談をいただくことがあります。これまでは両者の話を把握し、理解するのに時間がかかりました。しかしkintoneでは、両者の話をリアルタイムに照らし合わせることができるので、俯瞰した目で対応策を考えることができるようになりました。

さらに、クレームに対する会社の方針をまとめやすくなりました。kintone を見ていると即対応が必要な案件を察知、確認できるため素早い指示が可能になりましたし、ややクレーム気質の高いお客様に対する会社としての対応方針を決め、現場に通達するスピードも上がりました。以前よりも会社として一貫した姿勢をとれるようになったと思います。

寺島様

佐藤様

半期や全期のスパンで報告資料を作成する業務にかかる日数は、Googleスプレッドシートを使用していた以前は数値を拾いながら作成していたので20日ほどかかっていました。しかし今は集計機能を使うことで2〜3日で終わるようになりました。また、ご相談や対応内容を定期的に振り返るのが容易になり、入力ミスの発見や修正などが以前よりも精度高くできるようになった点も助かっています。

倍賞様

毎月リスクマネジメントの部署に提出する「クレームをまとめた資料」の作成が一瞬で完了できるようになりました。やり方としてはお問合せ区分でクレームだけを絞り込み、CSVファイルでダウンロードした後、若干のExcel加工をすると作成完了です。同部署の定例会議の資料として利用されるのですが、会議で難しい質問が出た時にもkintoneで該当レコードを瞬時に探して答えられるようになりました。以前よりもクレームの再発防止に貢献できています。

倍賞様

開発は初体験だったが、意図通りのアプリが完成した

Q:アールスリーとのアプリ開発の感想を教えてください。

寺島様

2022年7月に開発がスタートし、約2ヶ月でアプリが完成しました。私たちはシステム開発に関しては初めての経験でしたが、コールセンターの使い勝手を良くするために必要なことをシステムが分からないなりに相談すると、我々やコールセンター側の意図を汲んだアプリが出来上がっていきました。専門知識はありませんでしたが、私にも分かりやすくフレンドリーにお話しいただいたので進めやすかったです。未知の世界を体験できた、楽しい時間でした。

アールスリー開発者 井上・渡邊・日茂

アールスリーは現場で活用できる業務アプリを開発することを大切にしています。皆様の叶えたいことをしっかりと聞いて、それを実現できるようにプロジェクトを進めるように努めているので、便利に使っていただけていることがとても嬉しいです!

プロジェクトリーダー アールスリー 井上
開発サポート アールスリー 渡邊
全体の開発を担当 アールスリー 日茂

アールスリーは業務に寄り添ってくれるパートナー

Q:最後に、コールセンター業務の管理にExcelやスプレッドシートを使用していて不便さを感じている方にメッセージをお願いします。

アールスリーは業務に寄り添ってくれるパートナーです。相談をするたびに私たちに寄り添ったアドバイスをいただけるので非常に助かりました。お陰様でアプリは凄く役立っており、以前とは劇的に状況が変わりました。顧客データ管理に悩まれているのであれば、kintoneアプリとアールスリーの開発をおすすめしたいと思います。

貴重なお話しをありがとうございました。

取材2023年9月

同社の事例