横浜にマネタイズ方法を探しに行きました 〜JP_Stripes Connect 2026参加レポート〜

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はじめに

2026年8月1日、横浜で開催された「JP_Stripes Connect 2026」に参加しました。

今回のテーマは、「AI時代のマネタイズ方法を探そう」

マネタイズ……いい響きです。

公式サイトには、次のように書かれています。

AIで何を売り、いくらに値づけし、どう課金するか。正解がまだ出そろっていないこの問いを、全国の現場と一緒に探す、年に一度の場です。

ということで、AI時代のマネタイズのヒントを探しに行ってきました!


会場ではMainとTechの2トラックに分かれ、AIプロダクトの課金、SaaSの価格改定、AIエージェント時代の決済、Stripe Terminalなど、さまざまなテーマのセッションが行われました。

今回は、その中から特に印象に残ったものをいくつか紹介します。

オープニングキーノート

最初は、ストライプジャパンのDaniel Heffernanさんによるオープニングキーノートです。

テーマは、AI時代における決済とマネタイズの新しい潮流。全体を通して特に印象に残ったのは、価格の決め方や変更方法を、AIの存在を前提に考えなければならないという点でした。

これまでのSaaSでは、プランごとの定額料金やシート単価など、「サービスを利用する権利」を軸に価格を設定することが多かったと思います。

しかし、AIプロダクトでは、何を利用単位として数えるのかが変わってきます。

AI機能そのものをサービスとして提供するのか。それとも、既存サービスの開発や提供にAIを利用するのか。利用量に応じてコストがどの程度変動するのか。

このように、価格を決める際に考慮しなければならない要素が増え、多軸になっているという印象を受けました。

そのため重要になるのが、環境の変化に合わせて素早く料金を改定できるかという視点です。

セッションでは、価格改定が必要だと判断してから、およそ2週間で変更できる企業も紹介されていました。すごいですね。

もちろん、どの程度の変更なのか、既存ユーザーをどのように新料金へ移行するのかなど、実際には考慮すべき点が数多くあります。

そういえば、普段使っているサービスでも、最近はいろいろな料金改定があったなあ……と思いながら聞いていました。

Stripe × Cloudflare対談:x402/MPP――AIエージェントは、何を買おうとしているのか?

続いては、StripeとCloudflareのお二方による、AIエージェント時代の購買をテーマにした対談です。

対談と言いつつ、途中からライブデモが始まりました。

生成AIを使ってサービスを作成するデモでしたが、なかなか思いどおりには進まず……。

やはり、ライブデモは鬼門ですね(笑)。

これまで、外部のSaaSを生成AIから利用する場合には、次のような手順が必要でした。

  1. ユーザーがSaaSのアカウントを作成する
  2. 接続用のAPIキーなどを取得する
  3. 取得したキーを生成AI側に設定する

人が操作するのであれば大きな問題ではありませんが、AIエージェントが必要なサービスを自ら探して利用する場合、この手順は時間がかかり、自動化もしにくくなります。

今回のデモでは、生成AIが必要なサービスを探し、申し込み、利用を開始するところまでを行おうとしていました。

そのため、今後は人間向けの申し込み手続きだけではなく、AIエージェントがすぐに契約して利用を開始できるサービスが選ばれていくのではないか、という話でした。

確かに、そうなりそうです。

後半の中心となったのが、AIエージェント向けの決済プロトコルであるx402です。

AIが有料のAPIやコンテンツへアクセスすると、サーバーからHTTP 402と支払い方法が返されます。AIは指定された料金を支払い、そのままサービスを利用します。

Cloudflareでは、複雑な決済処理を一から実装しなくても、既存のサービスに課金の仕組みを追加できるような機能も開発されているそうです。

ただし、現在はまだ過渡期でもあるようです。

公開されていたサンプルプログラムが非公開になっていたり、さらに簡単に利用できる仕組みが予定されていたりと、仕様や周辺環境も変化しています。

また、日本法人が料金の受け取り側になる場合には、まだ難しい点もあるとのことでした。

本格的に広まるのは、もう少し先かもしれません。

AI × Stripe:エージェント時代の決済と請求

このセッションでは、クレジットカードの番号の話からスタート。クレジットカードの番号は結構な桁数ですが可変になる部分は実は限定クレジットカード番号はかなり長いものの、実際に可変となる部分は限定されています。そのため、理論上は総当たりに近い方法で番号を調べることも可能だそうです。

実店舗でカードを提示して決済することが中心だった時代には大きな問題にならなくても、ECが普及すると、「本当にカード所有者が利用しているのか」を確認することが難しくなります。

CVCなどのセキュリティコードがあっても、不正利用の話は時々耳にします。利用者としては、不安が残るところです。

そこで登場するのが、Network TokenAgentic Tokenです。

Network Token

Network Tokenは、実際のクレジットカード番号を、VisaやMastercardなどのカードネットワークが管理する別の番号へ置き換える仕組みです。

主に次のような特徴があります。

  • 実際のカード番号を店舗側へ渡さずに決済できる
  • 利用できる店舗や端末を限定できる
  • カードを再発行した後も継続課金を維持しやすい
  • Apple Payやネット通販の保存済みカードなどで利用されている

カード番号そのものを使い続けるのではなく、利用する場所や用途に応じて別の番号を使うことで、安全性を高めます。

Agentic Token

Agentic Tokenは、AIエージェントがユーザーの代わりに購入するための決済トークンです。

Network Tokenの仕組みに加えて、次のような情報を管理します。

  • どのAIエージェントが処理を実行したか
  • ユーザーがどのような購入を許可したか
  • 利用できる店舗
  • 利用可能な金額
  • 利用できる期限
  • ユーザーによる承認情報

AIエージェントが自動で商品やサービスを購入する場合でも、ユーザーが許可していない店舗や金額では決済できないように制御します。

これにより、想定していない決済を防ぎながら、実際のカード情報も保護できるということでした。

最終的には同じクレジットカードへ請求されるとしても、そこへ至るまでの経路や安全性について、さまざまな仕組みが考えられているのですね。

すごい。

決済端末ビジネスを、決済会社だけのものにしない:Stripe Terminalで始める店舗インフラ事業

Techトラックでは、Stripe Terminalを使って、既存の業務システムやSaaS、店舗向けアプリに対面決済を組み込む方法が紹介されました。

単に決済を追加するだけではなく、そこから新しい店舗インフラ事業をつくる可能性についても扱ったセッションです。

私は会場では見られなかったため、後から動画を視聴しました。

冒頭から、ある決済会社をめぐる「あの話」が登場します……。

クレジットカード決済は、以前は加盟店の申請を通すことが難しく、手数料についてもさまざまな課題があったそうです。

そうした問題をうまく解決した決済会社が登場し、飲食店を中心に多くの店舗が導入しました。しかし、新しい仕組みであっても、長く運用していれば別の問題が発生することがあります。

その経緯を踏まえ、店舗の決済環境そのものを見直し、Stripe Terminalのような新しい仕組みを活用していくという流れでした。

現在は、iPhoneにクレジットカードをかざすだけでも決済できます。

以前のように、専用端末が届くまでじっと待つ必要がある時代ではなくなりつつあります。

決済方法そのものも印象的でしたが、何か問題が起きたときに、その場しのぎの対応をするのではなく、仕組み全体を見直すことが重要という点も印象に残りました。

AI時代のマネタイズ方法は見つかったか

……正直、分かりません!

ただし、AI時代のマネタイズでは、考慮しなければならない要素が増えていることはよく分かりました。

そして、最初から正解となる料金体系を見つけること以上に、外部環境や利用状況の変化に合わせて、価格やサービス内容を素早く見直せることが重要なのだと思います。

生成AI各社の機能追加や料金変更、利用上限の変更、突然始まるリセット祭りなどを見ていると、提供する側は本当に大変そうです。

自社で運営しているサービスとAIがどのように関係しているのかによっても、考慮すべき点は変わります。

AI機能そのものを販売するのか、既存サービスの一部としてAIを提供するのか、あるいはサービスの裏側でAIを利用するのか。

当面は、それぞれの企業が試行錯誤を続けていくことになるのでしょう。

また、リアル店舗の決済には、オンラインサービスとは異なる視点も必要です。

クレジットカードの決済会社をどこにするのか。コード決済にも対応するのか。支払い方法を増やせば顧客の利便性は上がりますが、その分、店舗側の手数料や運用負担も増えます。

そういえば最近、とあるお店で「クレジットカードの場合は○%の手数料がかかります」と言われました。

まあ……そういう店舗もありますよね(遠い目)。

今回のイベントで、AI時代のマネタイズに対する明確な答えが見つかったわけではありません。

しかし、一度決めた価格や決済方法を固定するのではなく、状況に応じて見直し続ける必要があるということは、強く感じました。

また何かの機会を見つけて、決済やマネタイズについて報告したいと思います!

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