星野リゾートさんと「業務改善・DX成功のコツをつかむワークショップ」を開催しました!

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こんにちは、システム開発グループのかっつんです。

日頃、星野リゾートさんの情報システムグループの皆さんとは、kintoneに関する構築やメンテナンス、日々のちょっとしたご相談まで、幅広くご一緒させていただいています。

そんなご縁のなか、星野リゾートさんの軽井沢オフィスにお伺いして、情報システムグループの皆さんにご参加いただき「業務改善・DX成功のコツをつかむワークショップ」を開催しました。今回はワークショップ当日の様子をレポートします。

ワークショップの目的

このワークショップは、普段は大阪・東京の弊社オフィスで開催しているものの出張版です。ゴールはシステムを作ることではなく、その手前にある3つのことです。

  • 自社の業務課題を言語化できるようになる
  • 業務の流れを見える化できるようになる
  • 本当に解決すべき課題が分かるようになる

「DXを進めたつもりが、現場で使われないシステムができてしまった…」そんな失敗の多くは、システム化を考える前の「何を解決したいのか」の整理が足りないことから生まれます。

システムのプロである情シスの皆さんだからこそ、あえてPCを閉じて、紙とペンと付箋で業務課題に向き合っていただく。そんな一日です。

ご参加いただいた皆さま

星野リゾートさんからは、情報システムグループの7名が参加してくださいました。自己紹介を伺うと、キャリア採用で入社された方だけでなく、星野リゾートさんが運営する「星のや」「界」、「OMO」などさまざまな施設の現場から情報システムグループに異動された方など、実に多彩なバックグラウンド。「現場を知っているメンバーと外部で培った知見を活かすメンバーがITを担う」という星野リゾートさんらしいチーム構成です。

アールスリーからは浅賀と井上がファシリテーターを務め、渡邊もサポートとして参加しました。

当日の流れ

ステップ1: 業務の「困った」を書き出す

まずは、日々の業務で感じている「困った」を、ひたすら付箋に書き出していきます。どんな小さなことでもOK、コツは「具体的な業務の課題」を書くことです。

情シスの皆さんだけあって、出てきた課題はどれも共感度の高いものばかりでした。

  • ブランドごとにkintoneのマスタアプリが乱立している
  • 通知が多すぎて、大事な通知を見てもらえない
  • マニュアルが分散している、業務が属人化している
  • 社内固有の用語が多く、問い合わせの意図をつかむのが難しい
  • 問い合わせや依頼が、アプリ・チャット・会議の場など、いろいろな経路から来る

「うちも同じです……」と思わずうなずいた情シスの方、多いのではないでしょうか。

ステップ2: 課題の原因を考える(1回目)

次に、書き出した課題の中から「これが一番困っている」というものを1つ選び、その原因を掘り下げて「原因シート」の左半分に書き込みます。ポイントは、この時点では解決策を考えないこと。「誰が悪い」でもなく、純粋に「なぜそうなっているのか」だけに向き合います。

「いろいろな経路で依頼が来るので優先順位がつけられない」「相手がいつまでに解決してほしいのか、期待値が見えない」など、日々の運用に根ざしたリアルな原因が挙がりました。

ステップ3: 業務の流れを見える化する

休憩をはさんで、後半は模造紙と付箋を使った業務フローづくりです。描き方はシンプルで、

  • 人や部署は赤色の付箋に
  • やり取りされる情報(申請書、データ、連絡など)は黄色の付箋に
  • 付箋同士を矢印でつなぎ、最後に時系列の番号を振る
    ※ 今回は時間の関係もあり、線を引くところは割愛。

という3ステップ。普段、業務フロー図を書き慣れている情シスの皆さんも、「人」と「情報」を分けて付箋で並べていくこのやり方は新鮮だったようで、各チームとも模造紙を一面使い、業務の流れを整理していただきました。

ステップ4: もう一度、課題の原因を考える——見え方が変わる瞬間

業務フローができあがったら、ステップ2で使った原因シートの右半分に、もう一度同じ課題の原因を書いてみます。

すると、多くの方の右半分には、左半分と違うことが書かれるのです。

たとえば、「システム権限の付与申請に関する過去事例の確認に時間がかかる」という課題を選んだチーム。1回目の原因シートには、「過去の申請レコードが探しにくい」「手順書が分散している」など、自分たち情シス側の作業に関する原因が並んでいました。ところが業務フローを描いてみると、時間がかかっているのは自分たちの確認作業だけではないことが見えてきました。

「申請する側は、何のシステムのどの権限を、なぜ申請すればいいのか分からないまま出している。承認者側も、それが本当に必要な承認なのか判断できないまま流してしまう。だから、よく分からない申請がこちらに流れてきて、確認に時間がかかっていたんだ。」

課題の原因は自分たちの中だけでなく、申請者・承認者を含むフロー全体にあった——という発見です。共有の場では「社内のルールを整理することが、自分たちが探す手間を減らすことにも、処理の自動化にもつながると、これを見て改めて確信できた」という言葉もありました。

問い合わせ対応の流れを見える化した別のチームからは、「ツールが点在しているから問い合わせが埋もれる」「誰がどれだけタスクを抱えているか見えていない」という気づきに続いて、チーム全員でタスクを見える化し、担当者が忙しくて忘れていても他のメンバーが気づいてフォローできる体制にしては、という改善アイデアまで話が広がりました。

思い込みで捉えていた課題が、業務の流れを俯瞰した途端に違って見えてくる。「本当に解決すべき課題」はフローの中に隠れている——これが、このワークショップで得られる大きな利点です。

参加者の皆さんの感想

最後に、参加者の皆さんから感想をいただきました。一部をご紹介します。

いそのさん

自分たちだけでは気づけないポイントがあると実感しました。外の目線から深掘りしてもらえることで、新しい気づきが生まれやすかったです。普段の業務フロー整備とは違うアプローチで、「こういうやり方もあるんだ」と知れたのが良かったです。

こたけさん

私はつい手段から考えてしまい、解決方法ばかりにフォーカスしがちなのですが、今回のワークを通じて、課題を起点に原因を深掘りすることの大切さに気づけたのが大きな収穫でした。

しろたさん

これまで自分たちの対応の大変さばかりに目が向いていましたが、言われてみれば、差し戻される相手側も大変なはずです。お互いに、伝えたいことをスムーズに伝えられて、スムーズに受け取れる形にできれば、双方の負担が減ると感じました。

ふるかわさん

星野リゾートは、情シスも現場も業務改善にとても積極的な会社です。それでも課題は次々に出てきます。業務改善は永遠の課題。業務改善は人生かもしれないと思いました。

「業務改善は人生」——名言をいただきました。

ファシリテーターの井上からは、「今日のやり方は、私たちが実際のプロジェクトで行っている進め方とほぼ同じです。最初はどうしてもkintoneありきで頭が回ってしまいがちですが、そうではなく、何が問題なのかを整理するために、一度システムと関係ない次元でフラットに考えてみることがポイントです」とお伝えして、ワークショップを締めくくりました。

おわりに

星野リゾートさんの情報システムグループは、現場出身のメンバーも多く、「顧客に近いスタッフが自ら業務を改善していく」文化が根づいたチームです。だからこそ、課題を見える化するワークの一つひとつに真剣に向き合ってくださり、私たちにとっても学びの多い一日になりました。

このワークショップは、大阪・東京の弊社オフィスで定期開催しています。「DXを進めたいけれど、何から手をつければいいか分からない」「作ったシステムが現場で使われない」——そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご参加ください。

投稿者プロフィール

かっつん
かっつん
システム開発グループ所属。
滋賀県の琵琶湖近くに生息しています。
kintone CERTIFIED
┗ カイゼンマネジメントエキスパート
┗ システムデザインエキスパート