kintone「タスク管理アプリ」を“まず”作る理由

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どうも!システム開発グループの かっつん です。
今回は 「kintone を導入したら、最初にタスク管理(課題管理)アプリを作ろう」 というテーマでお話しします。
プロジェクト管理の王道ネタですが、“まずは基本機能だけで始める” ことにこそ価値があると考えています。
現場で感じたリアルなメリットと運用ノウハウをまとめましたので、kintoneを導入検討中の方kintoneを導入してみたが日常的に使ってもらえず悩んでいる方 の参考になれば幸いです。

なぜ タスク管理アプリ から始めるのか

タスク管理は、プロジェクトでも日常業務でも 「漏れない・止まらない・誰のボールか分かる」 状態をつくる土台です。
kintone を初めて触る方にとっては、このアプリを通じて 一覧ビュー・レコード編集 など基本操作が自然に身に付きます。
アールスリーインスティテュートの開発プロジェクトでは呼び名こそ「課題管理アプリ」「連絡アプリ」「タスク管理アプリ」などさまざまですが、必ずこのアプリを最初に作成し、お客様とのコミュニケーションツールとして活用しています。
kintoneにまだ慣れていないお客様がkintoneを習慣的に触るきっかけになるアプリといえます。

“基本機能だけ”で作るべき 3 つの理由

  1. 拡張が当たり前になるリスクを避ける
    ・導入直後からプラグインを盛り込み過ぎると、それがkintoneの標準と思われる可能性があります。
    ┗ アプリ作るごとに追加開発が必要 ⇒ 工数&ランニングコストが雪だるま式に増加するリスクに繋がる
  1. 保守・改修が身軽になる
    ・kintone は「運用しながら改善していくことができる」ツールです。
    ┗ 基本機能中心なら、お客様(現場)側で完結しやすく自分自身で改善を進めていける
  1. SIGNPOST の原則を実践できる
    ・Cybozu 公式ベストプラクティス集 kintone SIGNPOST でも「まず基本機能で課題を解決できないか考える」ことの重要性が書かれています。
    ┗ 基本機能で十分か判断する意識を習慣化する初手として最適

シンプルなフィールド構成

私たちのタスク管理アプリはとてもシンプルです。

フィールド名フィールドタイプ備考(項目・記載内容など)
タイトル文字列1行タスク名
連絡区分ドロップダウン共有/依頼/質問 など
進捗状況ドロップダウン未着手/対応中/完了
ボールドロップダウン担当者ボール(どちら側のタスクか)
担当者ユーザー選択担当ユーザー
完了期限日付
連絡内容文字列複数行リッチテキストではなく「文字列複数行」を推奨
添付ファイル添付ファイル
やりとりテーブル日時、記入者、内容、添付ファイル

これに kintone が自動付与する レコード番号・作成/更新情報 を並べれば運用可能です。
リッチテキストはファイルサイズが肥大化しやすいため、まずはシンプルな文字列複数行の使用をおすすめします。

フィールドとコメントの使い分けが身に付く

  • ストック情報(特定の型で貯めたい情報) → フィールド
  • フロー情報(一時的に共有したい内容) → コメント

タスク管理アプリを使用していると、どっちに入力するべきかを自然と考えるようになります。
これを意識するだけで検索性が向上し、自分も他のユーザーも情報をキャッチアップしやすくなります。

通知設定をストレスなく整える

通知は便利ですが、慣れていない利用者には“通知爆弾”になりがちです。まずは メンション付きのコメントのみ通知が届く 設定にし、情報システム部門のメンバーなどkintoneに慣れている人を「通知用フィールド」に設定して、アプリの通知設定を付けておくとフォロー体制を築きやすくメンバーの心理的負担を減らせます。
メール通知が埋もれる場合は SlackやTeamsなど普段使用しているチャットツールの 連携 を活用することで見落としを防げます。
(私の場合、メーラーの振り分け機能を利用して、kintoneから特定の通知メールが届いたら、Slackに通知されるように設定しています。)

基本機能に慣れることで感じることができる“差分”

kintoneの操作に慣れると「もっとこうなれば」という声が上がってきます。
この “基本機能でできる/できない” が明確になってきたタイミングで挙がってくる要望は、追加の機能を加えるかの判断が付きやすい的を得た内容であることが多いように思います。
作業頻度と 1 回あたりの作業負担を整理することで、運用で十分/プラグインで効率化/カスタマイズで自動化 など最適解の選択に繋がります。

カスタマインで広がる世界

少しだけ自社プロダクトの話を。ノーコードでJavaScriptカスタマイズを実現できる カスタマイン を使えば、基本機能にプラスしてkintoneをさらに使いやすくするための処理を少ない工数で実装することができます。

特に私自身気に入っている点は、「必要な機能を必要な箇所にだけ」追加できる点です。
カスタマインを使って、カスタマイズを加える場合においても、

  • そもそもなぜ不便に感じるのか(本当の課題はどこにあるのか)
  • 基本機能の使い方に慣れれば解決することではないか
  • 運用の仕方を少し変更することで解決できないか

といったことを事前に整理したうえで、必要な機能のみ加えることが大切です。

カスタマインで実現できることは非常に多いです。ですので、カスタマインで実現できない機能は思い切って諦める、というのも一つの選択肢です。
カスタマインでは実現できないが、どうしても必要な機能の場合のみ、専用のプラグインの導入をする検討するというのも、kintoneへの機能の拡充の検討をシンプルにする一つの方法ではないかと思います。

まとめ

タスク管理アプリを最初に作り、基本機能だけで運用を始める ―― このシンプルな一歩が、kintone を “運用しながら改善し続けられるツール” として活かすカギです。
機能の拡張は“本当に必要になってから”でも遅くありません。
まずは小さく始め、基本機能との差分を意識しながら成長させましょう。



アールスリーインスティテュートのシステム開発グループのサービス『キミノマホロ』では 「必要なものを、必要なだけ。」 をコンセプトに、お客様に本当に必要な支援をご提案しています。

「こんなことを kintone で実現したいけれど正直よく分からない…」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

エンジニア陣が “本当に kintone でやるべきか?” から一緒に考えさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!

必要なものを、必要なだけ。
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kintoneを活用した業務改善・システム開発サービス

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投稿者プロフィール

かっつん
かっつん
システム開発グループ所属。
滋賀県の琵琶湖近くに生息しています。
kintone CERTIFIED
┗ カイゼンマネジメントエキスパート
┗ システムデザインエキスパート