バーコード四方山話5 「JICFSって知ってる?」

公開日:

はじめに

こんにちは、サポートの沖です。

バーコード四方山話も5回目になりましたね。今回はちょっとマニアックなテーマのような気もしますが、最後までお付き合いください。

実は、スーパーで

「炭酸飲料は今月よく売れたね」

「お茶の売上が伸びているね」

と分析できるのは 「JICFS(ジクフス)」 という商品分類が活躍しています。とは言え、ほとんどの人は「JICFS?」となるはずです。

スーパーやコンビニで買い物をしていても目にすることはありませんし、小売業に携わっていない限り、耳にする機会も少ない言葉だと思います。

正式には JICFS/IFDB(JAN Item Code File Service / Integrated Flexible Data Base) と呼ばれる、JANコードとそれに付随する商品情報を一元的に管理するデータベースサービスのことで、その商品情報を分析しやすくするために使われる商品分類が JICFS分類 です。

今まで紹介してきたJANコードが「どの商品なのか」を識別する番号なのに対し、JICFS分類は「どんなジャンルの商品なのか」を表します。POS分析では欠かせない存在なのですが、普段はあまり意識されることはありません。

今回は、そんな少し縁の下の力持ちであるJICFSについて紹介しながら、最後はCustomineを使ってカテゴリごとの集計も作ってみたいと思います。

そもそもJANはどう使う

JANコードは、商品を識別するための番号です。

レジでバーコードを読み取ると、そのJANコードをもとに商品マスターを参照し、

  • 商品名
  • 売価

などの情報を取得しています。

つまり、

「これはどの商品ですか?」

という問いに答えるためのコードです。

同じメーカーの商品でも、

  • 500ml / 2L
  • 無糖 / レモン味

といった違いがあれば、それぞれ別のJANコードが付けられています。なお、同じカップ麺でもリニューアルとか特定シーズンだけJANが切り替わるという面倒な運用もありますが、あくまで「商品を識別する」ためのものです。

この商品が飲料なのか、菓子なのか、日用品なのか、といった分類はJANコードそのものに含まれているわけではありません。

JICFSという業界共通の分類

JANコードを見れば、「どの商品なのか」は分かります。

しかし、売上を分析するときには、商品単位だけではなく、

  • 飲料
  • 菓子
  • 日用品

といったカテゴリや、さらに細かい商品ジャンルごとに集計したい場面がよくあります。そこで利用されるのが JICFS分類 です。

JICFS分類は、JICFS/IFDBに収録されたJANコード商品情報を効率よく利用できるように設定された、JICFS用の商品分類コードです。JICFS分類コードは6桁で、大分類・中分類・小分類・細分類という4段階に分かれています。

例えば飲料系の商品であれば、

  • 食品
    • 飲料・酒類
      • 清涼飲料
        • コーラ

というように分類されます。

この場合、コーラのJICFS分類コードは 140301 です。

図1:JANコードとJICFS分類の役割

ちなみに、このJICFSコードは商品ごとに管理されていて、小売業や卸売業では、JICFS/IFDBなどから取得した商品情報を商品マスターへ取り込んで利用することが一般的です。

JICFSについて詳しく知りたい方は、GS1 Japanの公式ページも参考にしてみてください。

JANコード統合商品情報データベース(JICFS/IFDB)|GS1 Japan

JICFSはどんな場面で使われるの?

JICFSが活躍する代表例がPOS分析です。

例えば、

「今月よく売れた商品ランキング」

を作るだけなら商品名だけでも十分です。

しかし、

  • コーラというJICFS分類では合計でどれくらい売れたのか
  • 炭酸フレーバーと比べてどうだったのか
  • 日本茶・麦茶ドリンクや中国茶ドリンクとはどのくらい差があるのか

というように、JICFS分類単位で合計値を比較したい場合には、JICFS分類が必要になります。

図2:JICFS分類単位で合計値を比較するイメージ

商品単位で見ると、

  • コーラ500mlが120本
  • ゼロコーラ350mlが80本
  • サイダー500mlが90本
  • 緑茶600mlが150本
  • 烏龍茶600mlが90本

という情報になります。

もちろんこれも大切な情報です。

ただ、これだけでは

「コーラという分類全体ではどれくらい売れたのか」

「炭酸フレーバーと日本茶・麦茶ドリンクでは、どちらが多く売れているのか」

は少しわかりにくいと思います。

そこでJICFS分類ごとに集計すると、

  • コーラ:200本
  • 炭酸フレーバー:90本
  • 日本茶・麦茶ドリンク:150本
  • 中国茶ドリンク:90本

というように、分類単位で比較できるようになります。

複数の商品を、JICFS分類という共通の単位にそろえて合計することで、分類同士の傾向を比較しやすくなるわけです。

商品単位では見えにくい変化も、分類単位にまとめることで見えてきます。

PI値という考え方がある

POS分析では、売上金額だけではなく PI値(Purchase Index) という指標もよく利用されます。

PI値とは、

「来店客1,000人あたり何個売れたか」

を表す指標です。

計算式は次のようになります。

PI値 = 販売数量 ÷ 来店客数 × 1,000

例えば、

  • 来店客数:1,000人
  • あるカテゴリの販売数量:200個

であれば、PI値は200になります。

図3:PI値の考え方

売上金額だけを見ると、高価格の商品ほど目立ちやすくなります。

一方でPI値を見ると、

「お客様にどれくらい選ばれているのか」

が分かりやすくなります。

商品ごとのPI値を見ることもできますが、JICFS分類ごとにPI値を集計すると、

「どのカテゴリがお客様によく選ばれているのか」

も分かるようになります。

つまり、

  • JANコードは商品を識別するもの
  • JICFS分類は商品を分類するもの
  • PI値は売れ方を分析するもの

それぞれ役割が異なるというわけです。

顧客PIという考え方もある

最近では会員カードやアプリの普及により、

「誰が購入したか」

まで分析できるようになりました。

そのため、

  • 新規のお客様
  • リピーター
  • 年代
  • 性別

ごとにPI値を比較する「顧客PI」という分析も行われています。

例えば、

「炭酸系飲料は若い世代に人気」

「お茶系飲料はリピーターによく購入される」

といった分析にも利用できます。

JICFS分類と顧客情報を組み合わせることで、さらに細かな売場分析ができるようになります。

商品を識別するだけでなく、分類して、さらに顧客情報と組み合わせる。

こうなると、バーコードから始まった情報が、かなり実用的な分析につながっていくのが分かりますね。

Customineで集計してみる

では、実際にCustomineでJICFS分類ごとの集計を作ってみます。

今回は次の2つのアプリを用意しました。

  • 商品マスター
  • 販売実績

実際の小売業では、商品マスターにJICFSコードが登録されていることが一般的です。

今回はそれに近い構成として、商品マスターに

  • JANコード
  • 商品名
  • JICFSコード

を登録しています。

販売実績には、

  • JANコード
  • 販売数量
  • 販売金額

を登録します。

そしてJANコードをキーに商品マスターを参照することで、販売実績側でもJICFSコードを利用できるようにします。

このような構成にしておけば、JICFSコードごとの販売数量や販売金額を集計できます。

図4:CustomineによるJICFS集計の流れ

設定はこんな感じ

処理の簡略化のため、集計元アプリを作成し、JICFSをルックアップで取得するようにしておきます。また、カスタマインの設定は必要最低限のみ作成なので、読み込み画面のようなアクションや、転記時の重複とかは考慮していません。あくまで、1日1回の処理という想定で手順は

1.販売実績を集計元アプリに転記

2.集計元アプリから集計アプリへ転記

という流れです。

今回の例では、

  • JICFSコードごとの販売数量
  • JICFSコードごとの販売金額

を集計できるようにしています。ついでに、テーブルの方はJANごとの集計値になってます。「レコードを仕分けして別のアプリに登録する」を使うとこのような集計が簡単のでおすすめです。

なお、PI値まで計算する場合は、別途、日別・店舗別の来店客数データを持つアプリやフィールドを用意しておく必要があります。カスタマインの「定期実行タスク」を使うと決まった時間に毎日実行可能なので、様々な集計処理をいくつも組み合わせることが可能です。

以下のページが参考になると思うのでご確認ください。
クロス集計に計算式を足したような出力を作成する

出来た

商品単位では見えなかった売れ方も、JICFS単位で集計すると傾向が見えてきます。このアプリにグラフを追加していくと流れがわかりやすそうです。

今回はシンプルな集計だけを紹介しましたが、

  • 店舗別比較
  • 月別推移
  • メーカー別比較
  • 顧客属性別分布

などと組み合わせれば、さらに実践的な分析もできます。

バーコードというと「レジで読み取るもの」というイメージが強いですが、その情報を活用するためにはJICFS分類のような商品分類も欠かせません。

普段はあまり意識することのないJICFSですが、POS分析や売場づくりを支える重要な仕組みのひとつです。

もしPOSデータを扱う機会があれば、商品だけではなく「カテゴリ」という視点でも眺めてみると、新しい発見があるかもしれません。

最後に

今回のブログはChatGPT 5.5 instant & PRO に手助けしてもらいました。今までも画像の作成をしていたのですが、今回はタイトルを渡して考えてもらったらダメ出しが多くてめった打ちでした(苦笑

ただ、おかげで読みやすくなったと思います。サンプルデータも作ってもらったし、便利になりました!

ということで、次回の予定は未定ですが、また何かのタイミングでお会いしましょうー

投稿者プロフィール

アバター画像
"サイボウズ公認kintoneエバンジェリスト
カスタマインやデプロイットでも色々とやってます"