公開日:
こんにちはっ。システム開発グループの わだっち です。
気づけば12月です。いっぺんに冬の気候に変わり、日々子供の送り迎えが辛くなってきましたが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
kintone基本機能の一つとして「関連レコード」がありますが、みなさん使われてますか?
自アプリでも他アプリでも、詳細画面で表示したレコードに対して、
条件に一致したレコードを一覧表示できて便利ですよね。
以前に、たまこさんが書かれていたブログ でも、
「関連レコード」を使ったより便利になるカスタマイズ事例が紹介されています。
今回取り上げた「関連レコード」、それ自体はとても便利に使えるのですが、
あと少しこうなれば、とか、これはできないんだ と思うこともあるんです。
そんなときでも、カスタマイン によって解決できることもあるんですよという観点で
いくつか例を挙げて紹介できればと思いました。
具体例その壱:条件として「日付」フィールドを参照できない
「関連レコード一覧の設定」では、「さらに絞り込む条件」で「日付」フィールドを選ぶ事ができます。
できるんですが、、、

その選択した「日付」フィールドと比較する右辺で設定できるのは
「値として直指定する形の特定の日付」または「今日」を基準にした「〇日前/後」「前日」「翌日」同「週、月、年」
といったものでフィールド値としての「日付」の値を参照することはできないんです。
各レコードのフィールドに入力した「日付」によって変動する、入力日付を基準とした「前後」のレコードを表示したい
となってもそれを実現することはできません。
具体例その弐:条件として「ユーザー選択,組織選択,グループ選択」を使う場合もやはりフィールド参照はできない
「さらに絞り込む条件」で「ユーザー選択,組織選択,グループ選択」フィールドを選んだ場合についても

やはり「日付」と同様に、比較する右辺で設定できるのは「値として直指定する形のユーザー,組織,グループ」であり
フィールド値としての それらの値を参照することはできないです。
なので例えば
「レコードに入力されているユーザーが含まれる/含まないレコードを表示したい」という設定はできません。
具体例その参:複合条件の設定はできない
これは「関連レコード」に限った話ではありませんが、kintoneでは基本的に「and/かつ」と「or/または」を
混ぜたような形の「複合条件」と呼ばれる設定をすることができません。

上記「その壱」「その弐」にある画像でも「さらに絞り込む条件」において条件の追加は設定できますが、
「すべての条件を満たす」か「いずれかの条件を満たす」の二者択一であり、
複合条件(andとorを組み合わせたような形)での設定はできません。
具体例その肆:キーで紐づかないものを対象にする

「関連レコード」の設定は、こちらの画像のように「表示するレコードの条件」は必須設定であり、
基本的には「特定のキー」が「等しい」レコードを参照表示する仕様になっています。
ですが、業務のなかでは「関連している(けど)キーは別の情報」をまとめて参照したい という事も
少なからずあると思っています。
「=(等しい)」の部分は、選択/変更が不可なので、そういう設定をすることもできません。
基本機能での実現が難しいこれらは、カスタマインが解決してくれます
カスタマインには、レコードの一覧をスペースに表示するという「やること」があり、
これをうまく活用することで、「関連レコード」のような表示を、より幅広い条件設定で
実現することができます。
サポートサイトにも
といった解説記事が記載されています。
要は「レコード」として表示したい対象となるそれを事前に「取得」することで、
「関連レコード」では実現できない(具体例の壱~肆で書いたような)表示もできちゃうんです。
【具体例その壱 のカスタマイズ設定】

条件を組み立ててレコードを取得する 等のレコード取得系の「やること」で
フィールド参照した形の「検索条件」が設定できますので、
「入力値」である「日付」とダイレクトに比較する場合は、↑のような感じでシンプルに設定できます。

日付を計算する の「やること」を使う形で、↑のように
「入力値」である「日付」を基準に、「〇日前/後」「前日」「翌日」を比較する事もできます。
【具体例その弐 のカスタマイズ設定】

基本は「その壱」と同じで、「条件を組み立ててレコードを取得する」の
「検索条件」をクリックで「条件ビルダー」が表示されるので、↑のように
「ユーザー選択,組織選択,グループ選択」をもとにした「条件」を追加設定すれば良いです。
【具体例その参 のカスタマイズ設定】

「その弐」と同じ要領で、「条件を組み立ててレコードを取得する」の「条件ビルダー」を使う際
「グループ」という枠で条件を一括りにできます。
また、「グループ」の中外で「全ての条件を満たす」/「いずれかの条件を満たす」を選択できるので
いわゆる「and」と「or」を織り交ぜた複合条件の設定ができます。
【具体例その肆 の発展版】
ここまでの話で、「等しくない」で設定したレコード取得ができれば「その肆」は簡単に実現できそうです。
そこで発展版として、なかなかイメージし辛いかもしれませんが、以下のような場合を想定します。
- 各案件では、限られたリソースを必要分割り当てるような形で検討が行われ、案件が確定して初めてリソースが確保される
- リソースについてはいわゆる「早い者勝ち」のルールだが、期待していたそれが急に確保できないとなれば困る
- そこで、同じリソースの確保を検討中の他案件について、その状況や内容を「関連レコード」的に表示させ、事前に調整が利くようにしたい
ここではあえてある意味答えになる設定画像は載せないでおきますが、
基本的にはこれも同じような レコード取得(複数回)→レコードの一覧をスペースに表示する という流れで
実現できます。
以前に、日南子さんが書かれていたブログ をヒントに、
「やってみよう」となった方はチャレンジしてみてください。
今回のまとめ的な話
ここまで読んでいただければお分かりかと思いますが、
大事なポイントは「レコードの一覧をスペースに表示する」の「やること」それ自体ではなく、
いかに「レコードを取得」して、目的として「やりたいこと」に繋げるかにあります。
「条件」「タイミング」「運用フロー」などを考えながら
「レコードを取得」してその後の処理に繋げるというカスタマイズは結構使います。
その理解を深めることで、色々な用途として応用が利くようになり、
「ああしたい」「こうしたい」というカスタマイズ実現を模索する際には力になりますし、
カスタマイン活用の幅がグンと広がるんじゃないかなと思います。
今回書いた内容だけに留まらず、「ひょっとしたらこういう使い方もできるんじゃないか」といった
想像を膨らませるきっかけに少しでもなれば幸いです。
それでは~
投稿者プロフィール
-
"kintone「かかりつけ医」「伴走者」「よろず屋」 kintoneに関する提案、構築、相談など幅広く色々やっています。
元ユーザという事もあり、お客様に近い距離でのやり取りを主な生業としています。"
最新の投稿
gusuku2025年12月10日「関連レコード」の「あと少し…」を解決しよう
gusuku2025年10月9日「やること」の使い道は「使う人」次第!??
gusuku2025年6月18日kintoneと、カスタマインと、デプロイット
gusuku2025年5月9日あなたの「・・・」はどこですか?






