100件/月の請求書チェック業務自動化
担当者解放し、空いた時間業務

アールスリーが、自分たちのバックオフィス業務を生成AIで改善した事例です。

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  4. 導入事例01:約100件/月の請求書チェック業務を生成AIで自動化

必要なものを、必要なだけ。
業務改善の新しいカタチ

kintoneを活用した業務改善・システム開発サービス

kintoneを活用した業務改善・システム開発サービス

概要

アールスリーでは毎月、約100件の請求書を送付前にチェックしています。件数が多く観点も多いため、担当者が全件を目視で確認する負担と、見落としのリスクが課題でした。負担が集中する「チェック」の工程を、生成AIとルールベースを組み合わせて自動化。担当者が目を通すのは、生成AIが「要確認」に挙げたものだけになりました。全件に張り付いていた時間がまとまって空き、その分を他の業務に充てられるようになっています。

現状と課題

アールスリーはシステム開発を手がけており、毎月、バックオフィスチームがお客様に請求書を送っています。請求データはkintoneで管理し、そこからPDFで請求書を作成しています。

一筋縄でいかないのは、請求書の中身が毎月同じではないことです。案件ごとに内容が違うのはもちろん、同じ案件でも、役務やライセンスの内容が月によって変わります。当月分のデータは前月分をベースに用意し、前月の複製や日付の設定といった定型部分は自動化していますが、その月ごとの変更点は人が手で反映しています。

Point

当月分は前月をベースに用意しますが、そのまま使えるわけではありません。
役務や従量の分は数量・金額が変わり(パターン1)、その月だけの明細が増えることもあります(パターン2)。
だから毎月、人が変更点を反映しています。

そして送付する前に、担当者がその内容を一件ずつ確認します。件数は毎月約100件。確認することも一つではなく、どれも業務の背景を知らないと判断できないため、毎月かなりの時間がかかっていました。人が目視で全件を見る以上、見落としのリスクもつきまといます。

Point

1枚の請求書に対して確認すべき観点は複数あり、どれも業務の背景がないと判断できません。
それを担当者が毎月、全件について目視で確認していました。

解決方法

① まず考えたこと

問い1:そもそも生成AIを使う必要があるのか?

結論

「作成」の完全自動化は見送り、”確認(チェック)”の負担を減らす方向に絞った。

バックオフィスチームから「このチェックを改善できないか」と相談を受けたとき、システム開発グループは、最初から「生成AIを使って解決しよう」と決めていたわけではありません。

まず考えたのは、チェックそのものを減らせないか、ということでした。作成をさらに自動化できれば、チェックの負担も根本から減らせるはずです。そこで、作成の残りの部分もルール(従来のプログラム)で組めないかを検討しました。

ところが、バックオフィスチームにヒアリングして検討すると、完全な自動化は現実的でないとわかりました。

その月の実際の利用数などは、別のシステムで人が確認して反映する必要があります。理屈のうえではルール化もできなくはありませんが、あらゆるケースに対応させようとすると運用もシステムも複雑になり、費用対効果が見合いません。さらに、イレギュラーなケースまで含めるとすべてのパターンを洗い出すのは難しく、ルールベースだけでは反映漏れも起こりがちです。

そこで、作成の完全自動化は目指さず、チェックもルールベースだけには頼らないことにしました。作成は今のかたち⸻一部は自動、変更点は人が反映⸻のまま人が担い、そのぶん負担とミスのリスクが集中する「確認(チェック)」の工程を、しっかり改善する。そういう方針に切り替えたのです。

検討した選択肢実現性運用の柔軟性構築コストの低さ負担軽減の効果
請求データ作成を完全自動化する
実績が出るまで決まらない請求があり実現できない。
ルールに縛られイレギュラーにも弱く、構築も大がかり
×××
作成は今のまま、チェックの負担を減らす ←採用
人の手を残すぶん柔軟に運用でき、大がかりな開発も不要。チェックは残るが大きく軽くできる

◎=優れる/○=問題なし/×=難しい。作成の完全自動化は実現性・柔軟性・コストのどれもが難しく、作成は今のまま、チェックの負担を減らす道を選びました。

問い2:AIを使うとして、どこに使うべきか?

結論

ルールで判定できる部分は従来のプログラムに、文脈判断が必要な部分だけ生成AIに任せた。

チェックを改善すると決めたシステム開発グループが次に考えたのは、「チェックのどこに生成AIを使い、どこは使わないか」です。ここでも、すべてを生成AIに任せようとはしませんでした。

チェックの中身を分解すると、多くは生成AIを使わなくても、決まったルールで機械的に照合できるものでした。一方で、案件担当者が自然な文章で書いた変更指示の読み取りや、コメント欄でのやり取り(担当者への実績確認が取れているか)の判断だけは、業務の文脈を汲む必要があり、従来のプログラムが苦手とするところ。ここに生成AIを使いました。

確認の観点ルールベース
(従来のプログラム)
生成AI
日付が当月になっているか
数量・単価が契約と合っているか
前月から意図せず変わった箇所はないか
PDFと明細が食い違っていないか
自由記述の変更指示が反映されているか
担当者への実績確認(コメント欄で取れているか)
送付先の変更が反映されているか(自社システムの依頼と照合)

機械的に照合できる観点はルールベースで確実に。文脈を読む必要がある「自由記述の変更指示」だけを生成AIが担当します。

自由記述の変更指示

案件担当者から、その月の変更が自由な文章で届きます。書式は決まっていません。

担当者への実績確認(コメント欄)

「◯◯さんに要確認」というメモに対し、実際の数量をコメント欄でやり取りして確定します。その確認が取れているかを見ます。

送付先の変更(自社システム)

送付先の変更依頼が、自社システムに自由な文章で届きます。これが請求書に反映されているかを確認します。

役割を分けたのには、もう一つ理由があります。請求はお金に関わることです。そして生成AIは、ときに間違えます。だからこそ、決まったルールで確実に判定できるところは従来のプログラムに任せ、生成AIを使うのは、それでは立ち行かない文章の読み取りに絞りました。なんでも生成AIにしないぶん、コストを抑えながら、確実に動く仕組みになります。

② 具体的な仕組み

実現方法

チェックの仕組みには、Claudeデスクトップアプリを採用しました。

いちばんの理由は、開発せずに始められることです。チェックを回すのはバックオフィスの担当者一人。そのために専用のシステムを一から作り込むのは、やはり大がかりすぎます。専用システムなら、データを処理する仕組みだけでなく、担当者が操作する画面まで用意しなければなりません。Claudeデスクトップアプリなら、その画面がはじめから備わっています。あとはkintoneとつなぐMCPサーバーを組み合わせるだけで、すでにkintoneに貯まっているデータの上でそのまま動かせて、担当者自身がすぐに実行できます。

担当者の指示で、Claudeが kintone MCPサーバー経由でkintoneの請求書データ・契約データを、自社システム用のMCPサーバー経由で自社システムの送付先の変更依頼を取り出し、ルールベースとAIによる照合を行います。その結果をもとにAIが最終判定し、「OK」と「要確認」に分けます。kintoneだけに閉じず、複数の情報源を横断して確認できるのが強みです。

※ kintone MCPサーバーは、生成AIがkintoneのデータを直接読み書きするための連携サーバーです(サイボウズ提供)。詳しくはこちら

どう動くか

使い方は、担当者がClaudeに対象の月を伝えるだけです。

対象の月を伝えると、Claudeがkintoneからその月の請求データを取得し、チェックを始めます。(画面は先月分を指定した例)

あとはClaudeデスクトップアプリが、kintone MCPサーバー経由でkintoneから当月分・前月分の請求データや契約のデータを、自社システム用のMCPサーバー経由で自社システムから送付先の変更依頼を取り出し、全件をチェックします。10分ほどで、結果が「OK」と「要確認」に仕分けられて出てきます。

チェック結果。「要確認」だけが、引っかかった理由と次に確認すべきことまで添えて挙がってくる。

そして「詳細を見たい」と伝えれば、全件について一件ずつの判断根拠まで確認できます。「OK」としたものも、なぜそう判断したのかを担当者があとから追える。人が最後に確かめる運用を、しっかり支えています。

全件の判断根拠。「OK」としたものも、観点ごとに根拠を確認できる。

効果

担当者が目を通すのは、生成AIが「要確認」に挙げたものだけになりました。全件に張り付いていた作業から解放され、確認が本当に必要なところにだけ集中できます。空いた時間はまとまったものになり、他の業務に充てられるようになりました。

項目これまでこれから
確認する件数全件(約100件)を目視生成AIが「要確認」とした5件程度の、指摘ポイントのみ
チェックの時間6〜8時間0.5時間
担当者の関与全件に張り付き要確認の確認に集中
見落としリスク目視ゆえに残るルールベースの照合と、生成AIの判断+人の最終確認で補完

まずは、いまの業務の困りごとをお聞かせください。

具体的な課題や、「生成AIで何を解決したいか」が固まっていない段階のご相談も歓迎です。
どういう姿を目指すべきかを、業務からご一緒に考えます。