kintone(キントーン)はノーコード?ローコード?

ノーコード、ローコード(NoCode/LowCode)という言葉がかなり広まってきました。我々がこれを意識し出した4年ほど前には誰も知らないというような状況でしたが、最近はノーコード、ローコードの記事もたくさん出てきています。

さて、ノーコード、ローコードというこの言葉ですが、同時に使われたり個別に使われたり、両方のことを1つの言葉で言ったりと色々使われているようです。

このコラムでは、我々の考えるノーコード、ローコードについて触れていきたいと思います。

ノーコード・ローコードの定義

定義は媒体によって色々あるようで、どの文脈でもローコードで通しているように見える媒体もあるため、一概にこれが正解という定義はないのですが、我々は次のように定義しています。

ノーコード

ノーコードは、言葉の通り「ノー」なので、「コード」つまり、一定の文法にしたがったロジックを記述する文字の集合を作る必要がありません。

なぜ、このような堅苦しい言い方をするかというと、「ノーコード」は必ずしも「ノープログラム」や「ノーデザイン」ではないからです。

プログラムの作成には2つの要素があります。1つは「ロジックを考える」もう1つは「ロジックを実現するための表現をする」です。

ノーコードツールは、このうちの後者「ロジックを実現するための表現をする」という部分を強力に支援してくれます。

kintoneは、ブラウザ上でドラッグ&ドロップするだけで「ロジックを実現するための表現」をしてくれます。しかし、kintoneは、あなたがどのような業務をしようとしていて、そこにどういうルールが存在するかについては感知しません。これは「ロジックを考える」の領域に当たります。

世の中のノーコードツールで、ここまで行ってくれるツールは、我々の知る範囲では存在しません。ここまでできるツールが存在すると、なんとなく困っていること話せばシステムができてしまうということになりますので、一気に未来っぽくなりますよね。

「ロジックを実現するための表現をする」部分をkintoneが強力に支援してくれるわけですから、あなたは「ロジックを考える」ことに集中すればいいということになります。これがノーコードツールの効果です。

そして、これによってもたらされる効果でもう1つ大きいのが「変化に強くなる」ということです。

業務の変化に伴ってロジックに変更がある場合、大多数のケースでロジックそのものの変化は軽微なことが多いのですが、その軽微な変更であってもそれをシステム上の表現に落とす場合には変更点が多くなり時間もかかるということがあります。

kintoneをはじめとしたノーコードツールであれば、この変更はとても簡単に行えることになります。それにより、ビジネスの変化にシステムが追従しやすい状態を作り出すことができます。

ローコード

かたやローコードはどうでしょうか?これも言葉の通り「ロー」です。つまり、少ないけどないわけじゃないということを意味しています。

上でお伝えした「ロジックを考える」というところは、ノーコードもローコードも同じです。違いは「ロジックを実現するための表現をする」ところにあります。

ローコードでは、多少のコーディング(=一定の文法にしたがった文字の集合を作る)が必要です。

これだけ聞くと「じゃぁ、ノーコードの方がいいのか?」となりそうです。しかし、ローコードの場合はノーコードの場合と比較して、圧倒的に自由度が高くなります。

わかりやすい例が、kintoneの基本機能とJavaScriptカスタマイズです。kintoneは基本機能の範囲で使うとノーコードですが、JavaScriptカスタマイズして使うとローコードになります。

「結構たくさんJavaScript書いてるけど・・・」と言う方もいらっしゃると思いますが、kintoneの基本機能に相当する部分からプログラム開発することと比べると、圧倒的にローコードだと思いますので、kintoneのJavaScriptカスタマイズはローコードと呼んで良いと考えています。

kintoneはノーコード?ローコード?

ここまで読んでいただくともう予想できていると思いますが、kintoneは、ノーコードでありローコードです。それはkintoneをどう使うかによって変わってきます。

さらにノーコードとローコードの大きな違いは、

  • ノーコードは開発者でなくても使える
  • ローコードは開発者でないと使うのが難しい

という点があります。

ノーコードの領域が増やせると、よりkintoneを活用できる人が増えることになると思いませんか?そうすると、多くの企業あるいは1つの企業の中でたくさんの人がシステム作りをできることになります。

弊社が提供しているgusuku Customineは、このノーコードでできる領域を増やすことを目指しています。

通常ならJavaScriptによるプログラミングが必要となるkintoneカスタマイズを、ノーコードでできるようにするのがgusuku Customineです。

まとめ

ノーコード、ローコードという言葉が有名になり、いわゆるバズワードになるにつれ、少し不思議な定義で使われているケースも増えてきています。

我々の定義が唯一の定義ということではありませんが、このコラムの読者さんには言葉に踊らされず、ツールの本質的な意味やメリットを理解した上で検討、採用、利用していただけるといいなと思います。