kintone(キントーン)のはじめかた(1) 業務改善の基礎

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kintone(キントーン)で業務改善したい!

キントーンで業務改善したい!」と考え、キントーンの画面を開いたあなた。

ちょっと待ってください。

いきなりキントーンを開くのは、絵を描くときに何を描くか決めずに筆を握るようなものです。業務改善をはじめようとしている方こそ、下準備から丁寧にすすめていくのをオススメします。

この記事では、業務改善初心者の方に向けて、どのように業務改善していけばいいかをご紹介します。 

これから説明するステップをすべて必ず行う必要はないですが、曖昧だなと思われる部分があるならば、部分的にやってみるのも良いと思います。

また、各ステップで100%を目指す必要はありません。70%くらいできたと思ったら、次のステップに進んでください。キントーンで業務改善するメリットは、「失敗するリスクが小さい」ところにあります。失敗は必ずしも悪いわけではなく、規模が小さいうちに失敗するのが大切です。そのため、時間をかけて100%を目指すのではなく、70%で次へ進み、問題が見つかったら修正する。このステップを繰り返して進めることを、覚えておいてください。

キントーンで業務改善 ステップ1 〜下準備〜

1. ゴールイメージの定義

業務改善するとき、それが何を目的としているかを明確にするのはとても大切です。そして、その目的を関係者全員で共有し、合意しておくのも非常に重要です。

業務改善やシステム開発は個別最適に陥りがちで、関係者が自分に都合のいい要望を出してきます。それ自体は悪い姿勢ではありませんが、そのとき共有している目的と照らし合わせ、ゴールに沿っているかが、その案を採用するかどうかの大きな判断基準となります。

今から作るシステムで何を改善しようとしていて、どうなればいいのかを、箇条書きでいいので書き出して共有しましょう。

  • 外出先でも日報作成が出来るようにして、会社に戻る時間を1人平均月5時間削減する!
  • 請求書作成業務に毎月8時間かかっているのを、3時間以内に短縮する!
  • 紙で作成している見積書を廃止する!

など、いろいろ考えられます。

2. 業務分析

次に、今の業務の棚卸しを行いましょう。

システム化したい業務について、「誰が」「どのタイミングで」「何をしているか」を軸に、業務がどう流れていくのか分析します。

次の図のように、縦にプレイヤー(業務を進めるそれぞれの担当)と、横に業務のステップを並べて、それぞれでどのような作業があるか記載する業務フロー図を描いてみると効果的です。

このとき、必ず各業務を実際に行っているメンバーにヒアリングを行って作成してください。想像や、聞いて知っているレベルで描くと、現実とは異なってしまう可能性が高くなり、意味のない改善になる危険があります。

また、業務フロー図を描くときは、あまりイレギュラーな流れを書き込まずに、まずはメインとなる流れを描くようにしてください。イレギュラーな業務がどれくらいの割合であるかにもよりますが、例えば100件に1件くらいのイレギュラーであれば、この時点では無視してください。1件のイレギュラーを改善するよりも、その他99件を改善したほうが効果が高いです。

業務フロー
業務フロー

この記載ができたら、各々の業務ボックスで、どれくらい時間がかかっているかを考えてみましょう。業務フロー図の各ボックスに時間を書いていくのも分かりやすいです。

さて、ここからが分析の本丸です。次のようなポイントを考えながら、業務フローを見直してみてください。

  • 無駄に時間がかかっていないか?
  • 待ち時間はないか?
  • 本当に必要な作業なのか?

見直しができたら、その改善点を踏まえた新業務フロー図を描いてみるのもオススメです。

3. 現在の業務資料の分析

キントーン導入前は、紙やエクセル等様々な資料を用いて業務を行われていると思います。上で作成した業務フローの業務ボックスごとに、どのような資料が使われているかを整理していきます。

このとき、以下のようなポイントに注意してみてください。

  • 業務の対象(案件や顧客や商品等)を特定できる情報(キーとなる情報)はあるか?
  • 本来必要ではない情報が載っていないか?
  • 1つの項目に、複数の情報を載せていないか?
  • 複数の資料間で共有されている(転記されている)情報はなにか?

基本的には、今お使いの紙やエクセルの資料をキントーンのアプリとして作成していきます。ですが、今の資料をそのままアプリ化してもうまくいきません。

各資料間のつながりや、重複する情報を整理しておかないと、キントーン上でも無駄のある形でアプリを作ってしまう場合があります。

4. キントーンでアプリ化する対象の検討

さて、ここまで整理できたら何をキントーンでアプリ化するか考えましょう。

業務フロー図、もしくは新業務フロー図で、キントーンで行うようにする業務ボックスを決めていきます。

このとき、すべての業務を1つのアプリにするのか、複数のアプリで業務を回すのかを考える必要がありますが、まずは1つにできないかを考えてみてください。

1つにできるかどうかを考えるポイントが、3で行った資料の分析です。

各資料で管理している情報を、キントーンに入れるようにしていくわけですが、ほとんど関連性のない情報を管理している資料も1つのアプリに入れてしまうと、そのアプリはわかりにくいものになってしまいます。

あるキー情報に関して、管理すべき情報を1つのアプリに入れると考えてください。

違うキーに紐づく情報を入れたいと思ったら、そこで一度立ち止まりましょう。

何をキントーンでアプリ化するかが決まったら、いよいよアプリを作成していきます。

まとめ

キントーンで業務改善をはじめるときに必要な前段階の準備についてご紹介しました。

慣れてくるとこれらの作業はほとんど頭の中でやってしまえるのですが、はじめのうちは丁寧にやっていくほうがよいと思います。

業務フロー図を描いてみると、意外と無駄な作業があるなと分かってくると思います。

「いかに問題に気づけるか」がポイントですので、手書きでもなんでもいいので描いてみて、俯瞰してみるのをオススメします。続きは、後日公開する「kintone(キントーン)のはじめかた(2)」にてご紹介します。

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