株式会社横浜環境デザイン様 事例紹介

業務改善の枠を越え、kintone が社内外のコミュニケーションの基盤に成長

株式会社横浜環境デザイン
総合企画部 部長 赤井 智彦 様
総合企画部 渡邊 萌 様

住宅用太陽光発電の販売やメガソーラーの設計・調達・施工を手掛ける横浜環境デザインにgusuku Customine(JavaScript不要でサイボウズ社のkintoneをカスタマイズできるツール)導入の経緯と活用効果をうかがいました。

【課題】使いにくさを感じつつkintone基本機能でアプリを運営    

横浜環境デザインは2012年、顧客管理システムの用途でkintoneを導入しました。同年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が開始されたことで太陽光発電システムの特需があり、これに急遽対応するためでした。

それから約7年間、kintoneの基本機能だけでアプリを構築・運営してきましたが、基本機能だけでは「使いにくいな」「もっとこうできたら良いな」と感じつつもそのまま使い続けていました。

【導入のきっかけ】スタッフが使いやすいアプリに改善したい

同社ではkintoneで顧客管理を長年行ってきたため、昔は必要だったけれど今は不要な項目が2019年ごろに目立ち始めました。またアプリに設定している項目が500以上と極めて多く入力画面がとても縦長だったため、外出先からスマートフォンで閲覧すると非常に見にくい状態でした。

「現状に即した、スタッフにとって使いやすいアプリを作りたい」と赤井氏は思い、その方法を調べる中で見つけたのがgusuku Customineです。特に「タブ分け」のカスタマイズができる点が目を引き「これがあれば縦長のアプリをかなり見やすく改造できる」と感じたので導入を決めました。

人, 屋内, 天井, 男 が含まれている画像自動的に生成された説明
赤井氏

【既存事業向けアプリの運用と効果】

同社が最初にgusuku Customineでカスタマイズを行ったのは以前より使用していた顧客管理アプリでした。その後、契約書管理アプリなどでも利用し、どのアプリでもカスタマイズの効果を実感しています。

既存業務①:顧客管理アプリ(新・産業用DB案件アプリ)

古い顧客管理アプリに点在する不要項目(フィールド)を整理整頓し、現状に即した項目構成のアプリを新規作成しました。新アプリにはgusuku Customineで「タブ表示」や「同時編集ロック」などのカスタマイズを行いました。

一番効果を感じたのは「タブ表示」です。見直しをしたとはいえフィールド数は数百個存在しているため、基本機能のままでは目的の項目を探すのに苦労しますが、タブ表示によりまず目的の項目を見つけやすくなりました。次に旧アプリより細かく項目を設定しても使い勝手が良いので、より多くの情報をアプリに集約できるようになりました。

新・産業用DB案件アプリ:タブ表示

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション自動的に生成された説明

また「同時編集ロック」の効果も見逃せません。kintone では同一レコードを同時に編集した場合、先に保存したレコードが優先され、後から保存しようとするとエラーとなって保存できず、それまで作業した内容がすべて失われてしまいます。これを防ぐために入れたのが「同時編集ロック」のカスタマイズでした。

このアプリは同社のメイン事業で使用されているため、入力や閲覧を含めると40〜50人が利用します。必要なフィールドを整理したとはいえ、フィールド数は100を超えており、複数人が同時に同じレコードを開くことは日常茶飯事です。「同時編集ロック」のおかげで他の担当者がそのレコードを編集しているときには事前に検知することができ、保存時の事故を防止できるようになったのです。

新・産業用DB案件アプリ:同時編集ロック

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション自動的に生成された説明

これらのカスタマイズにより、担当者は図面や許認可情報などを現場から探しやすくなったと喜んでおり、資料の捜索時間は会社全体で大幅に削減されました。またアプリが使いやすくなったことで一層kintoneの利用が進み、顧客情報が隅々までアプリに登録されるようにもなりました。

既存業務②:契約書管理アプリ

ありとあらゆる契約書を1アプリに集めてデータベース化したのが契約書管理アプリです。契約には色々な種類があり、入力すべき項目は契約パターンで異なります。これら内容の異なる契約書をスムーズに登録するために、gusuku Customineで契約の種類に応じて入力項目を制御(表示・非表示など)するカスタマイズを行いました。また目的の契約書を見つけやすくするために検索窓もgusuku Customineで実装しました。

契約書管理アプリ:表示項目の制御

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契約書管理アプリの効果は絶大でした。gusuku Customineで入力項目を制御したことで登録作業に慣れていない方でも迷わず入力できるアプリになり、全ての契約書をアプリに一斉登録する作業をスムーズに乗り切れました。また同アプリは劇的に生産性を上げました。以前は紙の契約書を必要に応じてキャビネットから探していたので書類の捜索に膨大な時間が必要でしたが、今では検索窓で探せばすぐに見つかるようになったのです。この業務に関わる担当者は 40〜50人にもなるため、一人ひとりが書類を探す時間を累積すると相当な時間の削減効果があります。偶然コロナ禍で在宅勤務が増えましたが、自宅からも契約書を閲覧できるようになりました。

【新規事業向けアプリの構築と効果】            

新規事業の効率化にも大きく貢献

同社では 2020 年より新規事業としてスマート PV メーターの販売を始めました。

ドアのノブ中程度の精度で自動的に生成された説明
スマート PV メーター

この立ち上げにあたり代理店とのやり取りが多数発生することが予想されたため、kintone のゲストスペース機能を使い、代理店と情報共有を行うことに決めました。電話・メール・FAX なら追加のコミュニケーションコストはかかりません。一方、ゲストスペース機能を使用するには、ゲストのライセンスコストがかかります。同社ではゲスト分の料金を負担してでも kintone のゲストスペース機能を使用した方がコミュニケーションコストが大幅に減るため、トータルとしてのコスト削減になると判断し、導入を決断しました。

社外とアプリを共有できるゲストスペース

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新規事業用アプリ・カスタマイズのポイント

同ゲストスペースには、代理店から注文を受け付けるためのアプリを置き、商品の納期や配送先の指示などを行えるようにしました。一方、自社内には代理店からの注文を処理するための「社内用アプリ」が存在しており、自社用アプリと代理店用アプリの一部の情報が二重管理になってしまうことが懸念されました。

そこで、gusuku Customine を使ってゲストスペースにある代理店用アプリと社内スペースにある自社用アプリを同期するためのカスタマイズを行いました。これにより代理店が「注文」という形でkintoneアプリにレコードを登録するとステータスという形で注文処理が進行し、あるステータスになると自社用アプリに注文データがレコードとして自動登録されるようにしました。自社用のアプリを更新した場合も同様に、同じ注文に関する代理店用アプリが更新されます。

自社用アプリ:他アプリとの同期

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gusuku Customine画面(他アプリを更新するカスタマイズ)

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション自動的に生成された説明

新規事業用アプリ・カスタマイズの効果

アプリのおかげで新規事業「スマートPVメーター」の販売事業はうまく立ち上がりました。最初は代理店からメールで納品指示や変更依頼を受け付けていましたが、この商品はメーターごとに製品番号を入れたり送付先がバラバラだったりと、納品処理が複雑なので内容確認に時間がかかっていました。

アプリを作ってからは以前よりも連絡のスピード感が上がり、月間約100件の受注がスムーズに処理されるようになりました。事務スタッフにとっては追加の仕事でしたが残業もなく定時で帰れるのはアプリの効果です。

「もしも、2つのアプリを同期するカスタマイズができなかったら社内用に手入力で情報をコピーすることになるので、考えたくないほど業務がかさんでいたと思います。これはkintoneの基本機能ではできないことなのでgusuku Customineがあって良かったです。」と、カスタマイズ担当の渡邊氏は教えてくれました。

部屋に立っている男性中程度の精度で自動的に生成された説明
渡邊氏

この話には後日談があります。横浜環境デザインでは取引先に「コミュニケーションに kintoneを使いたい」と説明をするためにkintone についてプレゼンを行いました。その結果、取引先の代表が kintone に魅力を感じ、ゲストスペースの利用を承諾するだけでなく、kintoneの自社利用を決断したのです。

今後の展望:保証書をPDF出力する機能を実装したい     

同社ではスマート PV メーターの保証書を現在はExcelで作成し印刷していますが、件数が増えてくると大変な作業になります。gusuku Customine導入当初は実現できなかった機能ですが、2021年7月のアップデートにより「Excel・PDF出力機能」が登場したので、スマート PV メーターの顧客管理アプリから保証書をPDF出力できるようにして、この作業も効率化する予定です。

このインタビューから約2週間後、渡邊氏から「早速、保証書のPDF出力機能をgusuku Customineで実装した」と連絡をいただきました。カスタマイズ内容は、注文レコード画面から必要な契約書タイプをドロップダウンで選び、出力ボタンを押すと、保証書のダウンロードと添付フィールドへの自動貼付が行われるというものです。このカスタマイズに対し、渡邊氏は作業担当者から「便利ですごく助かります!」と喜びの声を受け取ったそうです。そしてgusuku Customineに対しても「実装いただき誠にありがとうございました」と温かいお言葉をくださいました。

最後に、赤井氏と渡邊氏からgusuku Customineを検討中の方にメッセージをいただいたので紹介します。

赤井氏

kintoneの基本機能を使っていると「本当はこれができたら良いのにな」と感じるシーンがあります。それを解決してくれるのがgusuku Customineです。「もう少しこうしたい」との想いがある方は試してみてください。

渡邊氏

私たちの部署にはシステム構築やプログラミングが分かるスタッフは1人もいませんでしたが、半年〜1年でアプリをカスタマイズして運用まで持っていくことができました。gusuku Customineは文章でやりたいことを指定できるので本当に分かりやすいです。気負いせずに使ってみてほしいです。

貴重なお話をありがとうございました。