株式会社ワイドループ様 事例紹介

ありがとうを贈り合う”39ポイントアプリ”で、感謝の気持ちが見える化されました

株式会社ワイドループ
リユース事業部 事業部長 川咲 亮司 様
営業 丹羽 雅彦 様

株式会社ワイドループ

中古の物流機器をWebサイトで販売する会社。物流倉庫で使われるネスティングラックやカゴ台車を数多く取り扱っている。関東・関西に5つの倉庫を構え、買取も販売も全国対応している。

基幹システムのリプレース検討時にアールスリーを認識

Q:kintone導入のきっかけを教えてください

川咲様

kintoneとの出会いは2019年でした。お試し利用の結果、商品の入出荷管理がたいへん便利になったので導入を決めました。ここから約2年間はkintoneのライトプランを利用し、標準機能のみでアプリを作成し業務改善を行ってきました。

Q:アールスリーとの出会いについて教えてください

川咲様

kintone導入から1年ほどした頃、弊社の基幹システムをkintoneで構築できないだろうかと考えました。そこでサイボウズの相談会に行き、システムの構想を伝えたところ「それならアールスリーさんですね」と紹介いただきました。これがアールスリーとの出会いです。

お金じゃなかった!報奨金システムが頓挫 

Q:「39ポイントアプリ」を作った経緯を教えてください

川咲様

「39ポイントアプリ」は基幹システムとは別軸のプロジェクトとして2021年に実施されました。事の起こりは、福利厚生の目的で作った報奨金制度が頓挫したことでした。この制度は売上目標を達成した部門(営業・物流センター)に報奨金を出すもので、役職ごとに決まった金額が支給される内容でした。

しかし、やってみると同制度は非難轟々で・・・アンケートの結果「同じ作業をしているのに役職別に報奨金額が違うのは釈然としない」「注文を取って目標数字を達成したのは営業なのに、センターに報奨金が出るのはおかしい」などの意見が寄せられました。「頑張った分だけお金になるのだから喜んでくれるだろう」と思って導入したのですが、社員が求めているのはお金ではないことが分かり、報奨金制度は2ヶ月で廃止されました。

その代案として登場したのが「39ポイントアプリ」でした。私が実は前々から温めていたアイデアで「日々の業務の中の『ありがとう』が見える化されて、その量を数字で把握できる」というものです。報奨金制度が頓挫してしまったので、いち早くこの案をスタートさせたくてアールスリーに開発の相談をしました。

川咲様

熱い想いを実現すべく一緒に考えてくれた

Q:「39ポイントアプリ」の仕様を決めた時のことを教えてください

川咲様

最初、やりたいことを全部盛り込んだ案をアールスリー営業の林さんに伝えたのですが、すべてを実装することは予算的に難しいことが分かりました。ところが、アールスリーは「無理」で終わりませんでした。私たちの要望を高い精度で理解してくれて、予算内で本質的な部分を実現できる代案を提案してくれたのです。具体的には、企画内容を細分化して取捨選択し、優先順位の低い案を削いで、削いで、今の「39ポイントアプリ」ができました。削いだものの一例には「入出荷アプリのコメント欄からポイントを贈る」がありました。「どの案件のどんな行動に対する感謝なのかを把握するため」のアイデアだったのですが、この案は別の方法で実現できました。仕様検討の結果、やりたいことの8割は達成できました。

川咲様の「39ポイントアプリ」構想イメージ

「感謝の内容」が可視化され「量」も測定できるアプリが完成

Q:「39ポイントアプリ」の詳細を教えてください 

川咲様

1ヶ月に贈れるポイントは1,000ポイントで、1ポイント1円です。ポイントは社名のワイドループにちなんでLP(ループポイント)と名付けました。ポイントの贈与は「39ポイントアプリ」からレコード登録で行います。どの案件への感謝なのかを可視化するために、登録時に「入出荷案件データ」「業務日報のログ」「買取案件」のデータをルックアップで取得して登録できるようにしました。

「日々どんな感謝がやり取りされているか」を一覧で確認できます

感謝の量はグラフで可視化しました。1番もらっている人や、1番あげている人が分かります。

ユニークすぎる「ポイントの使い方」でコミュニケーションを活性化

Q:ポイントの使い方について教えてください

川咲様

せっかくやるなら会話のネタになったら面白いと思い、ポイントで交換できる商品の選定は「管理職者に託す」ことにしました。例えば、独身男性のリーダーにお子さんがいる既婚女性の社員から3,000ポイント分の依頼がきたら、お母さんが喜ぶものを考えることになります。相手のことを知ることで普段のコミュニケーションの質は大きく高まるので、マネジメントの一貫として贈り物を考えてほしいという意図を込めました。ちなみに、私は「跳び箱の5段目」「ディアゴスティーニの3巻」のような、どこにもニーズが無い物を贈る予定です。ハイリスク・ノーリターンのネタでしかない私をあえて選んでくれて、「川咲さん、あれマジで要らないですわ〜!」と会話ができたら「39ポイント」は成功です。

いずれは、もらった人が託した人のレビューを書いて、もらったもののサプライズ性や安心感をレーダーチャートで表したいですね。「カブトムシの幼虫が贈られてきました。2年後に孵化するそうです。でも実はカナブンでした」とレビューが書かれ「サプライズ性はMAXだけど要らない度もMAX」みたいなチャートができます。これが叶えば「39ポイントアプリ」はさらに面白くなってくると思います。

「39ポイントアプリ」のお披露目資料

2ヶ月で258件の贈与が発生。感謝の気持ちが見える化された

Q:アプリの利用効果を教えてください

川咲様

「39ポイントアプリ」は17人が利用しているのですが、リリース初日で20件のポイントの贈与がありました。みんな積極的にポイントを贈っています。約2ヶ月で258件のレコードがたまっているのでいい調子です。代表や私は、これまで見ることのできなかった間接部門の方の頑張りが分かるようになったことが嬉しいです。普段、スポットライトが当たらない方々がランキングの上位にいると微笑ましいですよ!

丹羽様

ありがとうの量が数字でわかるようになり「ああ感謝されてるんやな!」と実感できるようになりました。いま、皆が「あげよう」に注目しているから、これまでは「やってくれて当たり前」のことが「やってくれた、助かった!」に変わりつつあります。これでモチベーションも上がりました。また「39ポイントアプリ」を見ることで、営業と倉庫など、違う部署の人が何をすれば喜んでくれるのかも分かるようになりました。アプリにナレッジが蓄積されていって、将来的に「39ポイントアプリ」を見て「こういうことをしてあげよう」みたいな動きにつながり、新人教育の一つとして機能する日が来ると感じています。

gusuku CustomineはまるでLEGO。楽しくてしょうがない!                

Q:今回はgusuku Customine(JavaScript不要でkintoneをカスタマイズできるクラウドサービス)ありの開発を依頼いただきましたが、その決め手や利用効果について教えてください 

川咲様

gusuku Customineは今回の開発に必要との説明を受けて、納得して決めました。これがあれば他の業務アプリでもやりたいことを実現できるようになることも決め手の一つでした。「39ポイントアプリ」の開発を通じてgusuku Customineはすごい!と思いました。例えばポイントの集計をするためのバッチ処理のところです。自分で処理をしなくても、朝になったら自動でポイントの集計が終わっています。私は以前JavaScriptを書いたことがあるので「ここまでノーコードで書けるのか、凄い時代だな!」と思いました。「もっとアプリをこうできたらいいな」と思いつつ、仕方がないなと諦めていたんですよ。こんなに凄いものを知らずに1年もkintoneを使っていたなんて。今では子供に与えられたLEGO状態です。例えばgusuku Customineで入出荷を管理するアプリにエラーチェック機能を加えたり、不要な情報を非表示にしたところ、現場の方から「ヒューマンエラーが無くなった」と言われるようになりました。実際、人的ミスは1/5ほどに減っています。

アールスリー開発者 和田より

「39ポイントアプリ」では「もらったポイントの集計は1日1回」「あげたポイントの減算処理は即時」で走るようになっています。バッチ処理をするタイミングにはノウハウがあります。今回は、減らす方が即時反映で、もらう方は1日に1回の反映がいい塩梅と判断し、gusuku Customineで実装しました。

取材にオンラインで参加したアールスリー開発者の和田

丹羽様

gusuku Customineを有効に使うにはkintone研修「クラウドユニバーシティ」を受けたほうが良いということで、どりぃさん(アールスリー所属の講師)の講座を受けました。私はプログラムを書いたことはありませんが、今ではgusuku Customineで「こうしたい」を実現できるようになりました。gusuku Customineはシンプルなデザインのおかげか、何をどうすればよいか直感的に分かるのです。色んなことができるから楽しくてしょうがないです!

丹羽様

アールスリー営業 林より

gusuku Customineは、画面左側のやること(プログラムしたいこと)を選んだら、よくセットで実施されている事が画面右側にリコメンドされます。そのため流れるようにプログラムを設定できます。

アールスリー営業の林

アールスリーは本当に良いと思ったものしか作らない                     

Q:アールスリーとの開発の感想を教えてください

丹羽様

7月に想いを伝えてから提案がなされるまでの期間は1週間以下と早かったです。開発も同様です。8/1にkintoneのスタンダードプランとgusuku Customineが入り、8月1週目にはアールスリー開発の和田さんから試作アプリが届きました。それが「もう、これです!」という完成状態のもので、変更したのは、P(ポイント)の表記をLP(ループポイント)にするぐらいでした。

川咲様

アールスリー開発の和田さんは、エンジニアとしての技術力が凄いですし、キャラクターとしてはとても話しやすいです。kintoneスペース(社外とやりとりするための機能)上でもフランクに会話していて、言いにくさがありません。本当に感謝しかないですし、和田さんで良かったです。3,000LPを贈ります。

これはアールスリー全体にも言えます。感覚的ですが一般的なベンダーの営業さんは、要望に対して「できます!」と言って、持ち帰ってから「すいません、これはちょっと!」となりがちです。対するアールスリーは、その場で「できる・できない」とはっきり言います。いい意味で対等な立場でコミュニケーションできることが心地良いんですよ。別件の基幹システムの案件でのことですが、私たちはもうお願いする気で「予算をとってきました!」と相談したら、開発内容を聞いた営業の林さんは「kintoneにも不得意なところがあるから、他のツールが良いかもしれない」とおっしゃいました。「えー!!!頼もうとしてるのに、断られるんや」と。この時「アールスリーは本当に良いと思ったものしか作らないんだな」と確信しました。普通の営業ではあり得ない、そういうスタンスが好きですね。

丹羽様

私は「一緒にいいものを作っていきましょう!」というスタンスで来てくれたのがすごく嬉しかったです。ガンガン意見を言ってくれるし、できないことはできないと言ってくれる。お願いする側として非常にやりやすくて、一緒に作ることが楽しかったです。

良いものを作ることをゴールととらえ、一緒にやっていけるパートナー

Q:最後に、アールスリーの開発を検討されている方にメッセージをお願いします

川咲様

アールスリーは「言ったとおりに作ってほしい」というスタンスの会社には向いていないと思います。一方で「良いものを作ることをゴールととらえて一緒にやっていく」ならベストパートナーですね。

ワイドループの八尾倉庫にて。左からアールスリー林、ワイドループ川咲様・丹羽様

貴重なお話をありがとうございました。

取材 2021年11月