高島株式会社様 事例紹介

営業が開発を進めて良いものを作るには、意見を言ってくれるベンダーが良い。これにはアールスリーが最適でした。

高島株式会社
建築・断熱ソリューションユニット チーフ 平松 健 様
建築・断熱ソリューションユニット 営業事務 渡部 彩乃 様
システムユニット マネージャー 岡島 敦海 様
システムユニット 小林 雄大 様

高島株式会社様は省エネ・省力化・軽量化に関する事業を展開している商社で、太陽光発電やビルの建築材料などの商材を扱っています。この度、3社間(得意先様・高島様・加工先企業様)で利用する「住宅用断熱パネルの受発注」システムを、サイボウズ社のkintoneとアールスリーの開発により構築されました。開発に携わったシステム部門と営業部門の皆様に、開発会社の選定理由やkintoneの導入効果についてうかがいました。

「3社間で行われる受発注業務」をkintoneで効率化したい

Q:kintoneの現在のご利用状況を教えてください

システム部門マネージャー 岡島様

kintoneは2016年に導入しました。現在はグループ全体で利用しており、工事管理・ワークフロー・日報・各種マスタ管理など様々な用途で利用しています。

Q:今回の開発を行った目的を教えてください

営業部門チーフ 平松様

今回の開発の目的は、取引量が増えてきた「住宅用断熱パネルの受発注業務」を効率化することでした。同業務は「得意先様・当社・加工先企業様」の3社間で行われるもので、当社は2社の間に入り、受発注のスピーディーで効率的な各種調整と円滑な運営を行う役割です。以前はExcelの注文書をメールでやり取りしていましたが、メールだとどうしても「得意先様から届いた受注内容を加工先企業様向けの発注内容に書き換える」などの手作業が発生するので、時間はかかりますし、ミスも起こりがちでした。また、以前はこの業務を2名で行っていましたが1名に減ったため、業務を効率化する必要もありました。「お客様と一緒に使うタイプのシステム」を作るのは会社として初めてのことでしたので、今回の開発は経営企画・システムユニット・営業部の3部門の合同でプロジェクトを行いました。

Q:今回の案件でkintoneを選んだ経緯を教えてください

システム部門 小林様

受発注システムにはパッケージ化された商品が色々あります。3〜4社の商品を検討したのですが「得意先様と加工先企業様の間に当社が立って、システムの提供と管理を行う」という特殊な案件だったので、その用途に耐えられる商品がありませんでした。そこでカスタマイズが可能で安価なkintoneで進める流れになりました。また、本件は業務効率化のベクトルが高かったので、kintoneによる業務効率化が得意なベンダーを選定することになりました。

営業部門が主体の開発だから「意見を言ってくれるベンダー」が良かった

Q:開発会社にアールスリーを選んだ経緯を教えてください

システム部門 マネージャー 岡島様

今回は最終的には2社のベンダーから提案をいただいたのですが、「意見を言ってくれること」が決め手となってアールスリーに依頼しました。本件は「営業部門が自らシステムを活用し、色々なビジネスを効率的に進めていく」という方針を実現するための第一弾の案件でしたので、システム部門はなるべく介入せず、営業部門主体で開発を進めることになっていました。そのため「言われた通りに作るベンダー」だと、システム部門がフォローしなければ使い物になるシステムができるか心配です。営業部門と一緒に開発を進めて良いものができそうな会社となると、意見を言ってもらえる会社の方が良い。金額的にはもう1社さんの方が安かったのですが「言われた通りに作ります」という内容でしたので、高くても提案してもらいながら一緒に作っていけるアールスリーに決めました。

システム部門 マネージャー 岡島様

システム部門 小林様

今回は3社間でのやり取りになるので、得意先様と加工先企業様で開示できる情報が異なるため、開示範囲をしっかり制御する必要があります。この情報統制には、私はkintoneのゲストスペース(外部と情報を共有できるkintoneの機能)を利用すれば良いと考えていましたが、今回の用途ではうまく機能しないことがアールスリーとの対話で分かりました。そして、この情報統制をするためには、本システム用にkintoneドメインを新規で取得すると良いことや、得意先様と加工先企業様が使うアプリを分けることなどを含む、システムの全体設計を提案いただきました。私たちの知見だけではどうしても視野が狭くなってしまうので、この提案は非常に助かりました。

「3社間取引におけるセキュリティに留意したアプリ構成」の提案

余談ですが、この対話でアールスリー営業の林さんに「本件は、考えておられるほど簡単には3社間の情報統制ができません」と断言され、その語り口の強さに内心「怖い」と感じました。このことで営業の平松とうまく開発を進められるだろうかと心配になり、以前アールスリーとの開発経験のある岡島に相談しました。すると、林さんは開発の成功に必要なことをズバッと言う方であることや、意見を言ってもらえる方が仕事がやりやすいこと、最初の段階できちんと提案してくれるから後が楽になることなどを聞きました。これで依頼を決意できました。

アールスリー営業 林より

権限周りの設計はkintoneのことを熟知していないと難しいものです。後から不備に気づくと作りかえになってしまうため、全体設計の段階で権限について考えておく必要があります。アールスリーは、プロジェクト成功のために必要なことを誠心誠意お伝えします。

Q:今回はgusuku Customine(JavaScript不要でkintoneをカスタマイズできるクラウドサービス)ありの開発を依頼いただきましたが、その決め手を教えてください

システム部門 小林様

gusuku Customineを入れたほうが開発のトータル工数が抑えられることと、当社でもkintoneアプリを自社開発しているのでどの程度できるツールなのかを確かめたい気持ちからgusuku Customineありの開発に決めました。

情報統制のしっかりできる「3社間受発注システム」が完成

Q:今回開発したkintoneアプリについて教えてください 

システム部門 マネージャー 岡島様

今回のシステムは、セキュリティを考慮して、社内用のkintoneドメインとは別に、社外取引用のkintoneドメインを新規取得して構築しました。社外用のkintoneドメインでは主に2つのアプリが連動して動いていますが、それを使用する得意先様と加工先企業様は、お互いのアプリの内容を閲覧できない仕組みになっています。

営業部門 チーフ 平松様

開発したアプリでは3社間の受発注ができます。得意先様が得意先様向けアプリに注文内容をレコード登録したら、当社が入金のタイミングなどの情報を加え、加工先企業様向けアプリに発注レコードを登録します。その後、加工先企業様はアプリで納品処理を行います。両アプリは注文内容の変更も可能です。

得意先様向けのアプリ
加工先企業様向けのアプリ

受発注にかかる時間が1/3まで激減し、ミスも解消

Q:kintoneアプリの利用効果を教えてください

営業事務 渡部様

受発注業務は月に数百件ほど処理しています。以前は注文書の内容をもとにExcelで発注書を作成していたので、この作業に1案件数十分ほど必要でした。月では約38時間はこの処理をしており残業も必要でした。注文内容の変更もあるのでメールの量も膨大でした。kintoneアプリになってからは、「得意先様が登録した注文レコード」と「加工先企業様に送る発注レコード」は連動しているので情報を転記する手間がほとんど無くなりました。処理時間の短縮が可能になり、受発注にかかる時間は1/3にまで減りました。

営業事務 渡部様

営業部門 チーフ 平松様

以前は、得意先様からの受注内容を加工先企業様向けの発注書に転記する時の誤記入が重大なミスに繋がる可能性がありました。kintoneでは自動で転記が行われ、転記した情報は変更できないようにしているので、同様のミスは起こりません。また、以前は私が受発注業務を手伝う必要もありましたが、今は不要になり時間も節約できました。

「良い案を選ぶ進め方」で営業主体の開発がテンポよく進行

Q:アールスリーとの開発の感想を教えてください

システム部門 小林様

開発工数をなるべく抑えて安価に仕上げたいという目的があったので「まずは標準機能でどこまでできるか?」という観点でアイデアを出していただけたことは非常に助かりました。また営業の平松とのやり取りでは「平松から希望を伝える→やり方をいくつか提案いただく→平松がどれかに決める」をテンポよく繰りかえす感じで対話が進みました。おかげで悩む時間が必要なく、次回持ち越しになる議題はありませんでした。ユーザーに全てを委ねてしまうベンダーさんも多いので、この意味ではやりやすかったです。しかも翌週には決定事項がアプリに反映されていて、ステップアップしていける良い会議体でした。

システム部門 小林様

営業部門 チーフ 平松様

私は開発が初めてのことなのでkintoneで「何ができて、何が難しいのか」分かりませんでしたが、アールスリーは要望に対してアイデアをいくつも提案してくれるので、その中から良いものを選べば良いことは非常に助かりました。このやり取りを通じて、私たちの業務内容のことを深く理解して提案をしてくださっていることを感じましたし、「何が正解かも分からないから外れすぎた発言をしてはいけない」という緊張がほどけ、だんだん相談をしやすくなっていきました。頼もしかったですね。またウェブだけで開発が進むことには驚きましたし、営業とは異なる「創り上げる仕事」を間近で体験できたことも刺激的でした。

営業部門 チーフ 平松様

アールスリー開発者より

開発責任者 浅賀: アールスリーは解決策の提示が得意

私たちは、要望をそのまま実現すると大規模な改編が必要になる場合には、もとの目的をお伺いし、必要最小限の開発手法で目的を達成していただけるようにご提案しています

開発者 鈴木: Job Runnerで開発工数を大幅に削減

Job Runnerはgusuku Customineの新機能です。今回は、得意先様用と加工先企業様用の2アプリ間のステータスを連動させるためにJob Runnerを利用しました。通常は、2アプリ間のステータス連動には別途サーバーを用意してその上で連携用のプログラムを動かす必要がありますが、Job Runnerでは画面の設定だけでステータスを連動させる仕組みを作れます。おかげで圧倒的に開発工数を削減できました。

開発者 山田:権限周りの設定ではgusuku Customineが大活躍

私はアプリの権限周りの設定(役割によって編集できる・できないなどの設定)を担当しました。権限設定をJavaScriptで行うと一つの権限を設定するのも大変ですが、gusuku Customineなら複雑な権限設定がノーコードでできるので短時間で正確に設定を終えることができました。

左からアールスリー浅賀・山田・鈴木

この件を成功事例として横展開し、全社でIT活用を広げたい

Q:今後の展望を教えてください

システム部門 マネージャー 岡島様

本件は当社としてのIT活用の第一歩になりました。今回と同様の形で他の社外向けの案件を進めれば良いものができるので、これを成功事例として横展開し、IT活用を拡大していきます。

アールスリーなら現場にkintone開発を一任できる

Q:最後に、アールスリーの開発を検討されている方にメッセージをお願いします

システム部門 マネージャー 岡島様

アールスリーは現場とkintoneアプリの開発をうまく進めてくれるので、情報システム部門の手が空きます。言ったとおりにしか作れない会社には「言わないといけない」ので、どうしてもシステムの専門知識がないと、言いたいことを伝えられません。一方アールスリーは現場とのやり取りで仕様を最適な形に導いてくれるありがたい存在です。これは情報システム部門としては大きなメリットです。

営業部門 チーフ 平松様

アールスリーは何を聞いても、良い悪いを含めて答えてくださいます。自分で判断がつかないからこそファジーな質問になってしまう時も、しっかり整理をして答えてくださいました。初めての開発経験でしたが、頼もしい存在でした。

高島株式会社様のオフィスにて

貴重なお話をありがとうございました。

取材2021年10月