大阪府「感染防止宣言ステッカー作成システム」の開発事例

感染防止宣言ステッカー発行システムをわずか10日で開発できました

大阪府
危機管理室災害対策課 危機管理・国民保護グループ 副主査 馬場 祐二 様

危機管理室災害対策課では、「サイボウズ社のkintoneを用いて感染防止宣言ステッカーを発行するシステム」の構築をアールスリーに依頼されました。今回は同システムご担当の馬場様に開発の様子についてうかがいました。

 

大阪府の「感染防止宣言ステッカー」について

Q:まずは「感染防止宣言ステッカー」の概要を教えてください

「感染防止宣言ステッカー」は、新型コロナウイルス感染症の次の波に備え、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を図るために企画されました。各業界団体が作成した「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を府内事業者の皆さまに遵守していただくことで感染防止対策を図るとともに、ステッカーを通じて府民に示し、安心して施設を利用してもらうための試みです。このシステムでガイドライン遵守宣言や事業所情報等を登録いただくと「感染防止宣言ステッカー」をPDFファイルでダウンロードできます。 

 

大阪府のホームページに掲載されているステッカーの発行ガイド
感染防止宣言ステッカー申請フォーム(kintoneを用いて構築)

入力した情報がステッカーのデザインに反映される

レスポンスの早さと親身な対応が決め手

Q:ステッカー作成システムにkintoneを採用し、その開発を外部に依頼することになった経緯を教えてください

危機管理室馬場さま)

大阪府が「感染防止宣言ステッカー」を作るにあたり、スピーディーに構築する必要があったことから、他府県の先行事例を参考にしました。どちらもkintoneを用いていたので、大阪府でも同じ方法で進めたら良いと考えました。そこで大阪府内で既にkintoneを利用していたスマートシティ戦略部にシステム開発の進め方について相談しました。

 

スマートシティ戦略部の林様)

ステッカー企画は、事業者による感染拡大防止を図る取組みとして、早期に導入する必要があったことから、直近に政策企画部の案件で開発実績のあるアールスリーに頼めば何とかなるかもしれないと伝えました。

スマートシティ戦略部の林様。大阪府のkintone導入担当者

Q:開発会社にアールスリーを選んだ理由を教えてください

開発の委託先をアールスリーに決めた理由は2つあります。1つ目は納期に間に合わせてもらえることでした。6月中旬に相談したにも関わらず6月末までに完成いただけるとのことでした。

2つ目は、親身さ、レスポンスの早さ、信頼感です。アールスリー営業の林さんがとても親身に話を聞いてくれたうえで、東京や神奈川の先行事例をすぐさま調べて「大阪府の場合はどうしたらよいか?」を即日でご提案くださいました。本当にレスポンスが早かったですね。どうすれば確実に6月末までにリリースできるかを考えて提案してくださったことが伝わりましたし、しっかりコミュニケーションがとれる方なので、システム構築にあたり信頼できると思いました。

また、自分たちはシステム開発の外部委託の経験もIT知識もほぼないため、どういった依頼の仕方をすれば良いかも分かりませんでした。そういった中でもテキパキとガイドして頂けましたし、我々の思いも汲み取って頂けたので、非常にスムーズにスタートを切ることもできたと思います。

感染防止宣言ステッカーの登録フォームについて語る、危機管理室災害対策課の馬場様

 

アールスリー営業林より

今回の案件は締め切りまで約10日と時間が無かったので、お問合せ後すぐに感染防止ステッカーの東京モデル・神奈川モデルを調べ、仕様を決めにかかりました。両事例はkintoneとフォームブリッジ&プリントクリエイターを利用していることは同じでしたが、事業者さんがマイページを持てる・持てないなど、色々な点で仕様が異なりました。これらを資料に整理し、大阪府の場合はどのような仕様で進めるかをご相談しました。

テスト用のシステムが2日で提出され、わずか10日で感染防止ステッカーが完成

Q:開発の流れについて教えてください

システムのたたき台は、デザインをお渡ししてから1〜2日で提出され、そのスピードには驚きました。おかげで確認作業では、できるだけ府民の立場や気持ちになって登録から出力までを行い、使い勝手や見た目の微調整を考える時間がありました。開発担当の和田さんには、要望や課題だけを伝えると、すぐに幾つか解決法の提案をしてくださり、その中から決めることができたので大変スムーズでした。

また、今回の案件は問合せから納品までオンラインでの進行で、Web会議すらほとんどせずに済んだ感覚ですね。

アールスリーは、要望を素早く形にしてくれる会社

Q:最後に、同様のことを検討されている方にむけてメッセージをお願いします

構築後、多くのご利用をいただいており、反響の大きさがうかがえます。感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図るためには、工夫を凝らした様々な取組みが必要です。どの立場であっても新型コロナウイルスは感染する可能性がある中、インターネットを介して地域の事業者さんとやり取りをできることは、接触機会による感染リスクをなくしたうえで施策や取組みを実施できるため、とても意義がありました。アールスリーのようにスピード感を持ちつつ、リードしてくれるような開発会社・事業者への委託も一考の価値が大いにあると思います。

右)大阪府馬場さま。左)アールスリー林。感染防止宣言ステッカーは、7月中は500〜1,000件/日ほど発行されたという

貴重なお話しをありがとうございました。

取材2020年7月