社会保険労務士法人協心様 事例紹介

アールスリーとの議論のおかげで構想を超えたkintoneアプリができました

課長 寺西 由美子 様
係長 中村 秋子 様
松村 直樹 様

協心様はExcelやAccessに散在していた“顧客情報の一元化(データベース化)”と、請求・郵便の送受信・提案などの“業務アプリ”をkintoneとアールスリーの開発で構築されました。顧客データベースを軸にすることによって、郵送や請求書発行に正確な顧客情報を引用できるようになり、業務効率が飛躍的に上がりました。今回は、開発に携わった寺西様、中村様、松村様にkintone導入の経緯、アールスリーを選んだ理由、kintoneの導入効果について伺いました。

社会保険労務士法人協心        

社会保険労務士法人協心様は、労働保険や社会保険の手続き・給与計算・人事労務相談・就業規則作成などを手掛ける法人です。大阪・東京・兵庫・福岡に拠点があり、スタッフ42名(2020年2月取材時)でkintoneを利用されています。

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協心様のkintoneご利用状況

同社のkintoneは社内作成のものとアールスリーとの開発で構築したものがあります。社内作成のものの多くはkintoneの基本機能やプラグインで作られており、「社内ポータル」「スケジュール管理」、目的ごとの会話の場である「スペース」など、社内コミュニケーションに利用されています。

一方、アールスリーとの開発のものは顧客情報のデータベース、業務用マスタデータを用いて動く複数の「社労士法人の業務に特化した業務アプリ」で、kintone開発の専門知識とアールスリーのツール「gusuku Customine」を用いて構築されています。

昔ながらのやり方を脱し、顧客情報を一元化して会社の土台を作りたい

Q:「kintone」でシステム構築をされた経緯を教えてください

寺西様

これまで顧客データベースの管理は、Accessを利用していました。請求書発行・郵便の受発信・提案書の作成などの顧問先応対業務は、10個以上の「関数やマクロを組んだExcelファイル」を駆使して行っていました。使用する中でマクロを組んだExcelは重く、同時編集ができないなど、法人の規模が大きくなるにつれて使い勝手が悪い点も出てきていました。顧問先が増えるたびにいくつものファイルに新規登録が必要なのも手間ですし、正しいデータが反映されていないファイルも存在するといった問題もありました。特に大変なのは、複雑化したAccessやExcelの使い方を新人に教えることでした。多くのスタッフが情報やツールが分散している今の顧客管理方法に不安を感じていました。

「昔のやり方を脱し、顧客情報を一元化して会社の土台を作りたい。」そんな思いで自社に合ったCRM(顧客管理システム)の機能を持つツールの選定を始めました。

(左)4支店の営業数字は4支店共有のフォルダにあるExcelに、担当者が顧客名を手動で入力し、営業数字の報告を行っていた
(右)請求書は経理が一括で担当しており、担当者が報告する内容を別のExcelからコピペしたり、スポットの案件では作業待ちが発生していた

kintoneは構想をそのまま形にできる

Q:kintone とアールスリーの開発を選んだ経緯を教えてください

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まず顧客管理ソフトをネット検索で探し、有名ソフトを一通り検討しました。しかし当法人の業務にぴったり当てはまるものが見つかりませんでした。そんな中、kintoneを見つけました。「構想がそのまま思い通りの形になり、開発が終わった後も自社で手直しできること」「クラウド」「セキュリティ的に安心」「使い方が簡単」な点が気に入りました。

次にkintoneに詳しいデベロッパーをネットで探し、「kintoneのイベント紹介ページ」で西日本代表のイベント登壇者として紹介されていたアールスリーにお声がけすることにしました。アールスリーは、エンジニアの層が厚いこと、お客様事例を読み「この会社は実績が豊富で信頼できる」と感じたこと、kintoneの認定トレーナーがおりアフターフォローも万全と思えたこと、アールスリーの営業がベテランで多数のkintone開発経験を踏まえた説明を受け開発を任せることに不安を感じなかったこと。これらの理由で迷いなく依頼を決めました。

プログラミング不要のkintone改造ツール「gusuku Customine」

Q:今回の開発にあたりプログラミング不要でkintoneをカスタマイズできるアールスリーのツール「gusuku Customine」を利用されましたが、その決め手を教えてください

通常kintoneはJavaScriptでカスタマイズを行いますが、同ツールを使って開発をすることで「途中のちょっとした仕様変更」にある程度対応してもらえますし、開発コストを大幅に抑えることができます。開発終了後もkintoneのオリジナル機能で不可能なカスタマイズを自由に行えます。月額使用料がかかりますが、システム会社に一からシステムを頼むのに比べてはるかに安価です。また使用料は、改善コストと考えられます。上層部は「gusuku Customine」を費用対効果の高い投資であると判断してくださり、開発の承認はスムーズにおりました。 

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今回の開発は「gusuku Customine」を用いてアールスリーのエンジニアがシステム構築するスタイルだった

「顧客データベース」と「サービスマスタデータ」を軸にした業務アプリを開発

Q:開発した業務アプリをそれぞれ教えてください

○ 協心様のkintoneポータル画面

ポータルはkintoneのトップ画面で、すべてのアプリ・新着情報・スペースなどが集約されています。

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協心様のkintoneポータル画面

○ 顧客管理用のコミュニケーションスペース

顧客管理に関する情報交換をするためのコミュニケーションスペース(スレッド)です。このスペースの上部には担当者が登録した受注情報を、年間契約・スポット契約・見込み案件数字など把握したい項目ごとに自動集計して表示させています。スペースの参加者同士は、チャット形式で意見交換もできます。

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顧客管理用のコミュニケーションスペース

○ 取引先情報の登録アプリ

顧問先の情報を登録するアプリです。社会保険労務士法人の日々の業務に特化して作ったので所在地と送付先の異なる「書類発送先」の登録、委託業務内容を一覧で確認など、かゆいところに手が届く仕様になっています。顧客情報はkintoneに「取引先データベース」として保管され、他の「業務アプリ」とも連携して利用されます。

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取引先情報の登録アプリ

○ 顧客の応対記録を登録するアプリ

顧問先への応対記録を残すアプリです。誰がいつどのように対応したのかを、全社で共有できるようになりました。支店ごとに一覧で見れたり、顧客別に時系列で確認できます。

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顧問先への応対記録を残すアプリ

○ 案件の情報を登録するアプリ

アプリに登録された数字は、kintoneの「集計機能」を用いて指定の形式で集計・分析できます。進捗状況や、見込み別の売上予測などが素早く確認できるようになりました。

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寺西様

案件情報アプリのコメント欄に「A社様の契約が決まりました」と書き込むと新規契約があったことが瞬時にスタッフ全員に伝わります。以前は月1回の会議で得ていた情報がリアルタイム共有になりました。集まってミーティングしなくていいので話が早いですし、応対記録を残しているので引き継ぎも簡単になりました。今では全員が営業マンのような感覚で働いています。以前は担当者だけが顧客情報を把握しており、退職によって古い情報が分からなくなっていたことを考えると、今は顧問先の情報が会社の財産になりつつあるのを感じます。今後法人の規模が拡大しても大丈夫という安心感を持てました。

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○ 提案書の作成アプリ

案件アプリと連動し、顧問先への「提案書」を作成するアプリです。検索で提案したいサービスを探し、「サービス分類マスタ」から定形表現を挿入する仕組みです。入力内容をもとに「注文書あり・なし」の2パターンで提案書を自動生成できます。以前はExcelに「自分で考えた表現」で入力するので作成者で質がバラバラでしたが、kintoneでは統一した項目名と参考料金がデフォルト挿入されるので誰が作っても同じレベルの資料を作れるようになりました。

中村様

完成度の高い見積作成は3年以上の経験が必要でしたが、今は新人が自信を持って作ることができます。この効果にとても驚いています。提案書アプリに使われているサービス分類マスタデータは、寺西課長がアールスリーの和田さんに作成方法を教わりながら、残業もありつつ作ってくださいました。本当にありがとうございます!

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「提案書の作成アプリの効果に驚きと喜びを感じた」と経理担当の中村様

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協心様にインタビューをするアールスリーの林と和田。提案書作成アプリは開発の途中にも新たなアイデアを思いつき、協心様とアールスリーとの議論を重ねて形になった。開発途中からの追加要望もあったがカスタマインを用いてアールスリーが構築する手法だったので予算内で柔軟に対応できた

○ 請求管理アプリ

請求予定管理、請求書の作成から入金管理ができるアプリです。請求項目が「サービス分類マスタ」から挿入されるので誰が作っても同じレベルの請求書を作れます。請求書の送付先は「顧客データベース」に登録されている発送先が自動で挿入されるので「どこに送るのか?」と調べたり、誤送を防ぐための確認の手間が不要になりました。神経も時間も使っていた業務がとてもラクになりました。

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請求管理アプリ

○ 郵便の受発信アプリ

顧問先に送付する書類をまとめ、送受信の記録を残すアプリです。社会保険労務士法人には、手続書類を送ったり、健康保険証を返却頂くなどの「書類の受発信業務」が大量にあります。送付物は何種類かをセットにして送るなど送付ルールが複雑です。この業務でも「送付書類のマスタデータ」から該当書類を選択するだけで「送付する書類セット」を作成できるようになりました。

中村様

郵便業務を新人が覚える平均時間が1ヶ月から半月以下になりました。マクロを組んだExcelは重く開閉に5〜10分もかかっており、作業開始まで時間がかかりましたし、顧問先から「いつ郵便を送りましたか?」と電話が入っても即答できませんでした。今ではkintoneをサクッと検索して即答できます。「まさかこんな便利な時代が来るとは!」と感じました。

社内マニュアル作成・支店での説明会を通じてkintoneが社内に浸透

Q:kintoneの導入にあたり社内抵抗はありませんでしたか?

寺西様

支店でkintoneの説明会を開催したり、細やかなマニュアルを整備するなどkintoneが継続運用されるようにスタッフのフォローには力を入れています。マニュアルのおかげで新人さんへの教育コストは少ないです。「社内浸透は大変」と聞いていたので最初は不安でしたが、これまでのExcel主体の方法と比べてkintoneの業務改善効果が非常に高く、前向きな反応が多かったことは幸いでした。

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164枚に及ぶマニュアルの作成は松村様が担当されました。アプリの目的・アプリ用語の解説・アプリの使い方・顧客IDの扱い方などの注意点がわかりやすい言葉でまとめられている素晴らしいマニュアルです

構想を形にできるkintoneデベロッパー

Q:最後にアールスリーの開発に対する感想を教えてください

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松村様

開発にあたりkintoneについてアールスリーの和田さんにいくつも質問したのですが、いつもレスポンス早く、分かりやすく教えてくれました。おかげで素早くシステムが完成したと思います。

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中村様

業務アプリの構想がkintoneとアールスリーの開発により形になったのは本当に凄いことです。アールスリーの林さんと寺西課長との開発議論の白熱ぶりには圧倒されました。おかげでExcelやAccessの使いにくさが無くなり経理担当として「長年の夢が叶った!」と感じることができるシステムになりました。

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寺西様

アールスリーの林さんは構築段階から第三者の立場でズバッと意見をくれましたし、常に前向きな議論ができました。この議論のおかげで今のアプリの形に至ったと思います。またスタート時は無かった構想も、開発を通じてアイデアが湧いて沢山の要望を追加しました。こうした要望の数々をアールスリーの和田さんはカスタマインを用いて形にしてくださいました。アールスリーは構想を想像以上の内容で形にできるkintoneデベロッパーですね。

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(左)アールスリー和田・林(中央)寺西様、中村様、松村様

貴重なお話しをありがとうございました。

取材2020年2月