株式会社かんでんCSフォーラム様 事例紹介

わずか5日で完成した“クラウド型 営業管理ツール”は、営業効率を上げただけでなく、施策立案にも役立つ優れものでした

株式会社かんでんCSフォーラム
営業部 第2営業グループ
マネジャー 西川 雅裕 様
マネジャー 清水 隆之 様

株式会社かんでんCSフォーラムは、クライアントから提供される顧客リストに基づくフィールド営業を行うにあたりサイボウズ社のkintoneでクラウド型の営業管理システムを構築しました。今回はkintoneを採用した理由、フィールド営業における活用法とメリット、アールスリーとの仕事に対する感想をうかがいました。

株式会社かんでんCSフォーラム関西電力やケイ・オプティコム(eo光)のコールセンター業務を主力事業とする会社。コールスタッフは約1,500人。

大規模なフィールド営業のためにkintoneのような「クラウド型の営業管理ツール」が必要

Q:御社はコールセンター業務が主力事業ということで、既に顧客管理システムや営業管理システムをお持ちだったと思います。新しいシステムを必要とした理由を教えてください

「当社初の大規模なフィールド営業を受注し、外出先でも使えるクラウド型の営業管理システムが必要でした。」と西川氏

2018年6月ごろ「顧客リストに基づくフィールド営業」の依頼を受けましたが、動ける人数と営業日数に対し、対象顧客が4倍近くもあったので業務の効率化が重要でした。

フィールド営業の内容

  • 対象顧客に対する訪問提案活動
  • 少人数で大規模な顧客データにあたる
  • フィールド訪問活動および電話営業

しかし、当社が「訪問をともなう大規模な営業」を受注するのは初めてだったので、「社外でも使える営業管理システム」がありませんでした。最初はExcelによる営業管理を考えたのですが問題が多く、すぐに断念。専用の営業管理システムの検討をはじめました。

「Excel+書類」でフィールド営業の営業管理を行う問題点

  • 対象顧客数が多いためExcelで扱うのが困難
  • 複数のパソコンにファイルが分散されるのでミスが起こりやすい
  • 活動報告が帰社後になるので進捗把握が遅れ残業も増える
  • 書類で顧客情報を持ち歩くのはセキュリティ的に危険
  • 入力作業等に時間がかかるため業務効率が非常に悪い

Q:なぜ営業管理システムにkintoneを採用し、アールスリーに開発を依頼されたのですか?

今回の業務ではモバイルデバイスを営業マンに持たせ、顧客情報に社外からアクセスする方式が希望でした。この要望に対し、当社の情報システム室にkintoneを推薦されました。kintoneなら改良が容易なので業務を進めながらでも必要な機能を追加できそうなことから採用を決めました。何と、ここまで決まった時点で営業開始までの準備期間が10日ほどしか残されていませんでした。情報システム室にはkintoneの開発ができるリソースがなかったので、短期間でkintoneの開発ができる会社としてアールスリーを紹介してもらいました。

5日で完璧なkintoneを使ったシステムが完成。予定通りに営業がスタート

Q:アールスリーとの開発の様子を教えてください

業務開始まで1週間しかない中での発注でした。6月11日にアールスリーを訪問し初回打合せを行いました。要望を伝えると、アールスリーの担当者はホワイトボードに「kintoneの完成予想画面」を即座に書き表し、その場で仕様が固まりました。営業効率を良くするための機能も提案いただき、考えていたよりも優れたものになりそうに感じました。

テスト版を確認できたのは2日後でした。その出来栄えはほぼ完璧で修正点はありませんでした。この時、真夏の暑い中での営業だったので外出先で少しでも画面操作が楽になればと思い「住所をタップするとグーグルマップが立ち上がる機能」を要望すると、それもすぐに追加してもらえました。

その後、ターゲットリストの取込みまで実施していただき、依頼主から無事kintoneの使用許可ももらえ、お陰様でスケジュール通りにフィールド営業を開始できました。費用面は、特急の仕事にも関わらずとても安かったです。おそらく、同等のシステムを大手開発会社で作ると1,000万円程度かかるかもしれません。それが約10分の1以下で作れました。未経験のツールで緊急かつ大規模な業務を行うことはある意味賭けでしたが、蓋を開けてみると短時間で良いツールが完成し、とても満足しています。

「kintone ✕ モバイルデバイス」でフィールド営業とマネジメントの両方を効率化

Q:kintoneによる営業管理システムの概要とその効果を教えてください

マネジャーと電話オペレーターは社内でkintoneを利用しました。端末はパソコンです。フィールド営業の担当者にはモバイルデバイスを支給し、外出先でも入力や閲覧ができるようにしました。

kintoneで構築した営業管理システムのポータル画面

ポータル画面の左には営業への重要なお知らせが表示される。画面右には各種業務アプリへのリンクがまとめられている

ある顧客の情報と営業ステータスを登録する画面

「住所をマップで確認する」をクリックすると、自動でグーグルマップが立ち上がる。「アクション区分」には、アクションの手段(訪問や架電)と担当者が記されている。「提案内容」には、顧客それぞれの提案要件が表示されており、具体的なメリットを伝えることができる。「活動報告」には営業結果を入力できる

「翌日に営業が訪問するリスト」をマネジャーが事前にセットした画面

マネジャーは日々の営業結果を見ながら「次に営業したい業態や地域」を軌道修正し、「翌日の営業先リスト」としてkintoneに登録していた。なので、営業担当者はログインするだけでその日の自分の訪問先を把握できた

クロス集計機能で「日々の営業結果」を集計した表

顧客番号・氏名・電話番号などで「顧客を検索できる機能」が現場で頻繁に使われました。例えば、顧客から電話がかかってきた場合、名前などで顧客データを瞬時に検出できたので、その場でやり取りまで入力できました。出先の営業から相談電話が入った場合でも、マネジャーはデータを見ながら的確な指示ができたと思います。また「成果が分かり次第入力する」というルールで運用したので、マネジャーは社内にいながら成果をリアルタイムで把握できましたし、営業も帰社後の日報入力作業が大幅に軽減されたのも良かったです。他にも、「クロス集計機能」で知りたい数値を一瞬で抽出できました。生データも見ながら成果の傾向をつかみ、より成果が出そうな今後の施策を考えます。その後は施策に沿って訪問先を営業に割り当てる作業はExcelにて行い、それをkintoneにインポートするだけで登録完了できました。一般的なシステムでは開発前に仕様を決めきらないといけないので、運用開始してから「あ、この数字を抽出したいな」と思っても簡単にシステムを変更できません。一方kintoneは使いながら自分で抽出条件の変更ができるツールのため、業務進行中に色々な分析を試せます。実際に、様々な抽出条件パターンを自身で登録し、施策を練るのに活用しました

「クロス集計機能や条件抽出機能が営業施策の立案に役に立った」と清水氏

営業効率の大幅UP・戦略的活用が可能・労働時間圧縮などkintoneの効果多数

Q:kintoneによる営業管理システムの効果や利用メリットを教えてください

「不可欠のツール」として機能した

kintoneは、営業や電話オペレーターなどチーム全員が「無いと困る!」と言うほど便利に使いました。最初は入力ミスもありましたが、使い方が簡単なのですぐに慣れることができました。

戦略的活用ができた

kintoneは営業戦略の立案がしやすいツールでした。例えば、今回の営業で好反応だった顧客層を分析し再リストアプし、より具体的な提案を準備するような方法です。このことにはデータをkintoneで色々な視点で見ている時に気づき、ターゲット層に積極的に営業をする方針を出しました。

大幅な労働時間の短縮につながった

もしkintoneを使わなかったら毎日夜中まで残業していたと思います。基本がExcelだとすると、毎日その日の訪問先リストを書類で渡す、営業状況は訪問リストに書き込み、帰社後に成果をまとめて報告する。こんな風だったでしょう。日々の一人一人の成果をマネジャーが夕方から夜にかけて入力し、深夜に翌日の営業施策を考える。。。。参ってしまっていたと思います。kintoneがあったおかげでマネジャーは入力の手間が省かれ、短時間でデータの確認と戦略立案を行うことができ、結果として大幅な労働時間の短縮につながりました。

「Excel管理だった場合と比べて、大幅に労働時間を短縮できた」と西川氏

抜群の費用対効果に満足。今後の開発もアールスリーに任せたい

Q:最後にメッセージをお願いします

kintoneは情報の管理・パートナー企業との情報連携にも非常に良いツールだと思うので、今後はそういった方面でも使っていきたいと思います。例えば、クライアントとkintoneで営業の進捗を共有すれば、報告がリアルタイムでできたり、施策をともに練ったりできるはずです。またkintoneは既存のコールセンター業務でも使えるツールであると思います。その際はカスタマイズも必要なので、またアールスリーさんにご協力いただきたいと思います。

(左)アールスリー林・(中央)西川氏・(右)清水氏

貴重なお話しをありがとうございました。

取材2018年10月