PT. FPC Indonesia様 事例紹介

アールスリーとgusuku Customineは、人を成長させる会社でありプロダクトです。

PT. FPC Indonesia
President Director デウィ スプラバ 様
Marketing Director 小池 雄一 様

株式会社FPCジャパン様は、インドネシアに進出した日本企業の「就労ビザ」取得手続きをサポートする会社です。

インドネシアの親会社PT. FPC Indonesiaでは32名の現地スタッフがkintoneを活用しながらお客様のビザ取得を支援しています。同社では、これまでお客様の就労ビザの「取得プロセスの進捗管理」と「期限日モニタリング」を独自開発のDBシステムで、「見積書・請求書の作成」はExcelで行ってきましたが、それをkintoneアプリに統合し、更なる効率化と使い勝手の向上を目指していました。

しかしながら、自社内でkintoneアプリを独力で作成していく途中で、「kintone基本機能」の限界に直面し、アプリ開発が足踏み状態になってしまいました。その解決策を必死で模索する中、ノーコードでkintoneをカスタマイズできる「gusuku Customine」に出会い、今では経営者の小池様自らがアプリを作成更新し、社内の「これがやりたい!」を次々と実現されています。

今回は、そんな同社の業務改善のストーリーとその効果について、小池様ご夫妻に詳しくうかがいました。

kintoneの基本機能だけでは理想のシステムが実現しなかった                  

Q:kintone導入の経緯と、アプリ開発中に直面した課題について教えてください

小池様

kintoneを導入したのは2020年の初め頃、コロナ前のことです。見積書や請求書をつくる作業がとても大変だったので、それを効率化してスタッフを楽にさせてあげようというのがスタートでした。

見積書や請求書の作成をラクにしてあげたいとkintoneの利用を開始

最初はkintoneの基本機能だけを使い、とりあえず新規アプリを作っていたのですが、本当に必要最低限の機能を備えたアプリしか作れませんでした。例えば、ある企業のデータを検索したい時に「標準フィルター機能」を使う場合、絞り込みごとにダイアログで複数条件を入力することになります。これでは検索は出来るものの条件を指定するために時間と手間がかかり、忙しく目の前の業務をこなしていきたい現場スタッフから改善要望の声も出てきました。

この他にも「”今日”までの日数計算」や「見やすいタブ画面」、「テンプレート呼び出しボタン」など、現場スタッフとしては多くの機能要望が出てきて、錯綜した状態になってしまいました。

私はネットや雑誌などから情報を仕入れ、色々なカスタマイズ手段を模索しました。最初は、複数のプラグインを併用して理想の状態を実現しようとしましたが、それでは複数のプラグイン販売会社と契約し、それぞれに問合せをやり取りすることになるので、管理が煩雑になり、これは違うなと思いました。

Q:アールスリーに問合せた経緯を教えてください

小池様

この頃、コロナで人の動きが無くなったことを受けて当社の売上は激減していたので、生き残り策としてコンサルティング業務の拡大を考えていました。そこで、kintoneを業務改善だけでなくコンサルティング業務のためにも活かしていくアイデアが出てきました。

その為には、kintoneカスタマイズのためのパートナー会社が不可欠であると強く思う様になりました。そのパートナー会社とは、kintoneカスタマイズに精通し、出来れば自社カスタマイズプロダクトを持っていて、それに基づいて私たちのアプリの改善提案をしてくれたり、売上回復のソリューションを一緒になって考えてくれる会社、そんなイメージでした。そう考えてkintoneのパートナー会社をネット検索していたところgusuku Customineに出会いました。ネット上のプロモーションビデオを見たら、そこには私がやりたいことが全部ありました。特に「一覧画面の上部に設置される検索窓」と「マスターにデータが無い時のルックアップ対処機能」の2つが響きました。それでアールスリーにコンタクトさせてもらいました。

「やりたいこと」と「やるべきこと」を整理整頓                        

Q:アールスリーにサポートを依頼した時のことを教えてください

最初、私はアールスリーに、既存アプリのカスタマイズの相談と、新事業のためのアプリ開発を同時に進めたいと相談しました。この時アールスリー営業の林さんがネット会議で対応してくれたのですが、「私一人で考えていっぱいに膨らんだ頭でっかちの夢やアイデア」を対話を通じて整理してくれました。林さんに提案していただいたことは2つあります。2つのプロジェクトを同時に進めるのは難しいので、優先順位を付けること。新事業のための夢のアプリは、いきなり完成形に向かい始めるのはリスクが高いので、期間と予算を決めてまずはフィジビリティスタディ(実現可能性を探る)を行なってから本格的に開発を行なうこと。

この提案を受け入れて、私たちは新ビジネス向けアプリのフィジビリティスタディを1ヶ月だけ行いました。結果、夢のアプリは実装可能なことが分かりました。しかし、コロナ禍中のマーケット状況をあらためて見た時に今は実行すべきタイミングではないと判断し、結局夢のアプリ開発は見送りました。これは、フィジビリティスタディをやったが故の決断でした。そして、既存アプリのカスタマイズの方に力を向けました。

私は林さんの提案を受け入れて凄く良かったです。夢のアプリのためにムダなお金は使っていませんし、実装に関して知りたいことも理解できました。そしてこの経験から既存アプリのカスタマイズを通じた業務改善をアールスリーとやればうまくいくという確信が持てました。

アールスリーの大阪オフィス。写真左が小池夫妻。右奥はアールスリー沖、手前が林。

既存2アプリをgusuku Customineでカスタマイズし、新アプリもリリース           

Q:既存アプリのカスタマイズの概要を教えてください

小池様

最初に行ったのは「TKAリストアプリ(ビザ取得者データーベース)」のカスタマイズ、次に着手したのは「Quotation&Invoiceアプリ(見積&請求書作成)」でした。

gusuku Customineで一覧画面上部に検索窓や帳票出力指示ができるボタンを設けたり、スケジュール表を出力できるようにしたりしました。スケジュール表はExcelで作成したフォーマットを元にgusuku Customineで簡単に設定できました。

更に、遅延しそうな案件のレコードをハイライトさせ警告するようにしました。これには現場スタッフからも驚きの声が聞こえました。そしてちょうど今日(この記事の取材日)、「プロジェクト進行管理」をする新アプリをリリースしました。

ビザ取得者データーベースアプリ。遅延レコードのハイライトなどのカスタマイズが行われている
見積・請求書作成アプリ。検索窓、帳票出力ボタンなどのカスタマイズを実施
案件の進捗管理アプリ。お客様に提出する「ビザ取得スケジュール」を帳票出力するカスタマイズを実施

Excelをそのまま帳票化するので、インドネシアの特殊な事情をkintoneに反映できる     

Q:gusuku Customineによる開発の感想を教えてください

小池様

gusuku Customineのコンセプトは私と相性が良くて、特に「Excelを出力する」や「PDFを出力する」などの出力レイアウトをExcelで作れるところは最高です。また通常システムは上から順番に要素を並べて表記するのは得意ですが、左右にうまくデータを並べて表示するのは苦手です。これがgusuku CustomineならExcelで帳票フォーマットを自由に作れるため簡単です。さらにインドネシアでは年月を「DDMMYY」と表記します。しかし当社のお客様は日本人の方なので、帳票では「年・月・日」と表記したいです。こういう細かい事でも簡単に設定できるところが「gusuku Customineの味」ですね。以前は他のプラグインで帳票出力をしていたのですが、とても苦労していましたから。

gusuku Customine帳票作成のしくみ

gusuku CustomineでPDF形式の帳票出力を行なう設定をするには、Excelで作った帳票のモトとなるテンプレートが必要です。そのテンプレートにkintone内の任意の値を埋め込むよう指定をします。テンプレートには印刷範囲を設定できるので、印刷外に何らかの値や式を埋め込んで印刷範囲内のセルに参照させれば、特殊な計算を伴う帳票も作れます。

kintoneカスタマイズを行なうにあたり、私たちはアールスリーのコンサルティングも受けています。当社の担当は開発者の沖さんなのですが、私のレベルに合った適切な方法を教えてくれます。レベルの高すぎることは言わず、簡単すぎることも言わないので心地いいです。

そんな沖さんは、新しい方法を考えるのが好きみたいで、特殊な相談にも独自の斬新なアイデアで応えてくれます。例えば、日本は数字の表記は3桁ごとにカンマ(,)を打ちますが、インドネシアでは違います。3桁のところがピリオド(.)で、小数点のところがカンマ(,)を打ちます。kintone内のデータは日本式の表記ですが、帳票はインドネシア式で表現したいのです。この相談をしました。すると「元データの値段を帳票の”印刷範囲外”に引っ張り、if文でピリオドとカンマを変換したものを”印刷範囲内”にインドネシア表記で表示させる」というアイデアを教えてくれました。インドネシア特有のルールをシステムに反映できることが私たちには大切です。kintone基本機能だけでは満たされない部分をgusuku Customineと沖さんのアイデアで満たしていただきながら今のアプリができています。

gusuku Customineは頻繁にアップデートされるから、できることが増えていく          

Q:gusuku Customineは2週間に1回アップデートがあり機能が追加されます。これに関するエピソードを教えてください

小池様

僕らにとってタイミングのよいアップデートが開発期間中に何度もありました。先ほどの「Excelを出力する」機能が新しくリリースされたのもその一つです。そして、それ以外の中の1つにボタンやタブの色をカラフルに色付けできる機能の追加がありました。gusuku Customineに出会う前、kintoneオリジナル機能でアプリを作っていたのですが、色をつけることができないなどで「ここまでか〜!」と感じていることがしばしばありました。タブに色が使えるようになったことで、現場スタッフのアプリに対する目が変わり、アプリへのロイヤリティが高まりました。

カスタマイズでスタッフがkintoneを好きになってくれた。

デウィ様

インドネシア人は色をつけることで注意喚起することが好きです。自分の脳にとって分かりやすい色をつける習慣があり、スタッフが作った資料でもひとつのレポートに3色以上が使用されています。私はピンク・黄色・青が多いです。だから着色できるようになったことがとても良かったのです。

kintoneに対するスタッフの評価があがり楽しんで使うように!                

Q:kintoneカスタマイズの効果を教えてください

kintoneに対するスタッフの評価があがり楽しんで使うように!

小池様

kintoneを基本機能だけで運用していた1年間、現場スタッフは苦しみながらアプリを使っていたのですが、gusuku Customineでのカスタマイズにより楽しんで使ってくれるようになりkintone自体に対する現場スタッフからの評価があがりました。

プロジェクトの進捗確認がラクに

デウィ様

「Quotation&Invoiceアプリ(見積&請求書)」では、検索機能で特定の案件を探せます。どの会社の誰のプロジェクトに対して、過去に見積を出したかどうかの確認がExcelでのチェックの頃と違い、すごくラクになりました。

経営数字の定点観測がいつでも・どこでも可能に

小池様

進行プロジェクトの数など、大事な数字の「定点観測」がどこに居てもパッと確認できるようになったことが何よりです。以前は紙のレポートができるのを待っていましたが、今は自分で必要な数字を検索できるのでレポートを待つ必要もなくなりました。さらにグラフや表での閲覧も可能です。とてもいいです。

見積書の作成が週3日から半日になり、ミスも撲滅

デウィ様

kintoneでは見積書を複製して請求書を作れます。これで毎週2〜3日かけて作成していた請求書作成が、半日でできるようになりました。月では8〜12日かかっていた作業が2日に短縮されたことになります。この効率化で担当者はかなり早く帰れるようになりました。さらに、Excelでイチから請求書をつくると間違えが多く、私がビシビシビシ!と間違えを指摘して直してもらっていたのですが、kintoneになってからは間違いがゼロ! 私もすごくラクです。

会計ソフトへのデータ登録がコピペで完了

小池様

以前はkintoneから書き出したExcelデータを、現場スタッフが会計ソフトのフォーマットに合わせるべくExcel上で3段階ほど加工してから、会計ソフトにコピペしていました。これは手間なので、アールスリーの沖さんに相談すると、書き出す時に自動フォーマット加工し、会計ソフトのフォーマットに変換されたデータを書き出せるようになりました。今はボタンを押すだけで、会計ソフトへコピペできるデータが得られています。これも、私たちのアプリ開発途中にリリースされたgusuku Customineの新機能(「CSVを出力する」)だそうです。

料金変更への対応が簡単に

小池様

ビザ取得に関して行政機関に支払う料金が変更されることがあります。これまでは見積書や請求書を作るたびに間違いがないように確認する為に料金表を参照する必要があり大変でした。でも、kintoneでは料金表マスタを更新しておけば最新の料金が適用されるので、新規の見積書、請求書の作成におけるミスがなくなり、確認の手間もなくなりました。

経営者が日本で仕事ができるように

小池様

私たちが日本で仕事ができるようになりました。コロナ禍では私たちが日本に比較的長く滞在していたのですが、日本に居たままインドネシアのデータを逐一確認できました。

ちょうど今日(この記事の取材日の4/1)からインドネシアでは消費税が10%から11%に変わったのですが、自分で日本からgusuku Customineを使って消費税の計算の設定を変更しました。このような変更時に「kintoneから見積や請求書を出せば間違えない」ことに確信が持てる事はとてもありがたいです。

一つミスがあるとその問題解決に2〜3時間は平気でとられてしまいます。現実の問題として、インドネシアでは日本よりミスが多いので、以前ならデウィが現場スタッフが作成した書類のダブルチェックで気が狂いそうになっている状況でした。でも今はこの問題もなくなりました。

デウィ様

そうです!今日から消費税が変更されました。私は京都のお家で桜を見ながら「kintoneの設定を11%にしました」とインドネシアに連絡をしたらスタッフみんな喜んでいました。私はミスをしないようにと、母親のような気持ちでスタッフを育てているのですが、なかなか成長できないことは悩みでした。kintoneで間違えなくなったことは本当に嬉しいです!

コロナ中に社員が在宅勤務ができた

小池様

2021年はコロナ禍で、インドネシアでは50%以上の出勤が禁止になりました。それでパソコンを皆に支給して在宅で働けるようにしました。在宅勤務はExcelだったら無理でしたね。

デウィ様

特にドキュメントコントローラー(お客様担当者)にはよく電話がかかってくるのですが、kintoneで該当データをすぐに見つけることができるので家にいながら返事ができました。今までは休日や夜間にでも電話がかかってくるとオフィスに向かって書類を探して回答していましたが、在宅ですぐに返答できるという意味でサービスも向上しました。

自身のカスタマイズの腕が向上

小池様

消費税率を変更するカスタマイズはアールスリーの沖さんに相談しなくても、自分でできました。見積書&請求書アプリで消費税の初期値を10%から11%に変更したり、見積書を複製して請求書をつくるのですが、複製時に自動で11%になるようにしたりしました。これがえらく簡単にできたのですが、それは沖さんがよく教えてくれたおかげです。沖さんに指示された通りにいくつかの設定をしているうちにカスタマイズ方法が「分かった!」という感覚を得られて凄く気持ちよかったです。

アールスリー沖より

ある日のコンサルティングのテーマが「自分でカスタマイズができるようになりたい」だったので、 私はやり方を伝えて、小池様には実際に手を動かして設定をしていただきました。私たちアールスリーは、お客様がシステム運用をご自身でできるようになるためのサポートに力を入れているので、喜んでいただけて本当に嬉しいです。

スタッフが業務改善にチャレンジするようになった

デウィ様

システムを使うスタッフたちの発想が変わってきました。「こうしたいと思って良いんだ、それを言って良いんだ、伝えたことが実現するかもしれないんだ」と思えるようになり、もう一歩深いところまで考えるのが楽しくて仕方ないようです。私としても以前より簡単にカスタマイズができるようになったので「より良くしたい点があれば言って」と言えるようになりました。

私はインドネシアのスタッフが新しいことにチャレンジするようになったことが何よりも嬉しいです。kintoneをよく使うスタッフたちはチャレンジ精神が出てきて業務改善が「楽しい!」と言っており、目をキラキラさせて取り組んでいます。この成長をみて「ああ。良かった!」と感動しています。

gusuku Customineが無ければ、ここまで業務改善はできなかった               

Q:gusuku Customineがもし無かったとしたら、いまどうなっていそうですか?

小池様

kintoneだけだと途中で挫折して、新アプリを作ってみようとは思わなかったでしょう。私は色々なプラグインを検索しましたが、プラグインでここまでできたとは思いません。gusuku Customineだからこそ出来た業務改善です。これはお世辞抜きで、他の会社にも教えてあげたいです。特に「業務で叶えたいことをシステム的な目で見て実現する方法を考えることが好きな人や出来る人」にはぴったりです。

アールスリーのやり方は人を成長させる                            

Q:最後にアールスリーの開発やgusuku Customineを検討中の方にメッセージをお願いします

小池様

私はアールスリーに出会って本当に良かったです。

まず自分がやりたいことについて適切な話し相手になってくれるから自分の考えがまとまります。次に実現のためのステップを示してくれて、実現までしっかり付き合ってくれます。また「必要なことを、必要な時に、必要な分だけ」言ってくれるので、我々の成長にもつながります。「何でもやってあげるよ」と言ってシステムをブラックボックス化する会社がありますが、これだと自分の為にはなりません。林さんや沖さんとのやり取りを通じて、アールスリーの根底に流れているのは「お客様を成長させてあげたい」という気持ちだと思いました。お客様の成長を本気で考えてくれているから「正しい質問」が出来る。それによって、システムのことが分からずにモヤモヤしている私たちの頭の中が整理されていくのです。

会社はどこまでいっても人の集まりだから、一人ひとりが成長している感覚を持っている会社は成長します。

アールスリーは人を成長させる会社であり、gusuku Customineは人を成長させるプロダクトです。自分が成長したい方、会社を成長させたい方はお付き合いしてみてはいかがでしょうか。

貴重なお話しをありがとうございました。

取材2022年4月