株式会社エフ・コード様 事例紹介

伝えた要望が採用されることも!ユーザーとアールスリーで一緒に育てるgusuku Customine

株式会社エフ・コード
CX事業部 カスタマーサクセスユニット 杉村 春佳 様

株式会社エフ・コードはウェブマーケティングを中心に、リスティングやLINE広告の運用代行、インサイドセールス支援などの業務を手がけており、CX向上のためのSaaSも提供しているIT企業です。設立は2006年3月で、現在は東京本社と京都オフィスを構え、2021年12月には東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)に上場しました。

社内の業務システムとして2020年までは海外製のSFAツールを導入していましたが、あまり使いこなせておらず、利用料金が高かったこともありkintoneに乗り換えることになりました。kintoneでも以前のツールの機能を実装する必要があったものの、基本機能では難しいためkintone導入とほぼ同時にgusuku Customineを導入されました。

その後、別のkintoneドメインを追加して、インサイドセールス関連のレポーティングサービスを提供しているISBI(インサイドセールス ビジネスインテリジェンス)業務での利用を開始しました。今回は、このISBI業務でkintoneとgusuku Customineを活用し、ミスの軽減と業務効率の改善を実現した経緯について、株式会社エフ・コード CX事業部 カスタマーサクセスユニットの杉村春佳氏にお話を伺いました。

CX事業部 カスタマーサクセスユニット 杉村春佳氏

■導入:kintone活用はプラグインありき、何でもできるgusuku Customineを選んだ

2020年1月に杉村氏が入社した頃は海外製SFAツールを使用していたのですが、カスタマイズできる人材もいないため、活用が進んでいませんでした。そのため、契約が更新されるタイミングで見直すことになりました。

「業務システムツールの比較検討はしたのですが、無料トライアルを行ったのはkintoneだけです。最初にkintoneに触ってみると、とても直感的でわかりやすく、これでよさそう、となりました」(杉村氏)

kintoneは自由度が高い代わりに、アプリは自分で作成する必要があります。しかし、もとの環境でできていたことは踏襲する予定だったので、自由度が高いという点はむしろメリットだったそうです。まずは社内業務システムで、企業とリード情報、商談の管理を行うアプリの開発をスタートしました。

エフ・コードが海外製SFAツールからkintoneに乗り換えたのは2020年12月で、翌月の2021年1月にはgusuku Customineを導入いただきました。

「複数のアプリを連携しているのですが、AのアプリからBのアプリをコントロールしたい時に、kintone基本機能のルックアップだけでは不便で、もうちょっと細かく設定したいというニーズがありました。たとえば、ある顧客の情報が更新された時に、商談に紐づいているその顧客の情報も一度に更新したかったのです」(杉村氏)

杉村氏はもともと、kintoneはプラグインありきで成り立つものだと考えていました。そのため、プラグインの活用は最初から念頭にあったのですが、多数のプラグインを組み合わせると思わぬところで競合したり、積み重なるとコストが高くなる、という課題がありました。また、定型のプラグインでは、細かい調整ができないというのもネックだったそうです。

プラグインを色々と試すため、やりたいことと「kintone」というキーワードで検索している中、「gusuku Customine」を知ったそうです。最初はあまり意識しなかったそうですが、何度も検索結果で行き当たり、サービスを知ったとのことです。

多数のプラグインを導入することなく、「gusuku Customine」だけでやりたいことがひと通り実現できそうだということが決め手となり、導入を決定されました。

「アプリの更新がかなり楽になりました。今まで手動でポチポチしたり、いちいちCSVファイルからインポートしていたことが、ボタン1つでできるようになったのです。私以外の人でもレコードの追加ができるようになり、かなり作業効率が上がりました」(杉村氏)

社内業務システムでの活用が進んだので、この成功体験をもとに、2021年10月からISBI事業でもkintoneを導入しました。こちらは、gusuku Customineも同時に導入されました。

「ISBI事業ではコールセンター向けのCRMシステムを導入していたのですが、機能が中途半端でした。もっとやりたいことがあるのですが、かゆいところに手が届かなかったのです。kintoneはgusuku Customineと組み合わせれば、色々なことができるとわかっていたので、ではやってみよう、ということになりました」(杉村氏)

■活用:ユーザーの利便性を高め、ミスを回避するためにgusuku Customineを使い倒す

ISBI事業では、企業情報を管理するアプリに紐付いて、リード情報を管理するアプリがあります。インサイドセールスのメンバーが、リードひとつひとつに対して架電し、その結果を対応管理アプリに記録します。そして、その日に架電した分のレポートを作成し、クライアントに提出するというのが業務の流れです。

gusuku Customineで、リード情報管理アプリから、対応管理アプリのレコードを作成できるようにしました。リード情報管理アプリで、電話がつながったのかどうか、不通なのか、つながった場合は何コール目だったのか、などを入力していきます。gusuku Customineでは日付や架電対応者を取得し、レコードを保存するとリード情報管理アプリの情報をもとに対応管理アプリ側にレコードが追加、更新されます。

以前は、リード情報管理アプリの上部に「対応管理作成」ボタンを用意し、クリックすると対応管理アプリの編集画面が開くようになっていました。レコード番号だけが引用される仕組みになっており、その都度必要な情報を入力していたのです。

リード情報管理アプリから対応管理アプリにレコードを自動追加

「ユーザビリティの向上にもgusuku Customineを活用しています。たとえば、一覧で「削除」や「編集」ができないようにボタンを非表示にしています。gusuku Customineのカスタマイズは主に追加画面と編集画面に設定しているため、一覧画面で誤って編集してしまうことを防いでいます」(杉村氏)

その他にも、架電した際に社名が変わっていた場合、「社名変更」フィールドに値を入力するとボタンが現れ、同一企業のリード情報に新しい社名を転記できるようにしています。

また、アプリにはボタンを付けるなど、ユーザーが迷わず簡単に操作できるようにgusuku Customineで様々なカスタマイズを設定しているのですが、それでもミスは起きます。同じミスが繰り返し起きるようであれば、さらにgusuku Customineで回避する工夫を凝らします。

たとえば架電した結果、状況を記録するフィールドの値を変更した場合、決められた他のパラメータもアップデートする必要があるそうです。しかし、手動で行っていると変更し忘れてしまうミスが起きがちでした。そこで、gusuku Customineで入力漏れのアラートを出すようにして、ミスを回避できるようになりました。

ほかにも、保存しなければならないフィールドに情報が入っていない場合、エラーのダイアログを表示してレコードを保存させず、その上で該当フィールドに自動スクロールするというようなきめ細かなカスタマイズもありました。

「項目数が多い上に、関わる人間が多いのでミスが多かったのですが、納品するレポートのデータは正確でなければなりません。ミスが多いと、納品前のチェックがものすごく大変です。そこで、gusuku Customineを活用して、漏れやミスがないようにすることで、誰が入力しても間違いのない状態にするところを目指して、結構しつこく色々なことをやっています」(杉村氏)

ことあるごとにメッセージを表示し、入力ミスを回避

■導入効果:ミスが軽減し、処理を自動化することで作業時間を10分の1に短縮

架電したレポートは夜間にJob Runnerの定期実行タスクを走らせて、最終対応日時が当日のものだけを抽出し、CSVファイルで出力して、レポート出力フィールドに添付しています。通常は当日架電分だけ出力するので問題はないのですが、過去も含めた全件分のデータを提出しなければならないクライアントもあります。その場合は、一度に出力しようとするとメモリエラー(※)になってしまうので、3000件ずつ出力するというカスタマイズをしているそうです。

「分割のためには一工夫しました。まずは3000件出力し、そのレコードに用意したフラグ用のフィールドに値を書き込みます。そして次の3000件を出力し、同じようにフラグを更新する処理を繰り返します。すべて出力した後に、フラグ用のフィールドの値を削除するというカスタマイズも入れています」

※Job Runnerの処理で、gusukuのシステム上のメモリに収まりきらないほど大量のレコードを一度に処理しようとした場合に発生するエラーです。フィールド数やレコードに含まれるテーブルの行数などで、エラーとなるレコード数は異なります。

従来のレポート作成作業はExcelでデータを加工して抽出しており、とても負荷の大きな作業で、過去に担当の方が本気で泣いてしまうこともあったそうです。kintoneとgusuku Customineで抽出処理を自動化することで、作業時間は10分の1ほどに短縮されたそうです。入力ミスが減ったことで、納品前のチェック負荷もとても軽くなりました。

Job Runnerを夜間に走らせて、レポートを自動出力

「gusuku Customineは純粋なプラグインとは違って、自分たちがやりたいものに寄せられるツールなので、すごく便利です。コンテンツが豊富なのもありがたくて、マニアックなことをやりたい時でも、似た事例がブログなどで紹介されていて参考になります。それでもわからない時はサポートに伺うと、ほぼ解決していただけます。やりたいことを実現させるための体制が二重、三重に整っているので、私としては金額以上の価値を感じて使わせて頂いています」(杉村氏)

gusuku Customineをがっつり活用していただき、大きな業務改善を実現されていました。お話を聞いていて、フットワーク軽く、課題が出たらすぐにgusuku Customineで解決する、というのが大きなポイントだと感じました。

杉村氏にgusuku Customineについて意見を伺ったところ、過分なお褒めをいただきました。

「こういう機能が欲しいとお伝えすると、前向きに捉えていただいて、実際に実装いただけることもあります。私たちユーザー側と、開発しているアールスリーさんとでgusuku Customineを育成しているというイメージがありますね。私もカスタマーサクセスの人間ではあるのですが、アールスリーさんのカスタマーサクセスの働きはもう尊敬に値しています。定期的にヒアリングのミーティングを持っていただき、私が求めていそうな情報をくださるんです。新機能を勉強させていただくことも多く、サポート体制では右に出る者はいないんじゃないかと思います」(杉村氏)

最後に今後の展望について伺いました。

「ISBIの方は作り込みが完成していて、各社に展開していくフェーズです。実は、最初に導入していた社内業務システムの方が、gusuku Customineの活用がそこまで進んでいません。ISBIでの活用を通じて、結構勉強になったので、それを生かしてカスタマイズしていこうと思います。たとえば、半年契約の商談を更新する際、Job Runnerを使って自動的に売上のレコードを作ったりしたいです。これまではできませんでしたが、今ならちゃんと考えればできそうなので、チャレンジしたいと思っています」と杉村氏は締めてくれました。

取材2022年8月