EMC株式会社様 事例紹介

公開日:2023-09-13

国内ERPからkintone×gusuku Customineに乗り換えて大幅なコスト削減と柔軟な業務システムを実現

EMC株式会社
チーフ テクノロジー オフィサー 江上 有史 様

EMC株式会社は、2018年にエルゼビア・ジャパンより事業承継し、米オムニコムヘルスグループ傘下にて事業を開始した広告代理店です。エルゼビアは医学・科学技術の情報サービスを専門とする世界最大規模の出版社で、その中の広告代理店業務を担っていた部門が会社分割によりオムニコムヘルスグループの一員となり、 EMC株式会社が誕生しました。

業務内容としては、医師や病院向けのプロモーション活動を行っています。例えば、MR(医薬情報担当者)が医師に薬の説明をする際のツールや患者さんへの説明資材、Webサイトなどを制作しています。主な顧客は国内の製薬会社です。

事業承継するにあたり、財務部門はエルゼビア・ジャパンで使っていたシステムをもとに、新たにAccessでシステムを用意しましたが、それ以外の部門は紙を使っていたそうです。IT化を進めるにあたり、グローバルで使っているシステムを日本向けにカスタムするとコストが高すぎるという課題があったためです。

とは言えもちろん、業務の効率化は進める必要があります。CFOの指示により、システムを整えることになり、そこで導入したのがkintoneとgusuku Customine(以下、カスタマイン)です。

今回は、280人のメンバーが使う業務システムを一人で構築し、Accessと紙の業務やグループ内で導入されていた国内ERPをクラウドに移行した経緯について、kintone担当者であるEMC株式会社 江上有史氏に伺いました。

■ユーザーの使い勝手向上のためにカスタマインを導入

グローバル企業がメインに導入しているERP(Enterprise Resource Planning)ソリューションを日本企業向けにカスタマイズしようとすると、大きなコストがかかります。そのため、EMCではレポーティングだけは共通のシステムを利用し、他の部門については日本独自のシステムで運用を開始しました。

EMCが立ち上がって数か月が過ぎたころ、江上氏の上長であるCFOから、システムを入れるように言われました。そこで、オムニコムヘルスグループアジアパシフィック(以下、OHGAP)ですでに利用しているERPの見積もりを取りました。

「なかなか「痺れる」金額の見積もりが出てきました。実際にERPを利用している財務の担当者と話したところ、小さい修正でも50万円、100万円かかる上に時間もかかっているそうです。システムを担当する側としては、社内からの不平不満を受けつつ、システム構築を自分でコントロールできないのは辛いな、と考えました」(江上氏)

いくつか業務アプリを作成できるツールを検討しましたが、社内にサーバーを立てるのも手間がかかりそうなので、インフラが整っているPaaSの方がマッチすると判断しました。そこで、エルゼビア・ジャパンでも使っていたkintoneを導入することにしたそうです。当時はライトコースでしたが、業務システムを構築するにあたりプラグインが必須だったので、スタンダードコースを契約しました。しかし、当初はカスタマインを使っていなかったそうです。

「カスタマインは少し触ってみたのですが、当時はアクショングラフ(カスタマイズの繋がりをフローチャートで表示する機能)がなかったので、作るときのイメージがしにくくてちょっと敷居が高く感じました。そこで、いろいろなプラグインを個別に導入して運用することにしました」(江上氏)

その後、いろいろと細かい使い勝手で課題が出て、社内から問い合わせや要望が寄せられるようになりました。例えば、一覧画面ではせっかく用途に合わせてビューを作っているのに、ユーザーはよかれと思い「(すべて)」を選んでしまうことがあるそうです。すると、ユーザーにとっては意味のない項目が多数表示され、混乱してしまうことがありました。

そこでいろいろと調べていくと、カスタマインのカスタマイズで、一覧から(すべて)の選択肢を消せることが分かりました。そこで、まずはフリープランを使い始め、徐々にプランを上げていきました。

「実際、使い始めてみると、カスタマインは使いやすく、融通が利くので、そこからは使い倒しています」(江上氏)

EMC内でのkintone活用が進み始めたころ、OHGAPのグループ会社が、会社は別々のまま一つのエージェンシーとしてまとまることになりました。その流れで江上氏も、複数の会社のシステムを担当することになったのです。そして、上長からは他の会社も今使っているERPからkintoneに移行させるように言われました。

すでにEMCで活用しているシステムを横展開することになったのですが、そうなると、当時契約していたカスタマインの「年額10」プランではアプリスロット数が足りません。このタイミングでプランの見直しが行われ、現在は「年額1000」プランをご利用いただいています。

「以前はアプリスロット数に気を配りながら使っていましたが、今はもう無限(kintoneの上限である1000アプリ)に使えるので、心に余裕が生まれました笑」(江上氏)

■X(旧Twitter)での最新情報の収集により、さらなる便利さを追求

カスタマインの活用によって、それまでERPで行っていた業務をまとめてkintoneアプリに移行できました。ユーザー数はトータル280人を超え、複数のグループ会社でkintoneの業務利用が広がりました。

EMCでは取引先から請求書をもらうときに、Webフォームから提出してもらう仕組みを活用しています。情報を入力し、請求書のPDFをアップロードしてもらうと、kintoneにレコードが追加され、承認フローが走るようになっているのです。登録されたらすぐにカスタマインでステータスを変更します。これは、グループの人たちに請求書が届いたという、kintoneからの通知を送るためです。kintoneの基本機能だけでは、請求書が登録された時点でステータスを変更し、担当者に通知することができませんが、カスタマインで自動的にステータスを変更することによって解決しています。

また、必要な情報が正しく入っているかのチェックも行い、情報が正しくない場合には確認が済むまで次のプロセスに進めないように工夫されています。

この仕組みで年間5000件くらいの請求書を処理し、ペーパーレス化と大きな業務効率改善が実現できました。しかし、その中で使い勝手に関する意見も寄せられました。

「取引先さんから、毎回自分の会社名や氏名を入力するのは手間だと言われました。どうすれば簡単に入力できるようになるかと悩んでいたとき、X(旧Twitter)のカスタマイン公式アカウント(@gusukuSupport)で、「やること」に「適格請求書発行事業者情報を取得する」が追加されたことを知り、これは使える!と感じました」(江上氏)

請求書をアップロードする際、インボイスの登録番号を入力すると、企業名や住所などの情報をAPI経由で取得し、kintoneに登録することで、取引先側での情報入力の手間が省けるというわけです。また、入力された登録番号は、その後の財務部門の処理でも活用することができるため、EMCの業務効率化にも効果が期待されています。

インボイス制度は、2023年10月1日から開始される消費税の仕入税額控除の新しい方式です。今後は適格請求書でなければ、仕入れ額を控除できなくなります。そこで、多くの企業はインボイスに登録することになりますが、そこでインボイスの登録番号が得られます。これは企業ごとにユニークな番号で、国税庁の「適格請求書発行事業者公表システム」で検索できるのです。

他にもいろいろなカスタマイズを活用されていました。例えば、「カスタマイズの定期バックアップ」です。以前、江上氏はカスタマインのバックアップを取る際、カスタマイズを個別に手作業でファイルへ書き出していました。一人開発者なので、万が一の場合への備えが必要と考えてのことです。ですがとても手間がかかるので、半年~1年に1回程度の作業だったそうです。そんな時、メールマガジン「週刊 gusuku de ゆんたく」で、「カスタマイズの定期バックアップ」のことを知り、早速設定しました。

現在は、59アプリでカスタマイズしているので、大きな手間が省けました。また、毎日カスタマイズの定期バックアップを行うように設定しているため、万が一のことがあっても昨日時点のカスタマイズのデータが残っているので安心です。

「私の業務範囲の拡大により、メールアドレスが変更となりました。すると、カスタマインでは別ユーザーとして認識されるため、過去に作成したカスタマイズを閲覧・編集するときに手間がかかっていました。面倒だと思っていたところ、作成したカスタマイズの管理者を他のユーザーに一括で変更できる機能が追加されたことをX(旧Twitter)で知り、すぐに変更しました」(江上氏)

江上氏は多くのカスタマイズを駆使しているのも凄いのですが、メールマガジンやX(旧Twitter)で積極的に情報を収集している点も活用の秘訣といえます。日々、電車に乗っているときなどに、カスタマイン関連情報をX(旧Twitter)でチェックしているそうです。

また、メールマガジンも活用しており、アップデート情報のチェックはもちろんのこと、不具合修正情報にも目を通し、自分がその不具合の影響を受けていないかも確認されているそうです。

「サポートも活用しています。「適格請求書発行事業者情報を取得する」を試したところ、情報を取得できなかったことがあり相談しました。制度開始前の現時点では設定を工夫する必要があったためです。チャットで尋ねるとすぐに返信をくれて大体すぐに解決するので、とても助かっています」(江上氏)

最後に、今後の展望を伺いました。

「引き続き、kintoneアプリ化することで楽にできそうな業務があれば対応していきます。カスタマインを活用して、皆がより使いやすいアプリを作成し、この先も楽しく使っていこうと思っています」と江上氏は締めてくれました。

取材日:2023年7月