kintone(キントーン)は使えない?向いてるものと向いてないものって?

kintoneは、どんな業務・システムにでも使えるのでしょうか?残念ながらそんな万能な道具は存在しません。 kintoneでやってみようと思って、30日お試し取ってみたけど、うまくできなくて「kintone 使えない」と諦めるということもあると思います。

どんなものがkintoneに向いていて、どんなものが向いていないのでしょうか?

kintone が向いている業務

kintoneが向いている業務は、弊社の事例ページサイボウズさんの事例ページにもたくさん出ているので、これらに掲載されているようなところはうまく使えると思ってください。

kintone が向いていない業務

さて、向いていない業務が問題です。実はこの情報ってほとんどありません。失敗事例があまり公開されないからです。 この記事では、これまでの弊社に寄せられた膨大なご相談の中から、弊社がkintoneには向いていないので辞めたほうがいいとアドバイスしたケースをいくつかご紹介します。

この例に上がっているからといって、全てがダメというわけではなくて、kintoneが苦手とするポイントをうまく避けられればkintoneで問題ないケースもたくさんありますので、困ったら弊社にご相談ください。

では、みていきましょう!

1. Excel・Accessで作ったツールの完全移行にkintone

社内で作ってきたExcelやAccessのツールをkintoneに完全再現したいという話です。このケースはどういう点でしんどいかと言うと、

  • 一覧での編集がメイン(プラグインである程度カバーはできますが完全ではありません)
  • ユーザーインターフェースが大幅に違う
  • 複雑な関数計算
  • 膨大な項目数と行数
  • リレーショナルデータベースを前提としたデータ構造

といったあたりです。このような場合、情報共有やコミュニケーションを目的としてkintoneに移行したい場合は、再現しようとするのではなく、全面的に見直す必要があります。

kintoneらしい作り方と操作の流れにしてください。

しかし、そうすると現場からは「今までと違う」とか「前のほうがよかった」などの声が出てくると思いますので、kintoneアプリを作成する前に、kintoneにすることでどういうメリットが生まれて、どういうところを目指しているのかをちゃんと定義して説明できるようにしましょう。

そして、現場のメンバーを早い段階から開発に巻き込んで、完成前からアプリを見てもらうことが大切です。

2. 基幹システムをkintoneで

「基幹システムのスクラッチ開発をベンダーに見積してもらったらびっくりするくらい高くで断念したのでkintoneでできますか?」というのもよく頂く相談です。

これはできるケースとできないケースがあるんですが、できると判断する場合でも、いくつか考慮すべき点があります。一般的に基幹システムとなると、複数の種類のデータを一貫性を保った状態で更新しないとまずいケースがありますが、kintoneは、

  • データ一貫性を保ちながら更新するためのトランザクションの仕組みが弱い(ないわけではないです)
  • 大量のデータの検索が遅いケースがある
  • 大量のデータを更新するのは苦手

などの制約があります。この特徴により、例えば在庫管理に使うような場合は、慎重に設計してこの制限を回避するか許容するかを判断する必要があります。

3. 分析基盤にkintone

「社内にいろんなツールやシステムがあって、その情報をkintoneに集めて分析したいです」というご相談もよくあります。2とも重複しますがkintoneは

  • 大量データの検索が遅いケースがある
  • 大量のデータを更新するのは苦手
  • グラフは簡単に表示できるものの対象にできるレコード数に制限がある
  • グラフは一般的なBIツールに比べると種類や表現力に制限がある

という制約があるため正直向いていません。分析基盤が欲しい場合は、それ用のツールやサービスがたくさんありますので、そちらを利用することをおすすめします。

ただ、他の業務ですでにkintoneを利用していて、やりたい分析が単純でかつ、中間段階の集計までを他の仕組みでおこなってkintoneに書き込めるのであれば、使える可能性があります。

実は弊社の gusuku Customineの利用状況などのデータはそういった形でkintoneに連携してkintoneでグラフ化して毎日確認しています。

まとめ「銀の弾丸などない」

kintoneは真っ白なキャンバスのような仕組みです。そのため、なんでもできるように思われることがたくさんあるのですが、実際は色々制約がありますので、なんでもできるわけではありません。

ただ、その制約の中で工夫してうまく使うと大きなメリットが得られるのも事実です。

kintoneに何が向いていて、何が向いていないのかは我々のようなパートナーがよく知っていますので、お困りの際はご相談ください。

そして、kintoneに限らずどんなツールにも言えるのが

銀の弾丸などない

ということです。