CASE STUDY
お客様事例紹介

岡山大学病院 新医療研究開発センター様 事例紹介

gusuku Customine活用

kintone✕アールスリーの開発により、研究支援業務がよりスピーディーで効率的になりました。

岡山大学病院 新医療研究開発センター
企画運営部長 准教授 櫻井 淳 様
プロジェクト管理室 江端 真祐美 様

岡山大学病院 新医療研究開発センター様は、企業や研究者から治験や臨床研究の依頼を受ける際の業務管理に必要な「進捗管理アプリ」と「見積書・報告書・請求書」を作成するシステムをサイボウズ社のkintoneで構築されました。同プロジェクトの責任者である櫻井様と実務担当者の江端様に、導入の背景・kintoneやアールスリーを選んだ理由・導入効果についてうかがいました。

岡山大学病院 新医療研究開発センターとは

岡山大学病院 新医療研究開発センターは、大学や研究機関で開発中の新しい医薬品や医療機器の種(シーズ)を掘り起こし、有効な製品として患者さんに届けることを目的に業務を行っています。2015年からは、研究者や企業からの依頼を受けて、治験や臨床研究を行う研究支援事業(ARO研究支援)を行っています。同センターにはこうしたシーズを見つける「目利き」やプロジェクトの進捗管理を行うプロジェクトマネージャをはじめ、専門9部門とこれらをサポートする事務部門、総勢約130人のスタッフが、依頼ごとにチームを組んで年間約170件もの支援依頼に応えています。

2年で3倍に増えた研究支援を効率的に進めるためにシステムが必要だった

Q:kintoneでシステム構築をされた経緯を教えてください。

櫻井様

2016年に現在運用している研究支援事業の料金表(約700項目あるメニュー表)を作りました。当時は支援件数が年間60件程度と多くはなく、1件1件手作業の見積書作成でも特段困ることはありませんでしたが、2017年には90件まで増加してWord・Excel・書類による業務進行や情報共有が非常に煩雑になりました。

2018年には4月から新たに「臨床研究法」も施行されることが決まっていたこともあり、支援依頼件数の大幅な増加を見越した何らかのシステム導入が必要と考えていました。またこのころから岡山大学以外の外部医療機関からの支援依頼も増えており、その支援業務や対価を記した契約を行うという手順も加わりました。支援事業は色々な部署と連携して行う複雑な業務です。年々増え続ける依頼を効率的に処理するためには、情報伝達や運用方法を見直す必要があると感じました。

kintone導入の責任者 准教授の櫻井様
kintone導入の責任者 准教授の櫻井様

クラウドサービスを利用した「研究支援の業務管理システム」を構想

Q:kintone導入とアールスリーに開発を依頼いただいた経緯を教えてください。

櫻井様

まず私は「研究支援管理ツール」を作り業務を効率化することに決めました。他大学では自前でシステムを開発するところも多いようですが、当センターのSEは1名なので、痒いところに手の届くシステムになるまで作り込んでもらうほど時間を割けません。そのため最初からプラットフォーム型のクラウドサービスで、バックアップ体制もあるものを探しました。

そうして最初に見つけたのがサイボウズ社のkintoneでした。トライアル期間は無料で試せることと、直感的な操作で自由にレイアウトを変更できるツールであるため、まずは自分でkintoneアプリを構築し始めました。

しかし「見積書に記載するメニューを料金表から引用する」「1つのデータベースを複数のアプリで共有する」といった設定が、私の限られた時間で作るには難易度が高く、プロにお願いしたいと思いました。サイボウズに相談すると、当センターの課題を解決できるデベロッパーとしてアールスリー様を紹介いただきました。同社の初期開発費用は比較的安価で、大学病院で執行できる経費の範囲内でしたし、担当の和田さんは私が一言伝えただけで、その5倍、6倍も理解いただける人だと感じたので、安心して作業を依頼をしました。

研究支援の業務フローをkintoneでシステム化

Q:開発したkintoneアプリについて教えてください。

江端様

kintone開発は2回行われました。1回目の開発(バージョン1)は2018年4月スタートで、kintoneの標準機能を使い「研究支援業務の手順」をそのままシステム化する内容でした。アプリで行いたい作業が明確だったので、書類様式をそのままお渡ししてアプリ構成を提案してもらいました。

AROの研究支援業務料金表の見本

AROの研究支援業務料金表の見本
表は岡山大学の研究支援メニューのサンプル。700項目に及ぶ研究支援メニューの横には、学内や学外の企業など、支援する機関別に5種類の料金が記されている。この表を見ながらExcelで見積や請求を作成する手順をアールスリーに説明しアプリの開発が始まった。

こうして完成したのが「支援管理アプリ」「見積書作成アプリ」「請求書作成アプリ」「報告書作成アプリ」「料金メニューアプリ」の5つです。

新医療開発センターkintoneのトップ画面

新医療開発センターkintoneのトップ画面

「支援管理アプリ」は見積書・報告書・請求書のデータを集約できる統合アプリです。一つの案件に対して、いつ・誰が・どのようなアクションを起こしたかについて時系列で記録できます。1GBまでの資料を複数アップロードできるので情報を整理された状態で保存できます。頻繁なメールのやり取りや検索作業も省けます。学外・学内に関わらず打ち合わせ先で内容を確認できますし、ファイルサーバーや紙資料も不要です。

岡山大学AROの「支援管理アプリ」

岡山大学AROの「支援管理アプリ」
ある案件の進捗管理画面。左に関連資料と対応履歴が時系列で並ぶ。画面右は関係者がグループチャットのような形式で会話できるメッセージ機能。

kintoneで仕組み化された書類&やり取り

kintoneで仕組み化された書類&やり取り
※櫻井様より提供。以前はExcelと書類で行っていたが、2018年からはkintoneで170件の案件が進行した。

使いやすさを追求した2回目の開発

Q:2回目の開発を実施した理由を教えてください

2回目の開発(バージョン2)は2019年の4月に行われました。開発には2つ理由がありました。1つ目は、料金表に「品目名が同じで価格だけが違うもの」が複数あり、品目名で絞り込んでも同じ名前の項目が4〜5個も並ぶため、その紛らわしさから起こる入力ミスを解決することでした。

料金表に類似項目が多く選択ミスが起こっていた

2つ目は、現場から出ている「見積りと請求の入力を一度で済ませたい」という要望を実現することでした。バージョン1では見積りの内容をそのまま請求書にコピーできない仕様でしたので、丸ごとデータを請求書にコピーする機能をつけたいと思いました。

Q:課題はどのように解決されましたか?

江端様

1つ目の入力ミスの課題については「どうすればミス無く見積りを作れるのか」をアールスリーの和田さんと議論を重ねました。その過程で和田さんは見積りを作るための画面のデモ環境をいくつも作って見せてくれました。デモの中には完成品よりもボタンが沢山あるパターンもありましたね。

「kintoneを利用する約50人の誰にとっても分かりやすいシステムになるよう和田さんと一緒に考えました。」と江端様。中央は江端様、右は櫻井様。写真左はアールスリー和田。

バージョン1では料金表を入力するのに、料金と項目を目視でしっかり見ていないと入力を間違ってしまいました。それがバージョン2では、項目を3つ選ぶだけで選択肢が2つ程度に絞られる仕様になりました。「学外用・学内用」などと選んでいくと、最後に正しいメニューだけが残るバージョン2は、バージョン1と比べたらかなり楽ですね!

「絞り込み検索機能」のついた見積り作成アプリの画面

バージョン2画面
バージョン2では、画面左赤字の「出資コード選択」、中央の「大区分」「中区分」を選ぶと自動的に結果が1〜2つ絞られるようになった。
gusuku Customine

アールスリー和田

アールスリー和田

バージョン2では、アールスリーのkintone向け直感的プログラミングサービス「gusuku Customine」を用いて絞り込み検索を実装しました。このサービスは本来JavaScriptのプログラミングが必要なkintoneのカスタマイズをマウスの操作だけで構築できる月額制のサービスです。高度な設定をお手頃な費用で実現できるので「予算が限られている場合でも希望の機能を実装できる」と人気です。今後は櫻井様や江端様ご自身で、「gusuku Customine」を用いてkintoneの基本機能だけでは実装が難しい内容を、自由に盛り込んでいただけるようになりました。


櫻井様

この「絞り込みの仕様決め」は自分たちだけではできなかったと思います。アールスリーの和田さんに「料金表をkintoneにどう落とし込むか」というアイデアをいただきました。またkintoneと「gusuku Customine」を使わなかったら、完全にオーダーメードになるので仕様決めだけでも半年ぐらいはかかりますし、途中で内容を変えることもできません。開発費用もぐっと高くなるので当センターのシステム構築経費の中で完成させることは難しかったと思います。今回は希望している機能改善が予算の範囲で全部できましたし、これからいくらでも改良できる点が良いですね。

研究支援システム完成までの道のり

TV会議やメッセージ機能を利用した「会わない短期集中開発」    

Q:アールスリーとの開発の感想を教えてください

櫻井様

希望の開発期間が約2ヶ月と非常に短い中で、ウェブ会議を多用してくれて、期限内に完成いただけた点が良かったです。毎回面会ということになるとしっかり時間をとってお話をしないといけませんし、準備も必要です。今回は、TV会議やkintoneのメッセージ機能でのやり取りだけで十分に意見のすり合わせができました。開発中は直接お会いしたのはたったの3回でしたが、お互い忙しい中での開発だったので逆に良かったです。

江端様

やっぱり開発者の人柄が大事です。私はアールスリーの和田さんに細かい操作の要望などを沢山伝えましたが、言いたいことをすぐに分かってくださり、即形にしてくださった点が良かったです。例えば、見積り書・請求書の作成は各部門の担当に依頼し、作業分担していただいており、センター全体でkintoneは約50人が利用しています。皆が同じように使えるというのは難しいことですが、できるだけ操作を簡単にして皆さんが使いやすいシステムになるようにと「この部分を見やすくしたい」「ここは選択ミスが起きないようにしたい」「見積りの行に採番したい」など、多数お願いしました。導入後は利用する方から問合せはありますが、やり方を伝えるとすぐに理解してくださるので分かりやすいシステムになったと思います。特にバージョン2はとても使いやすいです!

江端様は「kintoneバージョン2」を使った時に「これだったら楽だな!」と感じたと話してくださいました。

ICTを利用して情報共有する効果を実感

Q:kintoneの導入効果を教えてください

櫻井様

働き方改革と言われますが、今回のことでICTを活用して情報をちゃんと共有することの大切さが分かりました。これまでメールと電話だけではここまで細かい情報共有はできませんでした。特に、kintoneの「支援管理アプリ」は便利です。1つの試験ごとにポータル的な画面ができて、1つ1つの履歴が案件別にまとまります。支援業務に携わる当センターの関係者は、オフィスがばらばらでも、たとえ出張中であっても支援業務の進捗が分かり、やり取りもできます。メールでは1つの情報が複数のメールに散らばるため探すのが大変ですが、kintoneではある案件の履歴が集約されているので追うのも簡単です。1つの業務に対するコミュニケーションコストは断然下がったと思います。また、見積り・請求額の入ったデータはkintoneで集計しグラフ化できるので「ある期間の売上額」など現状把握が簡単にできる点も良いですね。

困りごとに即対応できる、柔軟なシステムと開発パートナー

Q:kintone✕アールスリーの開発を検討中の方にメッセージをお願いします

櫻井様

何と言ってもkintoneは初期導入コストが安いです。安価で、困っていることにすぐに対応できるフレキシビリティのあるシステムは今後の研究開発の場面できっと役に立ちます。医療分野の開発は世界との競争です。世の中の時間の流れに対応して研究をする時にkintoneのようなユーザーの求めていることがすぐに実現できる柔軟なシステムは役に立ちます。kintoneやアールスリーと知り合えて良かったですね。

写真右から、江端様・アールスリー和田・櫻井様
写真右から、江端様・アールスリー和田・櫻井様

貴重なお話しをありがとうございました。
取材2019年5月

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